2003年に愛知県一宮市の「一宮西病院」に入院した女性(当時80歳、1審判決前の06年に死亡)が不必要な身体拘束で心身に苦痛を受けたとして、女性の遺族が、病院を経営する社会医療法人に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決が26日、最高裁第3小法廷で開かれた。

 近藤崇晴裁判長は「今回の行為は女性が重大な傷害を負う危険を避けるため、緊急的にやむを得ず行ったもので、違法だとは言えない」と述べ、病院側に計70万円の支払いを命じた2審・名古屋高裁判決を破棄し、原告側の請求を棄却した。原告側の敗訴が確定した。

 患者に対する身体拘束の違法性が争われた訴訟で、最高裁が判断を示したのは初めて。最高裁は、身体拘束は原則として許されないとする一方、例外的に違法性が否定される場合があることを示した。

 判決によると、女性は03年10~11月、腰痛などのため同病院の外科に入院。意識障害の症状もあり、11月16日未明に何度もベッドから起きあがろうとしたことなどから、看護師がひも付きの手袋を使って、約2時間にわたって拘束した。女性は手袋を外そうとして手首などに軽傷を負った。

 同小法廷は「身体拘束は患者の受傷を防止するなど、やむを得ない場合にのみ許される」と述べた一方、拘束しなければ女性が骨折などを負う危険性が高かったことや、拘束以外にこれを防止する適切な方法がなかったことなどから、違法性は否定されると判断した。

 1審・名古屋地裁一宮支部は06年9月、「拘束以外に危険を回避する手段はなかった」などとして違法性を否定。2審は「重大な傷害を負う危険があったとは認められない」などとして、拘束を違法と判断していた。

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