何よりも驚いたのは、映画館の混雑ぶり。立ち見・立ち見の連続のようで、私は行った回の次の回の整理券をもらって、余裕で座ったけれど、もちろんその回も満席で立ち見が出ていた。夜の回だったこともあり、子どもはほとんどいなくて、基本的に20代の男女が多く、女性が上回っていたと思う。アニメのご多聞にもれず、何人かいかにもオタクっぽい男性もいたが、さすがに完全に浮いていた。

肝心の内容だけど、評判ほどではない、というのが正直な感想。どうも私にはアニメは向いていないのかも。ちなみに「王と鳥」と比較対象にはなりにくい題材と思うが、あえていえば私は「王と鳥」の方が良かった。こっちは大人のアニメ、「時をかける少女」 は若い人にこそ観てほしい作品という感じがした。

サントラ, 吉田潔
時をかける少女 オリジナル・サウンドトラック

絵の雰囲気、アニメーションについては申し分ないとは思う。

私は原作を忘れた…というより観たり読んだ覚えがないのだが(つまり聞きかじりしか知らない)、だからこの映画のストーリーが「時をかける少女」のすべて。そのなかで感想を言うと、まず前半はちょっとかったるい。もちろん時折笑える部分やコミカルな展開もあるのだけど、微妙なタイムリープが繰り返されて、途中で辟易する。後半を観ればその意味はちゃんと納得できるのだけど、やっぱりちょっと年齢的なギャップを感じてしまう。前々日に食べた鉄板焼きをもう一度食べるためや、お小遣いをもう一度もらうためにリープするなんて、ちょっとねぇ…。


でも後半はしっかり泣かせてもらった。大泣きってほどじゃないけど、ホロリくらいかな。私はこのストーリー内容そのものより、若い頃の男友だちとの関係を思い出してしまった。タイムリープしなくても、好きな男の子が未来に帰って離れ離れにならなくても、普通に時間を過ごしていても、現実に悲しい別れはたくさんあるわけで、そうしたことと内容がダブってしまい…。


音楽もすごく良かった。そういう意味では、確かに評価は高くしてもいいのだけど、聞き及んでいた評判が良すぎた感じ。


ちなみに穿った見方をすれば、今回の口コミ、つくられたもののような気もしなくもない。だって配給が角川ヘラルド映画であれば、もう少し最初から上映館を増やせたはず。もしくはこれほどヒットするとは思わなかったのか…。まあ、確かに狙いどころの女子高校生や大学生くらいの若い子は少なかったような気がする。多分ノスタルジーを刺激する作品なのだろう。そのあたりが読めなかったということかな?あとはゲド戦記、アンチ票も取り込めた要因も大きかったかもしれない。

AD

映画評-46【王と鳥】

テーマ:

気をつけたまえ。

この国は今、罠だらけだからな。


アニメを映画館で観たのは、もしかして初めてではないだろうか。

かのスタジオジブリ作品でさえ、テレビ以外ではないという偏った映画ファン(←映画ファンと言えるかどうかも相当怪しいが)の私をなぜにこの「王と鳥」 はひきつけたのか?

それは世の評判以外の何物でもないのだけど…。

上映するのは今のところ東京と大阪だけみたいだが、興味のあるかたはDVDでも観られる。

私も観たあとにさらに買おうかと随分迷ったのだけど…。


アイ・ヴィー・シー
王と鳥

でも結局買ったのはこれ↓


高畑 勲, 叶 精二, 大塚 康生, 藤本 一勇
王と鳥―スタジオジブリの原点

活字で楽しむことにした。


アニメーションは暗いけれど、おそろしく知的でセンスがいい。そしてうまい。大宮殿から徐々に下降し、地下の街に至る描写などは、強烈に印象が残る独特の世界観を醸し出している。さすがにジブリ作品に通じるところがある。


