amai

韓流ブームが去ったのか、行った時間の問題か(多分後者だろう)、込んでいるかと思った映画館は空き空き。10人くらいで1スクリーンを堪能した。カップル1組。女性2人が1組、後はすべて女性1人客。平日の最終回、新宿武蔵野館でのこと。ゆっくり観たい人にはおすすめ。

肝心の映画は、凄惨なアクションシーン(っていうか暴力シーン)満載。でも凄惨すぎてウソっぽさもあり、これがイ・ビョンホン主演じゃなければ、B級韓国版ヤクザ映画になっていたかも。これはけなしているのではない、それくらいイ・ビョンホンの存在感は圧倒的だった。序章から中盤にかけては、イ・ビョンホンのプロモーション映画といってもいいくらい。


『甘い人生』  キム・ジウン監督/イ・ビョンホン主演

韓国のアクション、暴力ものって、日本のヤクザ映画とも違う、アメリカのアクション映画や香港のものとも違う凄まじさがある。オカルトとは違うリアルな気味悪さというか、そして決して明るさはない。徹底的に打ちのめす感じなのだ。まあ、それがむしろ笑いを誘うこともあるけど。頭に何発も銃弾を受けて、生きているわけないだろ、みたいなおかしさ。この作品に限らず、何度も観ている、そういう韓国映画。

ストーリーは、主人公のイ・ビョンホン演じるホテルのマネージャー“ソヌ”が社長の命令で、愛人の若い女“ヒス”を見張ることから始まる。ホテルといっても、ヤクザが経営するかなりヤバいホテル(でもかなり豪華に堂々と建っているのが妙・・・)。ソヌも相当強く、裏社会のボスでもある社長から重宝されている。ところが冷酷なはずのソヌがすぐにヒスを愛してしまい、社長の約束に背いたことから、大アクション&暴力シーンのオンパレードになる。とにかく凄まじい。でもやられてもやられても、ソヌは死なないし、弱わりもしない。まるであれじゃ、ロボットだ。

ところどころ、くすっと笑えるシーンやセリフのやりとりも用意されているし、もしかしたらヒスへの愛情も感動的なのかもしれないけれど、とにかくアクション&暴力のオンパレードで、これでもかこれでもかというくらい人が死ぬので、他の要素は薄まってしまう。悪く言えば深みがなさ過ぎて、他に裏の意味があるのだろうかと勘ぐってしまうくらい。かわいそうに、あるチンピラは、ソヌに頼まれ、銃を売ろうとしただけなのに、頭の一部分が割れてしまうし、もはや何でもあり。

そんなわけで、これイ・ビョンホンファン以外にはどうなのだろう。イ・ビョンホンファンであっても、そんなことでそこまで暴れないで・・・って感じじゃないだろうか。でも最初にも書いたが、彼は存在感がある。私は別にファンではないが、それでも引き込まれるオーラを醸し出している。


*イ・ビョンホンのその他の作品を鑑賞したい方は↓

JSA

誰にでも秘密がある スタンダード・バージョン
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kanozyo

篠原涼子の「anago」よりこっちの方が放送は早かったのだけど、観たのは今日。実はあまり期待していなかったから、ビデオにとって放っておいたのだ。設定も「anego」に近いような気がして。何だか負け犬系が今クールは目立つなあ…なんて。しかも「anego」は一応ベストセラーの原作モノだけど、こっちはどこから出てきたのかもよくわからないし、キレイだけど地味な稲森いずみ主演だし、なんて思っていたら、おもしろかった。はっきり言って1回目だけでいうと、かなりポイントは高い。


『曲がり角の彼女』 フジテレビ火曜22時00分~4月19日スタート

稲森いずみ演じる大島千春は、33歳のホテルの営業企画のチーフを務めるキャリア。自分の仕事に自信があるが、別に結婚したくないわけではない。ただ今はレストランのシェフと不倫進行中。別にドロドロって感じの不倫ではなく、ライトな感じで今時の不倫ぽい。同じ部署に若くて、一見チャラチャラしているが、実は仕事ができるしたたかななつみというオンナがいる。(釈由美子がやっている。本当にこの辺の役がはまり役になってきた、この人。でも演技うまい。)ある日、アメリカから社長の息子が副社長として会社に戻ってきて、このあたりからちょっと歯車が狂いだす。

