深山の桜

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【深山の桜に呼び止められ】


そこは日本でも有数の豪雪地帯。
つい先月まで、他の人は足を踏み入れられない場所

雪解けとともに誘われて訪れた
ブナ林萌黄色の新緑の中に、優しく薄い桜色で存在を示す山桜

葉と一緒に楚々と咲く桜花
その風情がたまらなく好きだ

山桜があると立ち止まって写真に収める
ふと目にした小さな桜の木が気になったが


車はスピードにのっていて
止まりにくい場所だった


運転手のTさんに声をかけ無いままに過ぎてしまった
山菜のご馳走をいただき


帰り足になった時帰りは同じ場所を通らないという
どうしてもさっきの桜が気になり戻っていただいた


奥羽山脈の麓の豪雪地帯
半年は雪に埋れている


桜の木が半年間雪の下敷きになっているため
枝は上に伸びない

雪に倒され枝は何度折れたのか測りしれない
幹は臥龍のように地を這い

やっと伸びた枝は空ではなく地面に向かっていた。
厳しさを耐え抜いて、その先端に咲く花が愛おしく美しかった

厳しく折れ曲がった目元からひこばえが出ているのが嬉しかった。
何気なくこの「枝が欲しいな~」と言った。

旅行中で本当に手に入れようと思ったわけでは無いのに
なんと無く口から出ていた。


近くの畑を耕すおじさんに声をかけ写真を撮らせていただき
桜を見ただけで満足して帰った。


私はそのまま北海道へきた日
運転をしてくださったT様からのメールに驚いた

「翌日もう一度あの場所に行きました。
そしたら桜の枝が剪定されていたんです。」


驚いた


通常花の盛りに剪定はない。
切られた枝を四本ほどいただき

この桜のいわれを聞いて更に驚いたという


なんとこの桜は天皇陛下がこの地区に
10本の苗木を御下賜くださり9本は枯れてしまい

たった一本生き延びたという
この豪雪では無理もない


なぜ惹かれたのかはよく分からないが
これが天の計らい

山桜が呼んでいたのだ

T様からの今夜のメールにはたくさんの桜の押木の写っていた。
結んで下さったご縁に感謝し

豪雪を生き延びた桜のひ孫の根付くことを祈っています。
いつかこの桜花をご披露出来る日がきます。


感謝合唱
























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