内容もいまそして過去から世界で起こっていることのエッセンスをここまで凝縮して、強く、でも象徴的、比喩的に表現した作品をこれまでみたことがない。日本人のなかには今の政権の描写と評する人もいるが、まあ、わからなくはないが、私はそこまでいまの日本国に批判的ではない。王様はもっと独裁的で偶像化されている。そもそも中盤以降、このアニメの主要な登場人物は、人間ですらないのだ。人間ですらないものに、人間が支配され、労働を強いられている。この強烈な皮肉は、フランスのエスプリなのか…ちょっとおそろしい感じすらある。


うつしみの王様に支配されたこの国の地下(底辺)に生きる人に、鳥が来るまでには空だけでなく希望や夢もなかった。この地球には今なお、何か絶対的なものに支配され、底辺に生きている人が大勢いる。でも私たちはそのことを見ないふりをしている。それはおそらく王様の側近ではなく、でも地下に追いやられているわけではない、多くのその他大勢の市民たちのようなものだ。


このアニメをみて、国という巨大な組織のなかに生きるとはどういうことか、そしてその国は地球や宇宙というさらに大きなもののなかにあるということを考えてみるのもいいと思う。

AD
サントラ, 佐藤勝
日本沈没

久々に大作映画を観て、それこそ撃沈。

確かに評判悪かったのだけど、大昔に観た旧作の記憶もほとんどなかったし、まあ、いいかなぁ~と思って、レディースデーに合わせて観に行ってみた。せめて東京の震災を扱った「救命病棟24時」 レベルであればいいんじゃないかと思っていたが、とんでもない。救命病棟に失礼なレベルだった。江口洋介さん、松嶋菜々子さん、ごめんなさい、という感じ。考えたら、キャスティングだって、救命病棟の方が格段上だった。

今回のキャスティングだって、必ずしも悪いとは思わない。でもなぜだろうか。すべてが軽い人に見えた。


『日本沈没』  樋口真嗣監督 草彅 剛/柴咲コウ主演


早い話、海底プレートの急速な沈降で日本列島が沈没するという話。沈没の危機を察してから、徐々に崩壊していく過程を描いているわけだが、本作品では潜水艦パイロットの小野寺(草彅 剛)とハイパーレスキュー隊員の玲子(柴咲コウ)がストーリーの軸となっている。まあ、ここが安っぽい恋愛ドラマにしてしまった元凶なのだが…。そもそも結婚前の若い二人の恋愛を軸にした話を作るために、何千万人もの人を殺し、日本列島のほとんどの都市機能を崩壊させるなんて、あまりに国や人間を冒涜していると思う。


細かな話は観てもらうか、さまざまなサイトに載っているので割愛するが、まずご都合主義満載なうえ、この映画では肝要なはずの二人の恋愛感情の流れがきちんと描かれていない。日本が沈没するという大きな前提と、二人の恋愛、いずれも中途半端すぎる。政府関係者はなかなかおもしろかったが、それは首相役の石坂浩二が小泉首相に見え、大臣役の大地真央が小池百合子環境大臣に見えたから。首相が「中国」に日本人難民の受け入れのお願いに出向くはずの政府専用機が災害に巻き込まれて墜落してしまうなんて、なかなか皮肉が利いていると言えなくもない。結局映画のなかでも首脳会談できないままに…という(←この記述と私の政治的立場は関係ありません)。ちなみにアメリカにいとも簡単に裏切られるのも小ネタとしてはおもしろかった。


といっても、これらのことはもちろん物語の機軸とは関係がない。政府の危機管理の描き方も、二人の恋愛同様、中途半端すぎる。そもそも首相はすぐに死に、後を実質任されるのが大地真央だけで、首相代理は早々に外国に逃げちゃうのだから。大地真央だって、前提として強い女性政治家、例えばライス国務長官やヒラリー・クリントンのように設定されているわけではない。小池百合子さんに見えたくらいだし…。そもそも田所博士(豊川悦司)と元夫婦という設定にもムリがありすぎ。もしこんな政府なら、日本は既に別の意味でかなり危ない。


結末についても批判の声が多いようだが、私は国土を残したのはいいと思う。でもそれならば、その後生き残った人が何をすべきか、どこに活路を見出すヒントがあるのか、5分でも10分でも描いてほしかった。あれでは破壊しっぱなしである。これまでよりわずかな土地、わずかな人口でゼロからまた国を立ち上げなければならない実情に対して、あまりに無責任な終わり方だと思う。製作者が何も考えないで、観る人がそれぞれ考えてください、って言われてもね。


