子供なりの見栄について | お受験ブルーズ

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現役講師がお受験を通じて世間を眺めています。
大手塾勤務→独立→プロ家庭教師と変わって来ました。(作曲・編曲、戦国シンフォニックメタルバンド「Allegiance Reign」のベーシストとしても活動しています。どっちも本気です)

 優秀な子ほど、見栄っ張りなことが多いことを僕は観測しています。僕の知り合いを見ていましても、高学歴者などは無駄な見栄をはる温床のようなものでして、加えてどこか上から目線の人が多いなぁと、自分のことも含めて思います。

 

 僕も高学歴者の例にもれずずいぶん無駄な見栄やらプライドを持ってきたものだと自分で思います。そのせいで電話をかけるのもためらわれたり(今はメールがあるから楽ですね)、自分から質問に行けない、聞くべきことを聞けない、流れが読めない気が利かない、などいろいろな不都合を特に20代後半くらいまでは抱えていました。

 だからこそ、同じ性質を持つ子には敏感に同情できます。

 

 僕の自己参照、自己(他人も)洞察からの結論としましては、『見栄っ張り』と『上から目線』は、ほぼ同値なのではないかということです。

 今となっては変な話ですが、若かりし頃は僕自身、「誰でも国立大くらいいけるはずだ」「いってないのは意識と努力が足りないから(その人間の自己責任)」という感覚を知らず知らずのうちに持っていました。そんな感じで偏差値が明治大以下の私立大の問題を見ますと、びっくりするくらい簡単に思えましたので、「カスだなw」と思っている時期もありました。(ま、今はもう少し大人ですw)

 

 もちろん、そろそろ300人を数えようかという僕の歴代の教え子で、僕より単純にたくさんの時間勉強している生徒はまだ一人もいないくらいなので、僕がたくさん努力した面もあるのです。が、それと、他人の状況とは別に考えておくべきであることをつい失念してしまうのです。

 

 人はそれぞれ、持って生まれた家庭や状況がちがうし、それぞれ目指すところ、すべきこと、なしたいことが違いますので、その与えられた状況の中でまずは気づいた時点からでよいので、精一杯努力すべきだと今では思います。もう隣の誰かと比較をして、劣等感や優越感を持つ時代ではないとも思います。

 

 そのような、一見当たり前のことになかなか高学歴者は気づけない側面があると思います。(こないだもいきなり記者に憤慨してる東大卒の大臣さんがいましたが)テレビなどでみる優秀な大学を出られた大臣や政治家の発言を見ていると、そのあたりの配慮がなく「俺は私は、努力してきたんだ」という打ちだしのみで終わっている方が多く、同じ出身大学だと恥ずかしく思います。

 

 すいません、ここから本題です(笑)

 『見栄』や『上から目線』というのは諸刃の剣でして、良い面も悪い面もあります。見栄っ張りな子の方が成績優秀者が多いというのは事実としてあり、それを踏まえたうえで、未来の優秀な人材を出す上での注意点として、書いてみたいと思います。

 

・「よく見られたい」性質が強いです。

 自分がどうみられるか、できれば優秀に見られたいという本能めいたものを強くもちます。逆にカッコ悪いところ、自信のないところを見られるのを嫌います。だからこそ、見られるなら完璧に宿題をやっておきたいし、もしやっていないのなら業突張ってでもシラを切ったりごまかすこともします。

 

 それが良く出ると、「競争意識の高い優秀者」、悪く出ると「答えを写したりカンニングしてでもよく見られたい姑息な策士」に分かれます。このどちらに舵を切らせていくかが、優秀になるのか単なる愚者で終わるのかの分かれ道です。

 

 基本的にプライドが高くなりやすいので、このようなタイプの方にはいきなり高度な課題を与えないことが肝要です。まずは実力内で簡単にできるものを、やや少なめにやらせるのが良いです。そして「できた」という達成感と優越感が持てれば、次に挑んでいくことができます。1日の勉強でも、簡単な課題からさせるとうまくまわりやすいです。

 