ドラマ性で言えば、別に大してないのだと思う。でも「anego」と比べてしまったせいもあるけど、明らかにこの作品の方が今の30代の女性像を的確に捉えている。一言でいうとリアル。確かに副社長が帰ってきて、そこからおそらく恋が始まる(多分ね)ってあたりは、甘っちょろいわけだけど、ディテールの設定はしっかりしている。今時、大手企業の一般職OLで、毎日コピー取りや男性の補助ばかりで、それでも一生懸命やっている…みたいな設定だと白けるのだが、そこそこの仕事を任されているけれど、実は深く考えると、会社の一部分で、特別なことをやっているわけではない、みたいな感じの方が、今の30代の働く女性の実感に近い。もちろん前者みたいな人もいるが、そういう人の方が実際はもっと突き抜けている。

でもまあ、このドラマの設定で、初回はいいけど、次回以降が引っ張れるかは、ちょっと疑問でもある。ドラマティックな展開は、やっぱり「anego」の方が一枚も二枚も上手という感じもする。こちらは内容を原作から何となく知っている分、余計に。

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sayonara

コメディ映画は好きなのだが、随分長く観ていなかったような。久しぶりのウディ・アレン登場の宣伝コピーに乗せられて、「さよなら、さよならハリウッド」の初日に行って来た。今日から公開というのは日本では恵比寿ガーデンシネマだけじゃないかな。すべての用を済ませて、レイトショー(初日のみ)で観てきた。恵比寿ガーデンプレイスって、遅い時間はちょっぴり寂しい。さすがに観客も少なかったので、ゆっくり観られた。ちょっと隣の外国人、笑いすぎって感じだったけど。


『さよなら、さよならハリウッド』  ウディ・アレン監督・脚本・主演

楽しかった。程よくエスプリも効いている。いわゆるドタバタコメディを期待していくと裏切られる可能性も。それこそ、隣の外国人には笑えても、日本人にはわかりにくいツボがあるもの。特に導入部はそういうシーンが多かった。でもテンポが良くて中盤から終盤にかけては、十分に笑えたし、ちょっぴり皮肉も効いていた感じ。ややレトロな匂いもあるけど。

ストーリーは、ウディ・アレンが演じる落ちぶれた映画監督「ヴァル」が、前妻「エリー」がプロデュースする大作映画の監督を引き受けることから始まる。10年前は巨匠として脚光を浴びていたが、とにかく難解な映画をつくる、本人も扱いづらい人物という設定。実際に監督を引き受けてからもさまざまな条件を出したり、一癖も二癖もあるスタッフや役者を起用したり。それでも途中までは順調に進んでいたが、急にヴァルの目が見えなくなる。もちろん映画監督が目が見えないのは致命的。ところがそのままエージェントの助言や通訳の助けで撮影を続けることになり、ここからさまざまな人が絡んでドタバタが始まる。

出来上がった映画は酷評されることになるのだが、その後のどんでん返しもおもしろい。でも欲を言えば、一体監督が盲目でつくられた映画がどんなものだったのか、断片でも観られれば、ストーリーやエピソードの繰り返しを追うだけでなくなって、さらに質が高まったように思う。撮影現場の様子で多少は表現しているが、素人考えでは、撮影も役者もプロがやっているわけだから、「ひどいものができた」と説明されても、それなりのものになるのじゃないかとか、どんなものだろうと興味がわくわけだ。結末の展開を知ると余計に、どんな映画になったのか知りたくなる。そもそも全盛期も含めて、もともとどういう作品を撮る監督だったのかも不明。コメディとしては蛇足なのかもしれないが、興味は尽きない。


*ウディ・アレンをもっと知りたい方は↓

ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう

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anego

篠原涼子って、キレイになったなあ~と思っていた。演技もうまくなったし。このことをオトコに言うと「市村正親にはもったいない」とか「オレにも(市村より年下)チャンスがあるなあ」とか、勘違いした発言をする。オンナのワタシ的には、「オトコがいいんだなあ~」と羨ましくなる。だって、私昔から市村正親ファン。劇団四季にいる頃からだから筋金入りである。でもそのとき、既に私にはオッサンだったのに、結局私より若いオンナ(篠原涼子)が最終的に射止めたわけだ。今回の本筋には関係ないけど…ブツブツ。


