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この連休でやっとビデオを2話連続で観た。天海祐希そのものは好きな女優ではないし、矢田亜希子はさらに嫌いだけれど、天海さんの出るドラマは結構好き(←)。最近では「女王の教室」が秀逸。

というわけで、期待して観てみたが、まあ月9の限界って感じがした。月9も木村拓哉の「HIRO」くらいまでは悪くなかったが、最近なんか呪縛にかかっているみたいだ。つくる側もプレッシャーがあるのかもしれないけど…。まあ、今回は大人である天海さんが主演ということで、ギリギリ観るに耐えるものではあるのだが、中途半端な甘ったるさがある。せっかくキャスターが1話ごとにスクープという形で事件を解決していくという、月9にしてはおもしろい手法(あ、HIROもそうだったっけ?)を使っているのだから、もうちょっと骨太のつくりでも良かったのではないかと思う。まあ、そういう視聴者をターゲットにしていないということかもしれないが…。


『トップキャスター』  フジテレビ 月曜21時00分~


椿木春香(天海祐希)は、かつてスクープの鬼といわれた名物キャスターだった。ある件をきっかけに米国に飛ばされたが、8年ぶりに戻ってくることに。そしてプライムタイムのニュースを任されるが、スクープにかける情熱は昔と変わらず、さまざまな事件に鋭く大胆に切り込んでいくというもの。その切り込むスクープの内容が毎回変わるわけだが、1回目はセレブ婚を決めた缶詰工場で働く女にかけられた前の恋人に対する殺人未遂容疑の謎、2回目は医療過誤疑惑。これはなんと、疑惑をかけられた医師の名前が「財前」であるがゆえに、白い巨塔疑惑と名づけられるのだが、この財前教授役が温水洋一というのは勘弁してほしい。その上矢田亜希子(春香のアシスタント役)が台詞の中で、「里見先生がカッコイイ」というものだから笑ってしまう。コメディっぽい部分も必要だとは思うが、あまりに安直過ぎる感じがする。

一事が万事この感じ。人物設定も敵味方が曖昧で、みんなただの良い人に見える(←今のところ)。どうも緩い感じが否めない。1時間の事件解決モノはテレ朝の定番という感じだし(今クールも「7人の女弁護士」 でやっている)、今回のクールで言えばNHKの「マチベン」がやはり貫録勝ち。マチベンは、1時間事件解決モノの限界まで深く切り込んでいる。シナリオのレベルが違うように思える。

天海祐希にこのレベルの役をやらせるのならいっそ温存しておいて、月9はやっぱり若い人か、女性に人気の男性が主役をやった方がいいと思うのだがどうだろう?

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kiss

先日観た「プロデューサーズ」と比べて、宣伝量も少なければ上映館も単館上映に限りなく近い少なさ。これは配給会社の力や宣伝費への投下額の違いであって、作品の質とはあまり関係がない。この作品はまさにそう称していい感じの楽しい映画だった。崇高なテーマや内容は何もないが、これぞコメディ。しかもサスペンスの要素もあるから、単なるドタバタコメディが嫌いな人にも十分に納得できるはず。残念だったのは、ちょっと話の流れや人間関係が最初つかみにくかったこと。これから観る方は、ネタバレしない程度に予備知識を持って臨んだ方が無難だと思う。


『キスキス,バンバン』  シェーン・ブラック監督 ロバート・ダウニーJr./ヴァル・キルマー主演


ニューヨークに住む間抜けなコソ泥ハリー・ロックハート(ロバート・ダウニーJr.)は、警察に追われ、探偵役の俳優のオーディション会場に偶然飛び込んでしまう。迫真の演技(本人には現実)が認められ、晴れてスクリーンテストを受けることになる。役作りのためにロスに行き、本物の探偵ペリー(ヴァル・キルマー)とコンビを組む。そこでハリーは子どもの頃に憧れていたハーモニーという美女と再会する。彼女は、ハリウッド女優になるために来ていたが、いまいちパッとしない。

そんな3人の前に事件が次々と起こり、ハーモニーの妹も謎の自殺を遂げる。

大爆笑ってほどではなくても、くすっと笑えるエピソードやシーンが満載。シニカルなつくりでもあるので、全体には大人向けのオシャレなコメディといった感じ。

ただ、展開がスピーディすぎて、しっかり観ていないとついていけない部分もある。できればもう一度観に行きたいが、同じ映画をもう一度観に行くというほど、素晴らしい映画かと言われれば、ちょっと疑問符も。レンタルビデオが出たら、借りて観てみようと思う。万全の体力、クリアな頭で映画館に行けない場合(私が行ったのはレイトショーで、相当疲れていた)には、レンタルビデオが無難かもしれない。映画のスクリーンでなくても十分楽しめる。でも大画面の液晶かプラズマがほしいなぁ~(←最後は単なる個人的なつぶやき)。

