タイタンの戦い

テーマ:


運命を背負う男はすべてを壊す。

【ストーリー】
ある荒れた海で漁師の男は海に漂う棺を見つける。棺の中を開けると中には一人の赤子と美しい女性が横たわっていた。女性を既に死んでいるため男はその赤子を助けることにした。数十年後、その赤子はペルセウスという立派な青年に成長していた。その頃の世の中では人間が神に対して戦いを挑む動きをしていた。家族で漁に出かけた最中、軍隊が神・ゼウスの虚像を倒しているところを目撃する。神に渾名す軍隊は怒りをもって冥王・ハデスが襲ってくる。戦いの最中にペルセウスを残して家族は死亡してしまう。瀕死のところをハデスから逃げる軍隊に救われたペルセウスは王との謁見中に自分の出征の秘密をしるのだった。


日は辛口文章になるだろう。この映画は同名の昔の作品のリメイク。最初の作品は特撮の神様と言われるハリーハウゼンが制作した作品です。その作品をご存知でしょうか?

CGがない時代の特撮黎明期にはコマ撮りがメインでした。ギリシャ神話に登場する見たこともない怪物たちはキャラクター付がしっかりされていた。そして当時は革新的だったコマ撮りならではの暖かさもありつつ、各怪物たちは恐ろしく演じされていた。子供後心に衝撃が残った作品です。

制作された当時はコマ撮りも今でいう革新的なCGと同じだったはずだ。その衝撃は容易に想像できる。だが今回の映画はCGに観なれた私たちにとっては観慣れた映像で特に目を見張るものもないだろう。おどろおどろしい怪物たちもどこか愛嬌があり、恐ろしさが感じられない。

そうなると何が大切になってくるかと言うと脚本だ。映画の面白さはストーリーと編集で決まる。大半はストーリーだろう。そのため脚本の重要性の比重はかなり大きい。

今回のこの映画はギリシャ神話を元にしている。ギリシャ神話を最初から最後まで詳しく知っている人は少ないかもしれないが、各エピソードは知っている人も多々いるはずだ。

例えばメデューサの倒し方、アンドロメダの生贄になった時の姿。どれもが小さいころにプラネタリウムや聖闘士星矢で触れているとは思う。それだけ知名度があるならばそこがこの映画の見せ場だ。

今回は映画にオリジナリティを出して前作との差を付けたかっただろうが、その様なアクションシーンやディテールが映画独自になっている。個人的な感想を言えば残念。重要なところはギリシャ神話に沿ってほしかったものだ。

神の自己中心的な横暴等が出てくるギリシャ神話自体、突拍子もない展開であるため今回も大きな場面展開は突拍子もなるはずだが、ストーリーは小さくまとまってしまったようだ。ここが非常に残念。

ここまで散々辛辣なことを書いてきたが良い点もある。CG全盛のこの機会に昔の作品をリメイクしようという姿勢はありがたい。欲を言えばもっと観たこともない映像にしてほしかった。

そして体を張ったアクションシーンも見ものだ。サソリとの戦闘では迫力ある演出がある。

また神々が身に纏う鎧は日本漫画の「聖闘士星矢」のクロスを意識して制作されたというのは日本人にとってうれしいはずだ。特にアラサー世代は「聖闘士星矢」の世代であり、この映画のターゲットにも入っているはずだ。日本から影響されているであろう点を探すのもこの映画の面白味の一つなのかもしれない。


タイタンの戦い [Blu-ray]/サム・ワーシントン,ジェマ・アータートン,マッツ・ミケルセン
¥2,500
Amazon.co.jp
AD

第9地区

テーマ:



人類、エイリアンから一体誰が彼を救うのか。

【ストーリー】
28年前、巨大宇宙船が突如、南アフリカ共和国に辿り着いた。だが、宇宙船は攻撃もせずに何も行動を起こさない。政府は船内への調査を始めるが彼らが見たのは船内で弱り切った宇宙人だった。どうやら故障した宇宙船で難民として地球にきたようだ。今後の扱いが決まるまで、エイリアンはヨハネスブルグにある第9地区の仮設住宅に住まわされることになる。だが、言葉も通じず、野蛮で不潔なエイリアンたちが一般市民と暮らすことは出来なかった。そのため難民は下級市民と蔑まされる。何の進展もないまま月日が流れ、ある日民間企業マルチ・ナショナル・ユナイテッド社(MNU)がエイリアン管理をすることとなった。MNUは軍事企業でもあり、傭兵部隊による平和が訪れるかと思われたがMNUが彼らの世界に介入することはなく、第9地区はスラムとなる。市民とエイリアンの対立が激しいため第9地区から郊外にある第10地区へ彼らの強制移住が決定する。立ち退き作業を始めるにあたり、MNUはヴィカス・ヴァン・ダー・マーウィを現場責任者に指名する。事情を把握していないエイリアンたちから、承認のサインを無理矢理取りつけるのが彼の任務だった。しかし、第9地区内の小屋を調査している際に、ヴィカスは謎のウィルスに感染する。体調が悪くなる中、政府からも追われることになり・・・。


この映画の設定に驚きだ。特にエイリアンが攻めてくるわけでもなく、人類が反攻作戦をするだけではない。エイリアンが極度の栄養失調で死ぬ寸前の難民だ。そして、エイリアンを受け入れる人類。今までのSFドラマでこのような設定の映画はあっただろうか。

この映画ではエイリアンと人類が共存している。しかも、その共存の実態は人類の方が悪辣だ。人類の方が一方的で独裁的に見えてくる。第9地区の衛生面も劣悪だ。(余談だがこのような演出を観ると今起こっている現実の難民の状態も決して良いものではないのかもしれないという想像を呼び起こされる。)

一方的に扱ってきたエイリアンの所有物に触れてしまう主人公。彼は体調異変を起こしていく。ここからが更に驚愕の展開だ。体が段々とエイリアン化していく。これは自分の立場に置き換えると途轍もない恐怖だと容易に想像できる。

こうなると捕獲となるのが人類の鉄則。人類に追われることになった主人公は結局これまで独裁的に扱ってきたエイリアンの難民に逃げ込むことになる。何とも皮肉な話だ。

そこで色々とエイリアンと触れ合う主人公を観ていると観客はエイリアンが何とも人間味あふれる生き物だと気づかされる。悪いのは人類のような気がしてくる。

これまでのSF映画では敵対するのはエイリアンと相場が決まっていたが、相手は人類。人類との争いの映画。つまりエイリアンはサブキャラみたいな扱いなのだが、このエイリアンを難民にすることで今までになかったSFドラマを作り上げている。

アクション映画の面でも娯楽映画として大変面白い。エイリアンの平気は人類に使えないのだが、出てくる兵器はどれも強力な火力をほこる。最後の山場ではきっと手に汗握るアクションが観れて楽しめるはずだ。

実に面白いこの作品はぜひ一度観てもらいたい

第9地区 [Blu-ray]/シャルト・コプリー,デヴィッド・ジェームズ,ジェイソン・コープ
¥2,500
Amazon.co.jp
AD