中国による偵察衛星の能力向上 | 情と理

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中国衛星の偵察時間、1年半で倍に 米軍レベルに迫る
2011-07-14 15:42:18 | チャイナネット

中国は現在、新たな衛星を活用して宇宙の軍事利用を強化しているとロイター通信が12日、伝えた。それによると、来月出版予定の英誌に掲載される報告によると、中国は現在最先端の衛星を開発しており、その衛星は中国の海岸から遠く離れた地域に軍隊を投入したり、将来、台湾有事での衝突で米国が空母を使用するを阻止するのに活用される。

ロイター通信の記者は事前にこの報告を入手し、中国が開発を急いでいる最先端の偵察衛星は敵軍の行動追跡や弾道ミサイルの誘導が可能で、これが中国軍の近代のカギを握っていると伝えた。


報告はまた、「米国はこれまでこの分野でライバルがいなかったが、中国が急速に力をつけており、中国の衛星群は一般の戦略情報収集という限られた能力から、作戦行動をサポートする新たな時代に入りつつある」と指摘する。

北京はこれまで宇宙の平和利用以外のいかなる計画も否定し、拡大と増強を続ける軍事費支出と軍事力を防衛目的だと主張し、軍の近代化を図ってきた。

米国のゲーツ前国防長官は今年初め、サイバー戦、対人工衛星戦の技術方面の中国の進歩が米軍の太平洋での活動に脅威をもたらすと警告した。

報告は、「(偵察衛星)の最も懸念される戦略的用途は、対艦弾道ミサイル用の目標測位と追跡」とし、「対艦弾道ミサイルが米空母に命中する可能性がある」としている

「しかし中国が宇宙空間において増強している能力は、ある兵器のためではなく、それを強力なシステムにし、他の遠隔プラットフォームに応用するのが目的だ。そうすれば宇宙空間をベースに兵力運用の能力と範囲を拡大し、海外に軍事基地を建設しないという政策を維持することができる」と言及している。

さらに幅広くいえば、衛星は中国の投入力支援につながる。中国の力が増強するに伴い―宇宙偵察がその例だが―いわゆる防衛姿勢と拡大する能力との協調が困難になってきている。

英フィナンシャル・タイムズ紙は、ワシントンのシンクタンク、世界セキュリティ協会の新たな報告によると、中国の偵察衛星は目標を1日6時間にわたり監視できると報じた。また、中国人民解放軍はわずか18カ月前まで1日3時間しか監視できなかったのに、今では固定の目標を監視する能力が米軍のレベルに近づいているとしている。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年7月14日

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中国の最先端偵察衛星、アジアでの米軍活動に影響
朝鮮日報 2011/07/14 10:05:03

中国の人工衛星プログラムがアジアの安全保障の新たな脅威として浮上している。中国が軍事目的で使用できる人工衛星の開発に積極的に取り組み、アジアでは米国の軍事的影響力が相対的に低下している。これにより、アジアの軍事地図も塗り替えられる可能性が出てきた。

■米国並みのリアルタイム監視能力

12日付フィナンシャル・タイムズは「中国の偵察衛星の監視技術はレベルが米国に近づいた」と報じた。
これは中国の脅威が遠い未来の話ではなく、目前に迫っていることを物語っている。

同紙は米シンクタンク、世界安全保障研究所(WSI)の報告書に基づき、中国の偵察衛星は1日6時間にわたり、固定目標を監視できると伝えた。1年半前の時点で、1日3時間しか監視できなかったのに比べ、飛躍的な進歩だ。

同シンクタンクの研究員たちは「10年前は中国には空中監視技術がほとんどなかった。しかし、現在の人民解放軍の人工衛星によるリアルタイム偵察能力は米国とほぼ同水準だ」と指摘した。

中国は今年、20基以上の人工衛星を打ち上げるとする計画を明らかにしており、着々と実行に移している。昨年末現在で、中国の稼働中の人工衛星は67基あり、米国の441基、ロシアの99基に比べ少ない。しかし、中国の人工衛星は軍事目的など特定分野では、かつてライバルがいないといわれた米国を急速に追い上げている。

WSIは「先端偵察衛星の発達により、中国は敵対勢力をリアルタイムで追跡できるようになった。今後2年間の衛星打ち上げが予定通り進めば、米国の能力を上回る可能性もある」と分析した。

■領土紛争の当事国、高まる危機感

こうした偵察衛星のネットワークは、中国が最近開発した対艦弾道ミサイル、ステルス機、空母などの能力を後押しするとみられる。
すなわち、中国が周辺国と紛争を起こし、米軍の空母が介入した場合、中国の弾道ミサイルが米空母を直接攻撃できることを意味する。中国人民解放軍の陳炳徳総参謀長は最近訪中した米軍のマレン統合参謀本部議長に対し「米国が南シナ海で偵察活動を行う目的が何か疑問だ」と述べた。

最近米国がフィリピン、ベトナムと合同軍事演習を実施したことについて、中国が「南シナ海での対立を高める不適切な活動だ」と強く非難したのも、そうした自信感の表れとみられる。

中国の軍事的能力向上を受け、米国の同盟国でもある中国の隣国は緊張の度を高めている。フィナンシャル・タイムズは「ベトナムとフィリピンは中国との領土紛争を抱えているため、危機認識はさらに高い」と指摘した。

ワシントン=イム・ミンヒョク特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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中国は陸上から海・空、そして宇宙空間、サイバー空間へと力点を移しています。

それらの空間で米国に対抗できる能力を持ち、アジアで覇権を確立するというのが中国の最終目標です。

(注意すべきは、「米国に対抗できる能力」とは、「米国と対等な能力」を指しません)
(つまり、アフリカや南米など世界中に介入できる米国と対等の能力を持つことではなく、中国は米国がアジアでプレゼンスを発揮できない程度の能力を持とうとしているのです)

日本は、海ばかりではなく、空や宇宙、サイバー空間における中国の勢力拡大に常に注意していなければなりません。