模擬パンデミック生活体験記(取材)
テーマ:パンデミック・インフルエンザ関連強毒型H5N1新型インフルエンザが発生し、パンデミック期の「籠城生活」とはどんなものだろうか?はたして自分は耐えられるのか?と疑問をもち、2009年の6月某日突如、四日間の模擬籠城生活を開始し実行した「原始人K介(仮称)」を取材してみた。
■四日間を備蓄食糧だけで過ごす。(調理はしない)
■四日間を一切外に出ない。
■電力に頼らない。
■人との接触を断つ。
籠城一日目
「おはよう~」
と、誰もいない4畳半の部屋でひとりつぶやきながら、ダラダラ籠城生活の初日がスタートした。
時間つぶしは読書とテレビ。
「この機会にたくさんの本を読むぞ」と決めるが、すぐに飽きる。
(このような時に努力なしで勝手に動いてくれるテレビという道具は、虚しくも頼りになる。)
日中はテレビと読書を行ったり来たり・・・・。
さらに、「電力に頼らない」ことを実践するため、夜九時には消灯。テレビも電源オフ。
「太陽とともに暮らす」と原始人らしい生活である。
食事は夕食のカレーライス1食のみ。
カセットコンロでレトルトカレーを温めるが、なぜかご飯は電気炊飯器で炊いたという。
K兄ィ記者「なんと中途半端な!!普通ならサトウのご飯をその鍋で同時に温めるだろ!?」
K介「それもそうだ~」
人の話をうまくかわしながら続ける。
「一日一回の食事は貴重。ゆっくりとかみしめながら時間をかけて食うといい。」
「というか、具だくさんカレー中辛にして良かった(涙)」と銘柄選択の成功を自画自賛する。
水(アクエリアス)は一日2リットル。
途中、ケロッグコーンフレークドライストロベリー味をそのままつまみ食いする。
一日目の感想を聞くと
「腹は減るがこんなもんだっぺ」とまだまだ余裕がある。
籠城二日目
無性に甘いものが食いたくなる。(軽い貧血状態になる。)
「それでも飴玉を舐めながら我慢した。」
やはり、二日目も読書とテレビ漬けだが、一日目より睡眠時間が長くなる。(寝ていたほうが楽)
「う~、夕食のカレーライスが待ち遠しい」
(ケロッグコーンフレークドライストロベリー味は袋の隅っこに粉だけが残る。)
夕食はやはり「カレーライス」
「具だくさんカレーよ、ありがとう」と、食い物のありがたさが身にしみる。
午後9時消灯
籠城三日目
朝から貧血症状とともに手に震えが出る。
どうしようもなく甘いものが食べたくなる。
日中飴玉を舐め必死に我慢するが、震えがやまない。
夕方、とうとう我慢できずにフルーツ缶に手を出す。
「うっ、缶をあける手が震えて力が出ない・・・」
(なんとか無事あけられる)
ひとくち食べ
「すっげーうまい!!こんなうまいもの生まれて初めて食った~!!」(T_T)
(一気に食べ尽くす。)
三日目の夕食も、もちろんカレーライス。
(たった三日ですでに飽き始めている。)
「カレーの脂っぽさが気になるんだよね~」と弱気な感じ。
日中、目をつぶって「爽やかな海辺」で寝そべっているイメージトレーニングをするが、すぐに挫折する。(ムリムリ)
籠城四日目
「とにかく甘いものが食いたい・・・」(きのうのフルーツ缶が夢に出てくる)
朝から飴をなめ続けるが全く役に立たない。
「フルーツ缶がほしい・・・」
(がフルーツ缶はすでにない。)
つまみ用に、さきいかなどもあるにはあるが、しょっぱいものは食いたくない。
空腹で朦朧とした状態の中、外を歩く人の足音や子供の騒ぎ声までが気に障る。
読書も、テレビさえも興味なし。
「人間とは弱いモンだわ、たった四日目でこれだもんな」
飴玉と水(アクエリアス)でしのぎながら、とにかく体力の消耗を避け横になる。
(四日目にもなると、横になっても眠れない。)
最終日の夕食、カレーライスが食えなくなり、考えたあげく「ハヤシライス」に手を出す。
「うめ~」「うめ~」
(フルーツ缶ほどではないが)
なんとか眠りにつく。
(たった四日間の壮絶な闘いが終了する。)
四日間を終えて、印象に残ったことを聞いてみた。(アドバイスも含め)
●とにかく甘いものが食べたくなるので多めに用意する。(フルーツ缶を強く推奨)
●水分をしっかりとる。
●食いものは確実に飽きるのでバリエーションを増やす。
●一日中暇なので、過ごし方を考える。
●ひとりの方がむしろ楽だと思った。(家族でさえも関わりたくなくなる。)
●しっかりバランス良く栄養を採らないと意識が朦朧としてくる。
●冬の寒さなら過ごせるが、電力に頼らないとなると夏は厳しい。
●四日間が限界。気が狂いそうになった。
●シャワーは一日一回3分限定。衛生面も気になる。
「とにかく、食べ物が大切。」
「何といっても、先が見えないまま、減っていく食糧を見るのは恐怖」
「しっかり準備しておかないと命取りになりますよ。」
とアドバイスしてくれた。
さらに、「今までの普通の生活がなんと贅沢なものであったのかが身にしみてわかった」という。
もともと質素で倹約家の彼から出る言葉には重みがあり、印象的であった。
ともすると、パンデミック時には新型インフルエンザそのものの恐怖だけが騒がれるが、
籠城生活がいかに厳しいものであるかがこの体験談によって鮮明に伝わってくる。
皆さんも
いっかい試してみたらどうやろか?
ワシはぶっつけ本番になりそうやけど・・・