『anego』  日本テレビ水曜22時00分~4月20日スタート

その篠原涼子演じる野田奈央子は、32歳の総合商社の一般職OL。最後の一般職正社員っていうのが、世相を反映している。いわゆる世間的には恵まれた立場なのだけど、男との出会いからは遠ざかっている。けれどもお局様と呼ばれるほどの年齢ではなく、中途半端な立場で、時に若い女性とも敵対しながら、時に頼られているという、何とも宙ぶらりんな状況だ。まあ、初回だからいろいろなエッセンスは散りばめられているのだけど、決定的な事件は起きていない。絡んできそうなのは、元職場の後輩のダンナ…って感じだけど。

実はこの原作の本、持っているけど、まだ読んでいない。正直ちょっと読む気がうせた。つまらないというか、何だか現実と乖離している。こういうの、いまだに大手企業に勤める女性にはリアルに感じるのかな。確かにディテールは、妙にリアリティがある。例えば一般職、契約社員、派遣社員の配置とか(描き方はステレオタイプだけど)。奈央子がやっている仕事の内容とか、本当のディテール。でも個々の主人公の事情とか心情が古いような気がする。今時、30歳をちょっと出ただけで、あんな焦燥感があるのか。私の知り合いにも一般職のOLはいるけど、もっと前向きに元気だ。メールで会社内の男への気持ちをうっかりばら撒く契約社員とか。確かに外務省でこんな事件(でもあれは男から)はあったけれど、普通の会社じゃ、こんなヤツいるのか。いるかもしれないけど、それに対するみんなの反応とか、何かちょっと違う。これは多分原作の描き方そのものが古いのだと思う。林真理子さんは、バブルの頃をバブルの時代背景で描くのはうまい。本当のキャリア女性を描くのも悪くない(「コスメティックス」とか)。でも現代の一般職OLを描くと、何だか遠い。本人に実感がないのだ、きっと。バブルの頃は、リアルタイムだったし、今のキャリア女性は、現在の彼女のまわりにたくさんいる。でもOLを描くと、何だかちょっと見下した感じに描かれてしまう。正直、期待はずれ。でもまあ、あくまで描き方の問題で、次回から多分刺激的な事件が起きて、ちゃんと引き込んでくれるのだとは思うけど。その辺はうまい作家とシナリオライターのタッグだと思っているし、もう一度期待してみる。

でも篠原涼子の役作りはうまかった。ちょっとドン臭いOLをスタイリングだけでなくて、しぐさや身のこなしからちゃんと演じている。最初に戻るが、これぞ「オトコがいい」に違いない。


*本でも読んでみたい方↓

anego

kegareta

この前の木曜日はたまたま21時くらいから家にいた。つまり「アタック№1」を観て、「恋におちたら」をリアルタイムで観て、「汚れた舌」をビデオにとっておいた。今度の木曜日からどうするかな。まあ、もともとの好みでは内舘ドラマなんだけど、これはちょっと厳しいかも。これって、内舘牧子じゃなくて、キャストもこんなに豪華じゃなかったら、昼ドラかも。でも最近流行りの昼ドラの方がおもしろいと思う。


『汚れた舌』 TBS木曜22時00分~4月14日スタート

飯島直子演じる千夏は、父の宿敵だった陶芸家の援助で花屋を経営している。母親はその陶芸家を憎むことで生きる糧を得ているような人で、もちろん千夏はその事実を母には知らせていない。一方で加藤浩次演じる耕平は、大手フラワーショップの二代目経営者。ここの家も何だか不思議で、自分と同い年の亡き父親の後妻(つまり義理の母親)がいて、その役は森口瑤子。耕平には、牧瀬里穂演じる杏梨という妻がいる。なぜか義理の母親が杏梨を恨み、二人の仲を壊そうとする。ここまでの人物設定だけでもちょっとどうかと思うのだが、わざとかと思うほど、大根な演技をする森口瑤子が何とも切れている感じで、むしろ笑える。本当にわざとかも知れないのだが、そのわりに普通に演じている役者も多い。飯島直子、加藤浩次あたりはわりと普通。わざとらしいのは母親役の松原智恵子、牧瀬里穂もちょっと…。どうせ昼ドラぽくやるのなら、みんなで徹底しないとどうしても中途半端な感じになってしまう。

