監督:中村義洋
キャスト:生田斗真/戸田恵梨香/鈴木亮平
配給:東宝
公開:2015年6月
時間:119分
『ゴールデンスランバー』,『白ゆき姫殺人事件』の中村義洋監督だし,かなり思わせ振りな予告編だったので気になっていたものの,時間が許さず劇場で観ることの叶わなかった作品。ソフト化を知り,さっそく入手してみた。原作は筒井哲也の全3巻21話からなるコミックス。
ある日,動画サイトに新聞紙を被った謎の男が現われ,集団食中毒を起こした挙句に開き直った食品加工会社に火を放つと予告する。翌日,確かに予告は実行され,その後も,警察や法律では裁かれない不正義に対する制裁の予告とその実行が繰り返される。通称“シンブンシ”と呼ばれるこの予告犯の存在は,マスコミをも巻き込んで社会現象化していき,ついには政治家の殺人予告まで流される。
“シンブンシ”を追い詰めるべく懸命の捜査を続けるのは,ネット犯罪を取り締まる警視庁サイバー犯罪対策課の吉野絵里香(戸田恵梨香)。彼女はやがて“シンブンシ”が単独犯ではなく,複数犯であることを突き止めるのだった…。
この作品,原作を読まずに見た方が楽しめる。公開前の予告編なんか,最終的には爆破テロか何かド派手なことをヤッちゃうんじゃないかって期待させた。それだけにオチが…イイ話なんだけど,膨らんでた期待を満足させてくれなかったし,やはり情報化社会を捉えた『ゴールデンスランバー』や『白ゆき姫殺人事件』と較べても,妙にこぢんまりと感じたのが残念。
後日,偶然に原作コミックスを読む機会があって判ったのは,この作品が,ほぼ原作通りに作られてるってこと。3巻の内容をよく2時間の尺で実写化したなって考えると,それは評価すべきなんだけど,小説よりさらにキャラや世界観を固定しちゃうコミックスに添って映像化したことで,中村監督らしい美しいシーンの繋ぎ目とか,光と陰のなす汗や毒の匂いが,いまひとつ薄い気がした。
でも,原作よりもスタイリッシュなキャストやシークエンスが好みなのと,何より,アクセントになる濱田岳の存在感で★1つ引き上げ↑
クタ評:★★★★☆
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