周知のようにこれは小松左京さん原作で以前に公開された作品のリメイク版だ。地球の環境は昨日より今日、明日の方が良くなっていることがない、地球は徐々に崩壊に近づいているというのが定説だ。もちろんそうではないという人もいるが、少なくとも人間の危機意識レベルは上がっているはずだし、だからこそこの作品のリメイクの意味はあったのだろう。


とにかく一体この映画が何を描かんとしていたのか、よくわからなかった。娯楽的恐怖映画なら、こんな重いテーマはとり上げないでほしいし、日本を沈没の危機に晒してまで伝えたいことがあったのなら、まじめに取り組んでほしかった。

本当に日本も地球もいつおかしくなっても、不思議ではないのだ。予告編で観たが、秋に「不都合な真実」 というアメリカの映画が公開されるそうだ。まだ観ていないので迂闊なことはいえないが、こっちを早々に観たくなった。こちらで描かれる世界がもし優れていたら、所詮今の日本人の危機意識や、危機に際した時のレベルは、中途半端な娯楽レベルと余計思い知らされるかもしれない。

AD

アメリカドラマのおもしろさを強烈に実感した、私的には米ドラマ最高の作品がコレ。

テレビのCMはおおげさじゃない。

観て夢中になり、すごい勢いでシーズンⅠを観終わり、一体シーズンⅡはいつ出るのかとヤキモキ。

初めて大画面液晶テレビが本気でほしくなり、CATVに加入したくなった、ハァ~

ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
LOST シーズン1 DVD Complete Box

ある日、シドニー発LA行きの航空機が無人島に不時着。48人が生存するが、救出は一向に来ない。そこから始まるサバイバル、島にある数々の謎と恐怖、生存者同士の個性のぶつかりあい、主要人物の個々のバックストーリー、航空機事故そのものの謎などが、このストーリーの柱になる。


こんなものを長々と見せられたら、途中で飽きそうなものだが、そこはプロットの秀逸さと登場人物の魅力、配置でカバーしている。ドクターのジャックをリーダーに結束しようとするが、それぞれの事情と個性がそれを許さない。支えとなる大人の女性ケイトは実は犯罪者で護送中に事故に遭っていた。そのほかにも英語のできない韓国人夫婦(のちに妻はできることが判明)、デブでムードメーカーのハーリー、ドラック中毒のミュージシャン、子連れの黒人など、アメリカらしい人物構成がおもしろい。


最初は登場人物が多いし、外人だし、感情移入できるかな、そもそも名前と顔が一致するのかな、と心配したが、それは無用。すぐに覚えられる。そもそもすぐに終わるドラマじゃないから、ゆっくり覚えればいい。


韓国人が出ているが、欧米人から観たアジア人って、やっぱりあんな感じか…という別の見方、楽しみもある。あとアラブ人もでてくる。まさに小さな人種の坩堝。これで中国人や日本人が出てきたら、さらに面白いかなと思いつつも、わけわからなくなるだろうから、極東アジア代表は韓国人だけで十分かも。


正直謎解きやサスペンスフルな要素だけを期待してみると、冗長すぎるかもしれない。キャラクターの個性と、個々の葛藤、人間関係、それぞれが時々起こす事件がこのドラマの魅力だと思う。


ちなみにロケ地はオアフ島らしい。まあ、本当の無人島で長期ロケはムリだろう。でもそれを感じさせないところ、あるいはオアフ島にはあれだけの自然が残っているすごさかもしれないけれど、それはそれで興味深い。もうやっているかもしれないけれど、ぜひロケ地ツアーを企画してほしい。でも行ってみたら、本当は人がウジャウジャいるビーチや洞窟だったりして…。

ichimura

サービス精神旺盛な舞台だった。

ミュージカルファンにはたまらないはず。

特に市村正親ファンの私には劇場の客席通路に何度も降りてきてくれるアブロンシウス教授(市村正親)に大感動!