それにしても、内舘牧子はどこに行こうとしているのだろうか。これでこけたら、本当に昼ドラに行くか、相撲モノを極めるしかない?視聴率は裏のITドラマに負けるかも。こっちは何だかマンガぽいけど、私、堤真一のファンだしね。

fuji

このクールはいい意味で予想を裏切られる。キムタクドラマも「GOOD LUCK!!」までだったな…なんて思っていたのだけど。しかも今回はレーサー×児童養護施設って、ある意味、出来すぎた意外な組合せという感じで。冒頭、欧州(イタリア?)のサーキットで、次郎(木村拓哉)がクビになるまでは、何だかなあ~と思ったが、日本に帰ってきてからの展開(まだ、序盤も序盤だけど)は結構引き込まれた。子どもたちの人物設定は、今のところ説明的で、しかもよくできてはいるのだけど、まあ、子どもは子どもって感じなのだが、次郎のバカっぽさが何ともおかしくて、キムタクファンにはたまらない作品かも(私は別に)…。


『エンジン』 フジテレビ月曜21時00分~4月18日スタート

キムタク演じる次郎は、ピークを超えたレーシングドライバー。海外のチームに所属しているが、マシンが接触した上に喧嘩をしてクビに。ここまではお決まりの導入部という感じ、それで帰国する次郎を待っているのが児童養護施設を始めた父親と姉、スタッフと子供たち。そこで生活をはじめる。子どもたちはさまざまな事情で親と離れて暮らしている。まあ、このあたりはヒューマンタッチな感じになっていくのは否めないと思うが、どこまで子どもへの感情移入だけで引っ張るのではなく、一味違うドラマになっていくかは2回目以降を観ないとわからない。ただ、小雪が出ていて、多分いいポジションの役柄になっていくとは思うのだが、何かどうも「彼と彼女と彼女の生きる道」の役のイメージを引っ張りそうな予感がする。現代ドラマで観る彼女って、ちょっとワンパターンになってきたような気がする。同じような役柄がくるのかもしれないけど。

ちなみにこのドラマ、脚本は井上由美子さん。確か「GOOD LUCK!!」とか、「白い巨塔」とか書いた人。やっぱり期待できるかもしれない。本当に今クール、大物を揃えている。やっぱりテレビドラマは正念場なのかな。

erosu

オムニバス映画って、もしかして劇場へは初めて観に行ったかもしれない。3本のオムニバスだから、1本あたり40分くらいの尺。テレビで1時間ドラマを観るくらいといえばわかりやすい。このなかで巨匠とよばれる監督がどんなエロスの世界をみせてくれるか期待。でも高尚過ぎてわからないかもしれないな。劇場はル・シネマかシネ・スイッチ(東京の場合)。久しぶりにル・シネマまで足を運んだ。


『愛の神、エロス』 ウォン・カーウァイ×スティーブン・ソダーバーグ×ミケランジェロ・アントニオーニ監督

やっぱり正直わからなかった。こういう映画を「わからない」って言うのは、結構勇気がいるのだけど、やっぱりついさっき『アタック№1』を「おもしろい」と書いた私には、「薫り高き愛の美学」は高尚過ぎるのか。それでも1本目の仕立て屋の話、ウォン・カーウァイの「The Hand」はよかった。キレイなイメージとか、かっこよさとは無縁の重苦しい情感がアジア的で、そこで繰り広げられる世界は切ない。主人公の娼婦への思いは、決して実感としては理解できないが、救いを感じる。おそらく娼婦にとっても、主人公が拠りどころであり、主人公にとってもそうであろう心の深い部分がなんとなくわかる。映画としておもしろいかどうかは別に、作品としてはいい。でも2本目は正直よくわからなかったし、3本目は内容はよくわかるが、だから何?という感じだった。この手の作品を楽しんで観られるかどうかは、その人が映画に何を求めて観るのかによるのだと思うが、私はやっぱりどこかですっきり理解したいと思っているのだろうな。ただ、笑えるだけ、泣けるだけの映画が好きなわけでは決してないのだけど。

