昨年1月にスタートした産科医療補償制度の初年の補償認定者は12人だったことが、1月21日までに明らかになった。事務局は当初、補償認定後に行う重度脳性まひ発症の原因分析の開始を早ければ昨年9月と想定。それ以降4半期の補償認定者数を30人と見込んでいたが、これを下回った。同制度では、診断医が制度独自の診断基準を基に「身体障害者障害程度等級一級または二級に相当する脳性まひ」か否かを診断するものの、「再認定」は行わないことから、「診断医らに迷いがあるのではないか」と事務局の担当者は指摘している。

 同制度では、昨年9月に5人の重度脳性まひ児に対して初めて補償を認定。その後、11月に3人、12月は4人に認めた。

 同制度の補償認定を請求する際には、▽「肢体不自由の認定に係る小児の診療等を専門分野とする医師」▽日本小児神経学会が認定する小児神経科専門医―のいずれかの要件を満たす医師が作成する「専用診断書」が必要となる。
 同制度が補償対象としている重度脳性まひについては、標準補償約款の中で「身体障害者福祉法施行規則に定める身体障害者障害程度等級一級または二級に相当する脳性まひ」と規定している。一方で、身体障害認定基準が「すべての障害を対象」「再認定がある」「主として18歳以上の者の診断を想定、乳幼児に係る障害認定はおおむね3歳以降に行う」としているのに対し、同制度では「対象を脳性まひに特化」「補償対象と認定した場合、再認定は行わない」「1歳(重症時6か月)から5歳になるまでの間のできるだけ早い時期に診断」とする独自の診断基準に基づいて専用診断書を作成する。

 事務局の担当者は当初予想数を下回った理由について、同制度の診断基準が再認定を行わないとしていることに触れ、「判定は生涯にわたって、障害が残ると判断したということになる。もっとリハビリをすれば歩けるようになるかもしれないという気持ちにより、それをしないうちに補償の申請に踏み込むことに迷いが生じるのではないか」と指摘。問い合わせは相当数あるものの、「思い切るのは別次元の判断」と話している。


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