彼は日本ミュージカル界の神様みたいなものなのに…。

それだけじゃなく、客席を含めて、劇場全体を使う演出による、臨場感と一体感は、ミュージカルの醍醐味を十二分に発揮するものだ。ラストのスタンディング・オーベーションは自然発生か、演出か…。いずれにしても納得の喝采だった。


『ダンス・オブ・ヴァンパイア』 (東宝ミュージカル)  山田和也演出/山口祐一郎 市村正親主演 於:帝国劇場


物語の舞台はトランシルバニア地方の雪深い村。

アブロンシウス教授と助手は、ヴァンパイアの研究旅行にやってくる。凍傷を助けられた宿で、美しい娘のサラと出会い、助手は一目ぼれ。サラは父親の干渉やうちの中に縛られる閉塞感に耐え切れず、外に出たいと思っている矢先だった。そんなサラにヴァンパイア・クロロック伯爵の魔の手が…。

教授は研究のために、助手は恋のために、ヴァンパイアの館に入り、ヴァンパイア退治に執念を燃やす。


ストーリーはミュージカルらしい奇想天外な話。正直途中ちょっと間延びするのも残念。


でも音楽と演出がいい。山口祐一郎って、あんなに迫力のある存在感のある役者だっけと見直した。なにしろ最初に彼を観たのはかれこれ20年以上前、ジーザス・クライスト=スーパースター なのだから、隔世の感がある。その彼も今は50歳。でもそれにしては若さはそのままで、ベテラン然としてコミカルな役を演じている市村正親とコントラストがあり、良いコンビネーションを発揮している。


特殊メイクも見もの。そのままで多くの役者が通路を使って演じるのだから、すごい迫力。この芝居は1Fで観ないと、楽しみは半減するかも。私はラッキーなことにA席なのに、ど真ん中で後方通路の近くだった。間近で観る市村正親の姿に涙が出そうになった。この席ならほかの劇場ならS席の場所だと思う。余談だが、帝国劇場の懐の深さにも感謝!

DVD評-16【蛇イチゴ】

テーマ:
宮迫博之/蛇イチゴ
「ゆれる」 に感動し、監督の西川美和さんに強い関心を持ったので、初監督作品の「蛇イチゴ」をレンタル。同じことを考えた人が多かったのか、最初はすべてレンタル中。2度目のトライで、1枚だけ残っていたのを借りた。もし観る順番が逆ならきっとこの作品にもそれなりに感動していたと思う。でも「ゆれる」が良すぎてやや期待はずれ。必ずしも1作目より2作目が良いとは限らず、むしろ逆のケースも多いのに、この人は着実に成長しているということか…。正直1作目にはやや彼女の若さが人物描写の荒っぽさになっていたような気がする。

『蛇イチゴ』  西川美和監督・脚本 宮迫博之/つみきみほ主演

明智倫子(つみきみほ)の家族は、両親と認知症の祖父と暮らしている。認知症の祖父はやや痛々しいが、ここまではごく普通の家族。父は実直なサラリーマンである。倫子自身、小学校の先生で、同僚の恋人と結婚を意識している。ところが実はこの恋人にも隠している兄の存在がある。兄(宮迫博之)は、10年前に勘当されてそれ以来一度も帰って来ていない。


認知症の祖父が亡くなり、その葬儀に兄が偶然現れる。実は同じ斎場で行われていた別の葬儀の香典詐欺をするために来ていたのだ。ちょうど同じタイミングで実は父が会社をリストラされたことを家族に隠し、借金を重ねていたことがばれる。借金取りが斎場に来て脅迫まがいの取立てをしたからだ。その場を口八丁で取り繕い、急場を凌いでくれたのが兄。両親は腑に落ちないものを感じながらも急に兄を頼るようになる。


