天才を破るのは天才のみ―

【ストーリー】
ドイツとフランスで連続爆破事件が発生する。名探偵ホームズは、皇太子が殺害されたと推理する。この事件は首謀者モリアーティ教授によって画策された、より大きな事件への序章でしかなかった。事件の捜査を進めるホームズはジプシーの占い師シムに出会う。彼女の兄が事件に何かしら関わっているため行方を捜していたのだがシムも行方を知らないと言う。事件の捜査と同時にワトソンの結婚式も無事に執り行われた。だがワトソンは進行旅行中にモリアーティ教授の差し金で命を狙われる。最初は一連の事件の捜査に乗り気ではなかったワトソンも捜査に本格的に加わり、命の危険を潜り抜けながら事件の真相に迫っていく。常にホームズ達の一手先を行くモリアーティ教授を追い詰めることはできるのか・・・。


なんでガイ・リッチー監督の映像はこんなにもカッコいいのだろか。数多くのカットを使ってスピード感を出す。対象を回り込むようなカメラワークは迫力を引き出す。そしてスロー映像を時折入れることで通常スピードある映像を今まで観たことのない映像に変えてくれる。観ている最中にこの映像にのめり込むなという方が無理な話だ。

映像のスピードやカメラワーク等の技術的な特徴だけでなく、シャーロック・ホームズの世界を見事に表現している。産業革命頃のイングランド。重く淀んだ空気、石炭で汚れた街、紳士淑女の衣装など、どれを観ても完璧に再現されている。この点もこの映画の世界観を作る上で重要な役割を見事に果たしているだろう。

またガイ・リッチー監督の特徴としてクレジット等の映像が際立って凝っているのだ。ガイ・リッチー監督の初期作品である「snatch」でもそのことがわかる。下記にリンクを貼るので観てもらいたい。

映像ばかりの話になっているが、ストーリーや演技も十分に楽しめる。相変わらずのちょっと奇人のホームズは変装、格闘、推理と大活躍。長年のコンビであるワトソンとの掛け合いもテンポがよく、仲の良い友人2人が作り出す雰囲気から二人の絆を感じさせてくれる。

ストーリーではモリアーティ教授の一歩先を行く罠にきっとやきもきさせられるだろう。この映画の特徴はストーリーが進む中でホームズが何故わかったのか?という場面が出てくるが、その説明がだいぶ前の映像に映り込んだモノだったりするので後から観客を「なるほど」と思わせる構図となっている。そのため観客も映像にあるモノを細かく観るときっとよりこの映画を楽しめるはずだ。

きっと第3作も作られる終わり方をしているので次にも期待したい。続編が楽しみな1本だ。

■「シャーロック・ホームズ」クレジット
http://www.youtube.com/watch?v=zw_x276kLDA

■「snatch」オープニング・クレジット
http://www.youtube.com/watch?v=y-xNqj7S54E


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