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pro

おすぎが宣伝にかり出されているからか、今上映されているロードショーのなかでは比較的評判の良いこの映画。ミュージカルが大好きな私としては期待に胸膨らませ、疲れた金曜日にオールナイトを鑑賞した。ところが何度も睡魔に襲われ、大変だった。でも時々寝ても、ストーリーはわかるけど…。やっぱりミュージカルは、舞台の躍動感、息遣い、臨場感が欠かせないのかしら?それでも「8人の女たち」 は大好きだけど…。どうもこのプロデューサーズは乗れなかった。ダメというより、乗れなかったという方が気持ちに近い。私だけじゃなくて、劇場のほかの客もあまり笑っていなかった。


『プロデューサーズ』  スーザン・ストローマン監督 ネイサン・レイン/マシュー・ブロデリック主演


ストーリーは単純。落ちぶれたプロデューサー・マックスが会計士であるレオの発見、出資者から金を集めてショーがコケれば配当を払わずに済んでプロデューサーが儲かるというカラクリに乗る。マックスはもともとプロデューサーに憧れていたレオを巻き込み、史上最低のミュージカル製作に乗り出す。1日だけで打ち切られるショーをつくるために、史上最低の脚本、演出家、出演者などを集め、とうとう初日を迎えるが、思いのほか観客の反応は上々で思惑が外れる…というもの。

これはブロードウェイミュージカル作品で、それを映画として再現したもの。でも難しいことはよくわからないが、同じミュージカルでもステージのつくり方と、映画のつくり方って、違ったほうが良いと思う。ステージと同じようにのべつ幕なしに歌ったり踊ったりしても興ざめしてしまう。よくミュージカル嫌いの人(タモリとかね)が「何で生活シーンのなかで突然踊ったり歌ったりするんだ、不自然極まりない」と言うが、ステージで観ている分にはそんなことはまったく感じないのに、映画だとまったく同じことを感じてしまうのが不思議だ。ステージには映像的リアリティは端から求めていないからだろう。

だからといって、映画でミュージカルが成立しないとは思わない。ただ舞台に忠実である必要はないと思う。映像でじっくり見せるところは見せる、台詞で笑わせるところは笑わせると、もう少しメリハリがあっても良いのではないか。それと翻訳の字幕で笑わせるのって、やっぱり難しいものだなと感じた。これは笑いのツボが違うというよりは、語彙とレトリックの問題だと思う。

そういうわけで私の感想としては最悪ってほどではないけれど、☆3.5くらいの感じだったかな。いずれにしても期待が大きすぎたので、ちょっとギャップがあった。

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ドラマ評-4【医龍】

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マンガが原作だからといって、実写で見せる以上、ある程度のリアリティのある芝居は必要だと思う。ましてや、医療モノにはこれまでに名作が多いゆえに、それなりに期待も集まるのではないか。もちろん「医龍」を観る前に、「白い巨塔」や「救命病棟」を超えるものを求めることはなかったけれど…。

それにしても坂口憲二のファンの方には申し訳ないが、この人に主役は無理なのではないかと思う。等身大の若い男を演じるのならまだ見られるけれど、高みを求めるような役どころにはかなり無理がある。坂口憲二そのものはカッコイイと思うし、嫌いではないけれど、こと演技力の点では同世代と思われる伊藤英明(なんとなく被るんだよね~)よりも?マークがついてしまう。今回も脇の北村一輝や佐々木蔵之介に食われそうな臭いがプンプンしている。


『医龍』  フジテレビ 木曜22時00分~


朝田龍太郎・通称「医龍」(坂口憲二)は、かつて難民キャンプで世界最高救命医療チームを率いた天才外科医。その後大学病院の意向に背き、病院を追われ、今は海辺で自堕落な生活をしている。そこに大学病院の助教授加藤晶(稲森いずみ)がスカウトにやってくる。彼女は教授選に勝つための論文の素材として、バチスタ手術という難易度の高い手術の事例が必要だった。そこで執刀医として、朝田を求めたというわけだ。最初は躊躇するが、バチスタ手術ができるという魅力に心が揺さぶられ、晶のいる病院を訪れる。しかし大学病院の体質は朝田の現役時代となんら変わらず、まったく馴染めないし、馴染もうともしない。

まあ、だいたい1話は導入部なので、乱暴にいえばそんなところで終わるのだが(もちろんいろいろなアクシデントは起こる)、ストーリーはきっとおもしろいと思う。次に期待もさせる。医療現場はドラマの素材として最高の舞台だとも思う。