ここから倫子と兄の葛藤が始まるわけで、作品の雰囲気や流れは「ゆれる」にも踏襲している。それでも圧倒的に「ゆれる」が勝っていたのは、人物描写だ。「蛇イチゴ」はどうもお話を追っている感じで、どの登場人物も明確な意思が見えてこない。意思が見えるべき行動を起こしていても、それが突飛なことに思える。例えば母が祖父を見放すシーン。祖父が発作を起こしたことに気づきながら、風呂場の掃除をしているふりをして、放置したことで亡くなってしまうのだ。例えば主人公や準主役の行動であれば、きちんと人物や状況を描けば、こうした行動にも納得させられる。もちろん義父を抱えていることによる鬱積した感情はわかる。でも見放すだろうかと思う。仮に正当な(←倫理的にではなく、映画作品として)行動だとしても、脇役にこれをさせてしまうと、ここで引っ掛かってせっかく主役・準主役である兄妹がぼやけてしまう。


それに反して倫子が本当につまらない女なのだ。つまらない女という設定なのだが、つまらない女をつまらないままに描いていて魅力を感じない。これでアンチとして兄の魅力が際立てば良いのだが、兄の真意もはっきりしない。出て行った時には、妹の下着を売ったとか、大学の学費を使い込んだくらいの罪しか犯していないのに、10年間音信不通というのも設定が弱い。


家族の崩壊と再生のドラマということだが、再生の結果を見せないのが、西川監督の手法のよう。これは「ゆれる」も同様なのだが、「ゆれる」の方が救いを感じた。それは男同士だったからなのか、根っこでわかりあえている兄弟というのは描きやすくても兄妹となるとちょっと無理があったのかもしれない。


なんとなく後味がはっきりしない、消化不良感を感じた。でも20代の監督の処女作としては、素晴らしい出来だったことには違いがない。本当に3作目、4作目が楽しみ。

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
プリズン・ブレイク コレクターズ BOX1

アメリカのドラマにだけははまるまいと思ってきたのだが、このドラマで撃沈。

おもしろすぎる、でも長い。

このドラマも13話で、シーズン1の前半にすぎない。

でも、話の主軸である兄リンカーンの死刑前日まで話が進むのだが、

残りの膨大な時間、何をやるつもりだろうか?


『プリズン・ブレイク』 (米ドラマ)第1話~13話 ポール・シェアリング製作総指揮・脚本 ウェントワース・ミラー主演


マイケル・スコフィールド(ウェントワース・ミラー)は、頭脳明晰で有能な建築設計士。ところが兄のリンカーンが副大統領の兄弟を殺した罪で死刑を宣告される。無実を主張する兄の言葉を信じ、自らも罪を犯し、兄と同じ刑務所に入り、脱獄の機会を伺う。兄の死刑執行は30日後、とにかく時間がない。その間にいかに重厚な獄窓を破れるか…。ここまでの着想は、自らの冤罪に立ち向かう大好きな作品「ショーシャンクの空に」 を思い出さなくもないが、エンターテインメント性、奇想天外性は、「プリズン・ブレイク」が勝っている。映画作品としては「ショーシャンクの空に」の方が格段好きだけど。


何人かの癖のある囚人がマイケルを阻んだり、協力したり、スリリングな展開。刑務所の中を描くという重苦しさは、塀の外の攻防を描くことで緩和している。でも実際は塀の外でもリンカーンを救おうと奔走する弁護士と、リンカーンを落としいれようとする巨大な権力の闘争が描かれているわけで、映像に色があるだけでむしろ塀の外で起こることの方が暗く残酷だ。


むしろ塀の中はこれがドラマの世界だけでなく、事実で忠実であるなら、日本よりむしろ外との交流は自由に思える。電話はできるし、面会でスキンシップも可能。囚人同士もよく喋っている。


それにしても、この設定はアメリカならではだと思う。そもそも副大統領の大統領選に絡んだ陰謀で、こんなに多くの人が殺されるなんて発想、日本ではできないし、仮にできても現実味が皆無だ。リンカーンの息子の家族まで殺し、その息子に罪をおしつけるなど、いくら何でも過激すぎる。まあ、だからこそ、アメリカのドラマにははまってしまうわけだけど、でも私は「LOST」 のような作品の方が罪がなくて好き。


しかし14話以降は、12月発売らしい。引っ張るなぁ~次を観たいという気持ち、持続しているのかな?