米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設受け入れの是非が焦点となる沖縄県名護市長選(24日投開票)について、読売新聞社は世論調査と取材を基に情勢を分析した。

 民主など4党推薦の新人・稲嶺進氏が先行し、自民、公明両党の支援を受けて再選を目指す現職・島袋吉和氏が猛追している。有権者の2割弱は態度を決めておらず、情勢には流動的な面もある。

 調査は告示日の17日午後から18日にかけて、無作為に作成した番号に電話をかける方法で行った。有権者在住が判明した1374世帯のうち、760人(回答率55%)から回答を得た。

 市長選は、自公政権下で日米両政府が合意した名護市辺野古への移設計画に反対する稲嶺氏と容認姿勢を示す島袋氏の一騎打ちだ。

 調査によれば、稲嶺氏は民主支持層の約7割、社民支持層の9割以上を固めた。共産支持層も大半が稲嶺氏を支持している。島袋氏は自民支持層の約8割、公明支持層の多くから支持を得た。普天間飛行場の移設先については「国外」が46%、「県外」が27%に上り、「日米合意通り辺野古にすべき」は16%にとどまった。与党3党が新たな移設先を検討していることには「評価する」が56%、「評価しない」が31%だった。

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 稲嶺氏を支援する玉城義和・沖縄県議会副議長は序盤戦の手応えを「政権交代で、新たな移設先の検討も始まり、移設反対の訴えにも説得力が出てきた。雰囲気はいい」と語る。

 島袋氏の陣営では政権交代により与党とのパイプが途切れた影響を懸念している。島袋氏は4年前の市長選では、与党だった自民、公明の推薦を受け、全面的な支援の下で勝利した。陣営幹部は「今回は振興策を国から引き出すと訴えても苦しい戦いだ」と述べた。

 鳩山首相は名護市長選の結果を普天間移設先の判断材料にする考えだ。沖縄県幹部は「市長選で現職が負けることになると、辺野古移設は極めて難しくなる。ボールは国に投げているので、国の出方を待つしかない」との見方を示した。

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 稲嶺(いなみね)  進(すすむ) 64 無新 (元)市教育長 〈民〉〈共〉〈社〉〈国〉

 島袋(しまぶくろ) 吉和(よしかず) 63 無現 市長

 (届け出順、<>は推薦政党)

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