ucyuu

公開当初から観たくて仕方なかったのだけど、日が経つにつれて悪い評判ばかりが耳に入ってきて…。それでも初志貫徹というわけで、行ってきた、やっと。これは映画館で観るべき、間違ってもテレビ放映時やDVDで観てはいけない。もちろんホームシアター設備を持っていれば違うけど、普通のテレビじゃダメ。なぜなら映像と音響の迫力以外、観るべきものがない、と言ったら言い過ぎか。ベタな親子の再生話と、世界規模・宇宙規模の戦争・破壊の話がうまく絡み合っているとは言い難かったし、ご都合主義のラストもアメリカンな感じと笑うしかない?


『宇宙戦争』  スティーヴン・スピルバーグ監督/トム・クルーズ主演

ストーリーはトム・クルーズ演じるレイが、別れた妻との間の子供を2人、一時的に引き取るところから始まる。引き取ったその日(多分)に、既に宇宙からの侵略者が世界各国に上陸(地下から飛び出して?)してきて、異常な稲光が何度も地上を襲う。そこからただひたすらに、妻がいるボストンに向かって子供を連れて逃げて、逃げて、逃げまくる。簡単に言えばそれが大筋。

途中、我先に逃げたいと願う人間の醜さが露呈したり、2人の子供のうち、長男のロビーの離れ離れになったり、独りぼっちになった男と出会ったりと、ストーリーのポイントはある。でも主人公のレイも娘を守るというただ1点を除いては、他の人間たちと同じくらい情けなく醜いし、寸でのところで生き延びるのもわざとらしい(まあ、これは主人公である故に仕方ないが)。別にレイ1人が正義の味方然として、敵に立ち向かうのもそれはそれでわざとらしいのだが、娘を守るっていうモチベーションも当たり前といえば当たり前で、そこまで切実な親子の情が残念ながら迫ってこなかった。

蛇足だけれど、途中で何度か日本の状況を伝えるニュースややりとりが出てきて、ちょっと不思議だったのが、「大阪ですら侵略者を一体倒した、日本人ができたのだからできる」みたいな台詞があったのだけど、なんで東京じゃなく大阪?ギャグと根性で倒した?あるいは侵略者の敵(←最後に種明かしされる)が大阪の方に多いの?

いろいろ書いたけど、やっぱりいちばん納得できなかったのはラスト。ここまで世界中がボロボロになっても、あなたたちだけ無傷ならそれでいいのね?と思ってしまったのは、狭量だろうか?

パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
宇宙戦争
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kurosa

もはやNEW映画でもなんでもなく、ロードショー最終日に観てきた。最終日の最終回だからか、思った以上に込んでいた(平日の昼間なのに)。私は前売り券を持っていたのに、ずっと行けず駆け込んだわけ。行かなかった理由?おもしろくないってみんな言うものだから…。でも思ったより良かった。やっぱり期待値が低いとがっかりしないということか。余談だが、今日までしつこく上映していたのは、テアトルタイムズスクエア 、新宿タカシマヤの上階の映画館である。初めて入ったのだが、想像していたより、ずっと良かった。傾斜もあって前の人が気にならないし、スクリーンも大きい。そして上映が始まると恐ろしく暗く静か。隣のカップルがハンバーガー持ち込んで食べ物臭かったのが興ざめだったけれど、これはシアターの責任じゃないし…。


『クローサー』  マイク・ニコルズ監督/ジュリア・ロバーツ ジュード・ロウ主演

ロンドンを舞台にフォトグラファーのアンナ(ジュリア・ロバーツ)、小説家(新聞社の死亡記事担当デスクの顔も)のダン(ジュード・ロウ)、NYからやってきたストリッパーのアリス(ナタリー・ポートマン)、ドクターのラリー(クライブ・オーウェン)の4人が繰り広げるリアルな恋愛映画。ことはNYから出てきたばかりのアリスとダンが偶然出会うことから始まる。2人はその日のうち(←多分。どうもこの映画、全体的に時間経過がわかりにくい)に打ち解け、一緒に暮らす。というか、アリスは家がないので、おのずからダンの住まいがロンドンでの住まいに。

ある日、小説を出すことになったダン、アンナがポートレートを撮影する。それをきっかけに互いに惹かれあう。ダンとアンナ。でもダンは既にアリスとの関係がある。そこから何だかごたごたしていくわけだ。アンナとラリーが出会うのは、ダンがチャットを使ってアンナのふりをしてラリーを呼び出すことから始まる。結果的にアンナとラリーは結婚する。でもアンナとダンは関係を持っていて、最終的には…。

はっきり言って何だかどうでもいいような話で、しかもさっきも書いたが時間経過がわかりにくくて混乱する。登場人物のなかでアリスがいちばん人間味があって、素直な感じがするのだが、それでももう一歩突っ込まないと、突然ロンドンに出てきて、最後には帰っていく理由がわかるようでわからない。アンナとラリーはなぜ結婚したのか、その辺の描写も不十分。どの登場人物の気持ちや事情も、全体に消化不良でやや冗長な感じがした。それでもキャストはみんな美しく、映像は全体にスタイリッシュ。描かれている心情や状況も子供っぽい感じの日本の最近の恋愛ドラマとは一線を画している。そこが救いだった。

パトリック マーバー, Patrick Marber, 岩井 真実, 上田 修

クローサー

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sengoku

ハリウッドでのリメイクが決まったらしい。確かに海外受けしそうな設定や内容。適度なわかりやすさと、それなりの時代考証。つまり日本の歴史への探究心をかき立てる設定とエンターテインメント性の両方を満たしているということ。私自身は戦闘系、しかも日本の時代物はあまり好きではないのだが、今回は現代の自衛隊とクロスオーバーする設定に興味を持ってぜひ観たいと思った。女性自衛官(鈴木京香)の登場もおもしろそう…。ちなみに昔の作品は観ていない。


『戦国自衛隊1549』  手塚昌明監督/江口洋介 鈴木京香主演

鹿島(江口洋介)は、防衛庁の特殊部隊への所属経験がありながら、急な方針転換による部隊の廃止に気持ちがそがれ、居酒屋の雇われ店長に甘んじていた。そこに現役自衛官・神崎怜(鈴木京香)がやって来て、オブザーバーとして極秘ミッションに参加してほしいと言われる。そのミッションとは、不慮の大事故で戦国時代にタイムスリップしてしまった鹿島の元上司である的場1佐(鹿賀丈史)以下、自衛官を救い出すことであり、的場の歴史を変えるという破滅的な野望を食い止めることだった。成功のあてのないミッションだったが、どうにか戦国時代にたどり着いた鹿島たちは、実弾の使用を禁じられる。ところが的場1佐率いる戦国時代の軍隊の武力に次々と仲間が倒される。異なる時代の事情、それぞれの時代に生きる者たちの複雑な事情が交差しながらも、戦うことでしか前に進めない世界がそこにはあり…。

日々戦闘の厳しい訓練を受けながら、戦うことを禁じられている現代の自衛隊と、戦うことでしか前進できない戦国時代の軍のぶつかり合い。特に現代の自衛官の心の葛藤と空虚感は、考えさせられるところがあった。けれども時代考証やエンターテインメント性は、やや中途半端。次々とあっけなく死んでいく自衛官たちの感情や事情の描写の浅さも気になった。怜の的場への思いもなんとなくわかるのだが、深掘りはしていないので、感情移入しきれなかった。せっかく女性自衛官を登場させたのに、飾りの域を脱し切れていないのが残念だと思った。飽きずに楽しめたのだが、それ以上の感動には及ばなかったというのが正直な感想。

半村 良
戦国自衛隊
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