ataku

いきなりこのドラマを選ぶか、って感じだが、意外と好きです、テレ朝のこの枠。『エースをねらえ!』も観た。観られない時は、ビデオに撮ったりして…。ああ、歳がバレるって。リアルタイムで観ていたから、アニメ。私は子どもの頃、アニメってほとんど観なかった。大人だったというより、大家族でテレビが2台くらいしかなくて、あまり観させてもらえなかったのだ。けれど『エースをねらえ!』とこれだけは観ていた。特に『アタック№1』の方が熱心に観ていたように思う。ウブだったのだろう。だって、「エース~」はちょっと色っぽいもの。ありえないでしょ、お蝶夫人や藤堂さんみたいな高校生。『アタック№1』の方が幾分リアルな感じ。だから実写でも違和感ないじゃないかな、でも三位一体攻撃とか技がムリがあるんだよね。


『アタック№1』  テレビ朝日木曜21時00分~4月14日スタート

おもしろかった、懐かしかった。意外と原作に忠実で、でもほどよく縮めてあってテンポ良く観られた。猪熊監督の船越英一郎は笑えた。何もあそこまでマンガぽくしなくてもねえ…。早川みどりの酒井彩名も可愛かった。今度はやっぱりお蝶夫人キャラが出てこないだけでも、実写に合っている。鮎原こずえたちがケータイを持っているのは、何だかそこだけが現実社会、現代って感じだが(岡ひろみも持っていた)、まあこの辺はご愛嬌ってことで…。上戸彩も岡ひろみより鮎原こずえの方が合っているような気がする。妙にきまじめそうなキャラだし。

あまり富士見学院のことは描かれず、とりあえず1回目からいきなり全日本に召集されるところまでいってしまったが、このテンポもテレビ的でいいかも。一応導入部の説明はしてしまった感じはするが、それでも実際のドラマはこれからって感じなので、2回目から観ても十分楽しめると思う。まあ、これを観たいと思う人は筋書きはおおよそ覚えているだろうし。


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                                                  aikurusii

今クールは脚本家の大御所が何人か登場するが、トップバッターはこの人、野島伸司から。竹中直人主演、脇を固める俳優も萩原聖人、南果歩、浅野和之など、濃ゆ~い面々。主軸は、竹中直人扮する山間部に住むタクシー運転手一家、今時稀有な7人家族の物語のようである。ちなみに上にあげた濃い面々は、家族の外にいる。人間関係が密な地方ならではの、キレイごとではない“いま”がリアルに描かれそうで期待が持てる。でもテイストは全体に暗め。同じ家族モノでも同枠の田村正和シリーズとは一線を画す。このところ法律番組などに押されがちな日曜21時(元)東芝日曜劇場枠、TBSは勝負に出たか?