 ですので、中学受験の場合は低学年期に公文式などの簡単な課題をたくさんさせておくことが有効になります。小6になってにっちもさっちもいかない場合は、塾の集団授業を休んででも小4くらいのものからやり直した方がよい場合も多いです。

 

 大学受験などでも同様です。難しい大学の志望生ほど難しいものをやりたがりがちですが、それだと難しすぎて続かないし、とっつきが悪くモチベーションの低下につながります。

 

・『上から目線=見栄っ張り』の注意点は、それが不寛容(許せない心)につながると、余計なストレスを生むことになります。

 子供時代に絶対にわかっておいてほしいのは、「100%できる必要はない」という基本概念です。受験も人生も10割を目指しつつ、結果8割くらいきっちりできていればよい人生が歩めます。親御さんでも、自分のことは棚に上げて、お子さんには10割(完璧)を求める方が多いように思います。

 

 また、「ダサい自分」を先生や友人に出せるようになっておくことが、精神的な安定と強さを生みます。

 

 中学受験を志すご家庭のお母様には若い頃に優秀な方が多く、いろいろと微に入り細を穿ちご近所などに見栄を張りまくっていて、それが子供にも伝播し悪影響を感じることも多いです。その場合も『できない自分のご子息』『受験に失敗したご子息』を、友人のお母様お父様や親戚にも軽く事実として言えるようになっていないと、親の見栄で潰れる(もしくは、才覚からして数ランクの学校しかお子さんが受からない)パターンも結構多いです。

 

 たとえご子息が偏差値の低い学校に行くことになっても、それは本当の意味ではお子さん本人の自己責任の面が強いです。親御さんの責務は受験にお金を出している時点ですでに達していると思います。そこを親御さんは思い詰め過ぎないことです。幸運なことに、日本では意思さえあれば、ある程度はしっかりリカバリーができる社会になっていますので、お子さんにはそこで頑張ってもらえばよいと思います。

 

 「うちの子だめでさー」とかるーく言えるお母様には強いかたがやはり多いですね。

 

 わかりやすいところでは、見栄の強い方は、「ごめんなさい」「ありがとう」が素直に言えません。言っても形式ばった形か、そちらのほうが得な場合です。

 そのあたりがどれくらい素直に言えているか、でその人の『今の見栄っ張り度』はわかると思います。少なくとも僕はこれでけっこう生徒は判断できます。(大人もね)

 

 日々を謙虚に生きれていることに感謝しながら生きている人間は、必ず他人の行為の裏が読め、なにかしてくれたことに対しては「ありがたい」と思うものだと思いますし、自分のしてしまった過失に対して「ごめんなさい」と自然と言えると思うのです。また、もしかしたら自分の気づかないところでいろいろやってもらってるかもしれない(お陰様)、という考えにも至ります。

 つまり、ありがとう、ごめんなさい、が反射の記号でなく気持ちから言えている子は気持ちの裏が読め、国語力ひいては思考力も高いと思うのです。

 

 親御さんは見栄っ張りな子に対して、例えば親戚やお世話になった方にお礼などを送ったり言ったりしたとき「こうこうこういうときにお世話になったからそのせめてもの気持ちだ」ということ(気持ちの中身)を軽く伝えておくべきだと思います。

 今はどちらかというと「送っといたほうが得やねん。またなんかあった時世話になるから」といううちのおかん的な(なぜか関西弁に、笑)、感覚の方が多くなっていると思います。

 

 見栄から完璧を目指し、成績が上がる子が多いのですが、ダメだった時の自分を許せる自分を創っておかないと、必ず人生のどこかで苦労すると思います。(経験者は語るかw

 そういう意味では「僕なんてどうせ大したことはないんだから」と開き直って、いろいろなことにとりあえず全力でぶつかっていくほうが、人生が楽ですし楽しいです。また、結局は精神的にも安定し、結果も残っていくような気がしています。

 

 まあ、この辺は僕の人生の課題でもありますね。どこまで下から目線になれるか、が僕の人生の課題でもあります。今のところ、小4平均児くらいまでは目線が下げられるようになったかな(笑)

 ずいぶん人生は楽しくなりましたよ。

 

 いつも読んでくださってありがとうございます。

 

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