直感的CF評-3【グローヴタワー】

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SMAPを声だけで使うなんて、贅沢なのか、せこいのかよくわからない。最近彼ら生身より指に顔を合成したり、声だけだったり…。まあ、それでも彼らだって認識されるのだから、ある意味頂点に達したってことか。
これは「鳥だの島だの」っていう、あのCFのこと。鳥の声がSMAPで、「鳥」という字と「島」という字が似ているとか、他愛ない話をするのだが、結局何のCFだかわからないヤツだ。深く考えずに勝手にIT系の何か、例えば検索エンジンか何かだと思っていた。稲垣吾郎がそういうCFをやっていたから連想したのかもしれない。広告主が不動産と知ったのは、今日の新聞折込みを見たからだ。正直驚いた。

『三井不動産・三菱商事etc.グローヴタワー』

マンションは全国販売をするものではない。いわゆる商圏ビジネスだ。だからこのCFもおそらく東京地区だけオンエアに違いない。この業種、商品にSMAPはやっぱり贅沢。でもジョイントベンチャーの顔ぶれも、他にオリックス・リアルエステートだの、住友商事だの、新日本都市開発だの、超豪華。巨大プロジェクトなのだろう。
面白いのは個別役割を明確化したメディアミックスへの挑戦。CFでは何の宣伝なのかを曖昧にして、「芝浦の島」をWebで検索させる。その行為に至らない人には新聞折込み。実は私はほとんど新聞折込みを見ないで捨てる。購読紙の日経新聞に折り込まれるのは、不動産ばかりでつまらないから。ところが「芝浦の島」の折込み広告は目立つったら…。目に付いてつい広げてしまった。A4-2枚分くらいのスペースを使った、巨大な「島。都心。」というキャッチコピーがまず目に付く。どこにもSMAPのことも、島と鳥の字の違いのことも書いていないが、「ああ、これか」とCFとこの商品が結びつく。チラシには余計なことはあまり書いていなくて、資料請求ハガキがついている。
久々に凝ったキャンペーン。そういう意味では興味深いけれど、マンションは衝動買いするものではないし、どこまで効果が出るかは未知数。あのCFが本当に購入層の認知に直結するのかもちょっとわからない。そういう意味ではアイデアに頼りすぎている感も。
もしかしたら、あのCF、募集時期に第2弾をやるのかな。あれで終わったら、わからないままって人も多いはず。でもいずれにしても芝浦の島には住みたくない。不便そうだし、地震に弱そう。地盤はお台場よりマシなのかな?
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直感的CF評-2【日本生命保険】

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これを二番煎じというのは酷か…。けれどもネスカフェの朝のリレーの内容が美しく、評価も高かったことから、どうしてもこのCFがあざとく思えて仕方がない。確かにネスカフェのCF、実は海外ではいまひとつ理解を得られていない。あまりに商品とかけ離れているという。つまり商品広告ならもっとコーヒーの美味しさとか香りとか直接的なファクターに触れるべきではないかという。ただ、日本国内でネスカフェのコーヒーの評価というものはおおよそ決まっている。新製品のCFでもない限り、今さら美味しいとか香りがどうの…と言われても伝わってこない。それよりはあの美しい谷川俊太郎の詩のピュアな朗読と音楽の旋律、風景の情感のコラボレーションの方が心に響く。しかも戦時というタイミングが絶妙だった。SMAPの「世界に一つだけの花」に通じるものがあった。日本生命のCFは同じく谷川俊太郎の詩を使いながら、内容が直接的だ。

『ニッセイ企業広告』 愛する人のために

保険にダイヤモンドの輝きもなければ、
パソコンの便利さもありません。
けれど目に見えぬこの商品には、
人間の血が通っています。
人間の未来への切ない望みがこめられています。(…続く)

この谷川俊太郎の詩そのものが何ら悪いわけではない。ただ、この詩は企業からの依頼で作られたものだろう。昔、俵万智の「サラダ記念日」が大ヒットした際にも、企業が広告コピーとしてその作品を使った。曖昧な記憶なので正確ではないが、おそらく発表された作品原文のままの使用だったと思う。企業が許可を得て、詩人や俳人、作家などの作品を使うことが悪いと考えるわけではない。ただ、企業の利害にあわせて、オリジナルを作り、それが垣間見えては作品そのものの美しさを半減させてしまう。また、そこに谷川氏の名前、つまり谷川ブランドという冠をつけると、ニッセイは谷川氏の名を借り、つむぐ詩の芸術性を借り、自社商品のフレームアップの共犯にしているような疎ましさを感じる。ヘタをすれば芸術家の価値さえ、引き下げかねない危うさがある。ネスカフェが使っている朝のリレーには、コーヒーの一言はどこにも出てこない。万が一、これがネスカフェのCFを前提として作られていたとしても、視聴者や消費者は心地よくだまされ、この作品を選び取った企業のセンスに共感できる。「ベタ」という言葉で表せば簡単だが、日本生命と谷川氏のコラボレーションは安易過ぎる気がしてならない。

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直感的CF評-1【ツーカー東京】

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携帯電話のCFは何かと話題になることが多かったのに、最近いまいちパッとしない。その中でまあアグレッシブだなと思えるのはau。最近ヨン様まで登場させて『グローバルパスポート』をアピール。ちょっと前の仲間由紀恵と松下由樹の組み合わせのナビゲーションのCFも良かった。ツーカーも松本人志を前面に出したCFで差別化をしていたところまではまだ受け入れられたのに、今のCFはちょっとひどい。

◎携帯電話『ツーカー東京』 年齢分布編(?)

ダウンタウンはじめ、日本の人口分布どおりの老若男女の人たちが並んでいるアレである。言いたいこと、コンセプトはよくわかる。わかりすぎるぐらいわかるけど、まったくクリエイティブがない。表現が稚拙すぎると思う。まるでプレゼン用にプランナーが作った企画書がそのままCFになった感じで笑ってしまう。何もあのつくりで、ギャラの高いタレントを使う必要もない。ダウンタウンのキャラクターの力をむしろ消してしまっている感じ。ツーカーの製品は使ったことがないけど、機能がシンプルで説明書もわかりやすくて、ケイタイを玩具や楽しみではなくて、最低限の機能性を話すことや仕事で使いたい人に良いと言いたいのだろう。人口分布なんか関係ないし、あれじゃ、なんか年寄りのためのケイタイみたいで、年齢の高い人も敬遠しそう…人って無理してでも自分を若いと思いたいものよ。

私もビデオに番組を入れるとCFを飛ばして観る方だけど、CFにも素晴らしいものはいっぱいある。今オンエアされているものなら、マスターカードのCF、カップヌードルのCF、少し前ならネスカフェとか。良いCFはその企業の知性を感じるし、製品やサービスの品位を引き上げる。でも最近は本当に良いCFが少なくなった。CFのおかげで無料でテレビが観られるのにね。もったいないと思う。

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