 
『あいくるしい』 TBS日曜2100分~4月10日スタート

7人家族っていうだけでも普通より多いが(でも私も子どもの頃、7人家族だった)、このドラマ、登場人物が多い。竹中・原田美枝子夫婦2人、子ども4人、祖父(杉浦直樹)の主軸家族の周辺に、床屋夫婦(高橋克実・高橋ひとみのW高橋。どっかでも観た、この組合せ)と息子、ちょっと壊れかかった感の奥さん役「南果歩」が中心となりそうな公務員家族、スナックを開店する桜井幸子、ワケありそうな荻原聖人、原田美枝子の入院先の病院院長の息子役「小栗旬」(なんかこの人の白衣姿、心なしか板についてきた。局は違うが、救命救急24時を引きずる)など、ここまで書いただけでも大人数。しかもキャスティングを見れば、みんな端役ではなさそうな予感。これだけ出れば初回はどうしても人物紹介に陥りがちだが、単調でなかったのは、まずそれぞれの人物のエッジが立っている。キャラクターも職業などの背景もきちんと描き分けがされていて、混合しない。演出も脚本もうまいという感じ。初回の筋書きは、いきなり4人の子どもの母親でもある原田美枝子が(おそらく)末期癌で入院して、それを支える家族の姿と役割が描かれる。そこに地縁でつながる他の家族が絡んでくる。それが次男である「幌」(これだけ役名・他は俳優の名前)という子どもの視線で描かれているのが特徴。この子は生まれたときから泣いたことがないという設定で、これも現実的かどうかは別としておもしろい。初回なので大した事件は起きないのだが、母親の死を予感させる重苦しい家族の空気感がうまく出ていて、意味もなく泣ける。きっと挿入歌の「四季」(こんなタイトル?「春を愛する人は~」っていう誰でも知っている唱歌)がベタだけど、郷愁を誘うからだ。コーラスで使われているのがいい。山間部の風景も全体を盛り立てているし、かといってド田舎ってわけでもないのもリアリティがある。

 

正直あまり期待していなかったのだが、これはもしかしたらとても良いドラマかもしれないと予感させる初回だった。

このブログ、実は連ドラと本のレビューがそもそもの始まりだった。秋クールはドラマの初回をチェックし、まめに書いていたわけだが、冬クールは書かなかった…というかほとんど観なかった。理由はつまらなかったから。結局観たのは、救命病棟24時くらい。世間的に評価が高かったのも、救命病棟と「ごくせん」くらいだった。本当は秋冬クールはそこそこ期待できるもの。なぜって、プロ野球がないからだ。ところがプロ野球の視聴率が下降の一途を辿り、そうもいってられなくなったのだろう。この春は、まだ始まっていないが、妙に各局力が入っていると思うのは私だけだろうか?ドラマだけじゃない、改編に何だか気合を感じる。ホリエモンへの意地か?株主価値の向上か?

 

そこで期待(あくまで私見)のこの春スタートの連ドラを紹介。

 

NTV : 【anego】 水曜日22:00 日テレのこの枠は地味だけど、いい作品を出し続けている。今回の林真理子原作の『anego』にも期待。30代キャリア独身女性をリアルに描くドラマって、このところ影を潜めていたが、今クールはフジテレビからも1作品あり。異色だが、TBSの『汚れた舌』も?負け犬復活なるか?久々に中園ミホ脚本というのも気になるところ。あと私生活で篠原涼子、市村正親と本当に結婚するのかな?

 

TBS : 【汚れた舌】 木曜日22:00 久々に内舘牧子登場。でもこれでこけたらちょっと厳しいかもしれない。私的にはお得意のキレイごとじゃない(というよりその対極の)展開に期待できる。ただ、家庭的に恵まれなかった30代女性が「水商売で苦労して今は花屋を経営」(しかも男性の援助を受け)という設定。確かに現代社会でも、こういう人いると思うけど、感覚的には古いような気もする。昼ドラ層をターゲットにするなら、もっと非現実的にしないとダメかも。

 

CX : 【曲がり角の彼女】 火曜日22:00 『エンジン』も力が入っているし、ホリエモン登場でタイトル変更があったという『恋におちたら』も気になるが、やっぱり不幸せ顔した30代オンナをやらせたら右に出るものはいない稲森いずみ主役のこれでしょう。30代独身のキャリアウーマンが後輩の才能と若さに嫉妬し…って、上の2つに比べるとこける可能性はいちばん高いけど、今時SMAPに頼ろうとする2作品、大ヒットしたわけでもない前作をシリーズ化しようとしている「離婚弁護士Ⅱ」よりは…。

 

これ以外にも、大御所脚本家を引っ張ってきているのが目立つ今クール。TBS 『あいくるしい』では野島伸司を出してきているし、今回は各局気合が入っている。あえて出さなかったが、実はテレ朝の『アタック№1』も密かに楽しみ。実は『エースをねらえ!』、結構楽しんで観ていた。しかし上戸彩、いくら撮影技術でフォローをしているとはいえ、テニスの次はバレーボールなんて、こんなにこき使われてもこなしているからすごい。