でも肝心の主役の台詞まわしを何とかしてほしい。天才外科医にまったく見えない。内容よりまずそっちが気になってしまう。本当は女性助教授役の稲森いずみだって、必ずしもリアリティはないと思うのが、皮肉にも主役にリアリティがなさすぎるため、すごくうまく見える。医龍役、30代半ばの役なら他に役者はいるだろうと思う。「白い巨塔」で江口洋介の演技をけなしたが、里見先生役はともかく進藤先生役は十分良くて、救命病棟はそれなりにはまった。

やっぱりこの手の話は、主役の魅力いかんにドラマ全体がかかっている。もちろん原作や脚本に描かれた人物像も重要だが、キャスティングも大事。2話以降でせめてそつなくこなしてくれていればいいな、と思う。

ドラマ評-3【プリマダム】

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黒木瞳には飽きてきたが、中森明菜との組み合わせはキワモノ。内容よりもうここにすべての話題が集中している感が否めない新ドラマがスタートした。バレエとか、ダンスを素材にしたドラマって、稀に大当たりするケースもあるけれど、今回はどうだろう。でも脚本が中園ミホというのは多少なりとも期待が持てる。ただ初回を観た感想だけでは、正直言って次に引っ張るものはなかった。

確かに中森明菜が出ていなければ、キワモノにすらなっていなかったと思うが、ちょっと彼女が痛すぎる。だからなのか、昼間のワイドショー系の番宣も、ほとんど神田うのが頑張っていて、主役コンビが出てきたのは、1番組だけだったのじゃないかな(って、全部チェックしたわけではないけど)?それも2人揃って出ていたものだから、怖い雰囲気がそこはかとなく漂っていた。


『プリマダム』  日本テレビ 水曜22時00分~


佳奈(黒木瞳)は、年頃の娘2人とサラリーマンの夫と暮らす平凡な主婦。娘にジャズダンスを習わせたり、私立中学に行かせるためにファストフード店でパートをしている。そんな佳奈も小学生の頃は、プリマを目指しバレエを習っていた。今でもバレエへの思いはあり、ある日夫に誘われて大喜びで公演を観に行く。その公演の主宰が小学生の頃一緒にバレエを習っていた友だちの倉橋ラン子(中森明菜)。彼女は佳奈が家庭の事情でバレエをやめた後も続け、ロイヤルバレエ団のプリマになるという夢を果たしていた。

この2人の再会があり、さらに佳奈のパート先の向かいのビルに有名イケメンバレエダンサーがバレエ教室を開く。「Shall we Dance?」の女性版と考えても、何だかやや安直な展開という気もしないでもない。そのバレエ教室になぜかやってくるラン子の息子を通して、本格的に幼なじみの2人が再会して、佳奈もバレエを再開するというあたりで初回は終わったわけだが、まあ、ひと通り序章で人間関係や性格を説明した感じで、面白みや特段事件はなかった。

佳奈のキャラはありきたりだけど、まあこれはこれで今後の展開次第では良しとして、中森明菜演じるラン子のキャラ設定が浮揚感がありすぎてつらい。何を考えているのかわからないが、何となく嫌なヤツという設定だ。そのくせ最初の再会で佳奈だと気づいて、わざわざ次の予定をキャンセルして劇場に戻るという行動パターンも理解しがたい。どうせその後ちゃんと再会するなら、要らないシチュエーションだったように思う。本人の演技もキツイ。前はもうちょっと上手かったと思うのだが…。しかも病気という設定もどうなのよっと思う。唯一いい味出していたのは、古田新太(黒木瞳のダンナ役)。加藤雅也(黒木瞳のパート先店長)は、最近ビミョーな役が多い。今回も不思議な役柄。

2回目、観るかな?本当にビミョーだな…。

ドラマ評-2【マチベン】

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最近NHKがちょっとした話題をつくっている(←いい意味での)。

ニュースやドキュメンタリー、スポーツ中継の質の高さは認めるけれど、バラエティ系はちょっと堅すぎてあまり観る気がしなかったが、「エル・ポポラッチがゆく!!」 という1分間の実験的なドラマが評判を呼んでいるらしく、チャレンジャーな一面を見せている。

だからというわけではないが、今回久しぶりにNHKの連続ドラマの第1回を観た。何気なく観てしまったのだが、かなり良かった。

脚本家の井上由美子さんが安定感抜群なのは言うまでもないが、キャスティングも絶妙。沢田研二をさりげなく使うあたりがNHKらしい。「新撰組!」で土方歳三役だった山本耕史も期待大。


『マチベン』  NHK 土曜21時00分~(全6回)


主役で町の弁護士を演じる天地涼子(江角マキコ)が被告席にいるシーンから始まるのが衝撃的。ただ、その後は、この話が前に進んだり、この話の回想に直接入るのではなく、「どういうことだろう?」と疑問を引っ張りつつ、1話完結っぽい事件裁判の話に移る。

今回は娘を放火事件で喪った河瀬みゆき(松田美由紀)が原告になり、少年審判で保護観察処分になった19歳の被告の民事裁判を起こす話。今話題の少年法の問題を真っ向から取り上げつつも、重苦しくなりすぎない展開と演出。1時間に無理なく、多くのエッセンス、筋の一貫した流れがすっきりまとめられていて、うまい脚本というのはこういうものをいうのかと思わせられた。

少年はプライドだけが高く大人になりきれない、総合病院の御曹司で大手弁護士事務所がつくという設定は、NHKらしい勧善懲悪型で必ずしも新鮮味はない。でも意表をつく裁判の展開があるので、むしろ設定がありきたりの方が話としてはとり散らかることがなく、良かったのかもしれない。

ちなみに山本耕史は、第1回ではライバルの大手弁護士事務所の若手ホープだが、来週からはマチベンになる(このあたりの描き方は、現段階ではやや安直な感じ。来週の巻き返しに期待)。

いずれにしても、安心してみられる大人のドラマという感じ。一応話の骨格は連続性があるのだが、来週から見ても、内容は理解できると思う。

crash

映画の日が土曜日に重なり、映画館は満員御礼といったところ。どうにか席をとり観てきた。念願の「クラッシュ」。でも期待しすぎだった。悪くはないのだが、思ったほど良くもない。多分先に「ホテル・ルワンダ」を観たからだろう。「ホテル・ルワンダ」の方が単純なのだが、1本太い骨があって成り立っている映画。「クラッシュ」は言ってみれば群像劇だ。私の好みだと思うのだが、映画はやっぱり1人にしっかりスポットを当てて丁寧に描いてほしいと思う。その方が感情移入がしやすい。大勢出てくると、どうしてもこの人必要かな?という人が出てくるし、よく理解できない人も出てくる。

「クラッシュ」もアメリカ社会の深層の描写はよくできていて、感じるところは多いのだが、じゃあ、誰かに共感して涙を流したかというと、今一歩足らなかったような気がする。


『クラッシュ』  ポール・ハギス監督・脚本 サンドラ・ブロック/ドン・チードル主演


白人と黒人、さらにスパニッシュ、アラブ、アジア人などが入り乱れ、共存するロサンゼルスの深層を何人かの主役級の登場人物の生活の一片と、人種差別が引き起こす事件を通して描いていく。

ある日ロサンゼルス郊外で、若い男の死体が発見される。そこから衝突の連鎖が起こり、さまざまな人の人生を狂わせるというのが公式のこの映画のエッセンス。でも連鎖というほどの深みはなく、個々のエピソードを個々に観た方がわかりやすいかもしれない。このことに途中まで気づかず、無理に連鎖点を探そうとしたので混乱した。確かに警官に侮辱を受けた黒人夫婦の奥さんが、事故の際に同じ警官に助けられたりといった関係性はつながっていくのだが…。

感じたのは、アメリカ社会の差別は露骨で犯罪に直結しやすい…ということ。黒人の前で平気で他の黒人を人種差別的な侮蔑をする。日本にある差別とアメリカにある差別は、ルーツや規模は違うが、差別という点では同じと考えると、日本の差別のほうがある意味陰湿かもしれない(かといって、アメリカの差別が陰湿でないと言っているわけではない)。ただ、表現の仕方次第で、表層的には少しはマシになる。衝突が起こっても、銃がなければ暴力的な結果にはなりにくい。それが問題の根本的解決とは思わないが、表面的だけでも穏やかで秩序ある都市を形成する知恵ではあると思う。

ロスに昔行ったことがあるが、確かに異様な不気味さを感じる都市だった。それはおそらく車社会であることも、大きな原因ではないかと思う。車社会とは街で人と人の袖が触れ合わない社会だ。これが地下鉄やバス、タクシーなどの交通機関が発達している日本の都市や、ニューヨークとの大きな違いだと思う。日常的に見知らぬ者同士、間近で接することで、私たちは衝突を回避する術を身につける。

100%差別のない社会はない。100%差別意識のない人はいない。アメリカの病理を遠い文化圏の話とは思わない。

ちょっと映画の話からは外れたが、「クラッシュ」は人が社会を形成していくうえで感じるやるせなさ、やりきれなさ、憤りを巧みに表現した映画であったことは確かだ。