□“師をあおぐ”秘書たち

 「おはようございます」

 午前8時、東京都世田谷区深沢にある自宅のリビングルームに姿を現した民主党幹事長、小沢一郎(67)に秘書と書生がうやうやしく近付いていく。

 朝風呂を浴びた小沢が湯上がりの血色肌をあらわにしたまま椅子(いす)に腰掛けると、3人ほどの書生や秘書が取り囲み、手に持ったうちわで一斉にあおぎだす。専用のうちわまで用意されており、秘書たちは毎朝、うちわで“師をあおぐ”のが日課なのだという。

 その中に、当時私設秘書で、逮捕された民主党衆院議員、石川知裕(36)の姿もあった。

 「先生はのどが弱いからクーラーが嫌い。だから汗が引くまでうちわであおいでいた。まるで王様だ」

 数年前まで小沢に仕えていた元秘書の一人はこう振り返り、「政治を学んだことは一度もなく、ただ召使いみたいなもんだった」と語った。

 秘書たちの朝は早い。下積みの書生との違いは「秘書の名刺を持っているかどうかだけ」(元秘書)。午前5時から素手で庭の草むしりを始め、それが終わると朝食の準備、配膳(はいぜん)までこなさなければならない。

 大手ゼネコンが建てた立派な鳥小屋の掃除と世話、小沢の家族全員分の洗濯にぞうきんがけ…。

 「草むしりもしないで人の上に立てるか」

 小沢はよくこう語っていたというが、元秘書は「そういいつつ、自分の息子たちには雑用や家事手伝いをさせたことはなかった」と指摘した。

 ■住み込み条件

 小沢の書生になるためには、寮に住み込みで働くことが条件とされる。秘書寮は事件の舞台となった深沢の土地に建つ2棟とは別に、小沢の邸宅から200メートルほど離れた高台の住宅街にも3棟並んである。

 この3棟は平成7年に新築された木造2階建ての寮で、いずれも小沢の妻名義になっている。

 小沢の周辺関係者によると、深沢の土地は、秘書たちが結婚して家族が増え、従来あったこの3棟が「手狭」になったために、新たな秘書寮を建設する目的で取得したとされている。

 政治資金収支報告書によると、深沢の土地に建つ秘書寮の建築費は2棟で約5500万円。建築計画概要書などによると、いずれも木造合金メッキ鋼板ぶきという比較的簡素な構造だ。

 寮のすぐ前を川が流れているため付近では地盤沈下も発生している。しかし、この秘書寮の新築工事では、くい打ちや地盤改良などを施した形跡はない。

 そんな秘書寮が建設された理由に、小沢事務所関係者は異を唱える。「秘書の家族はほとんど地元の岩手で暮らしており、『手狭』は理由にならない」

 さらに「秘書たちは誰も寮なんかに住みたくない。いつでも壊せる造りになっている秘書寮の建築は見せかけで、本当の目的は土地を息子たちに譲渡するためだ」と推察する。

 ■無税で相続も

 法人格がない陸山会は不動産を購入することができないため、深沢の土地も小沢の個人名義で購入している。小沢は個人として権利がないことを示す「確認書」を陸山会と交わしており、小沢の死後も不動産は陸山会に残ると主張している。しかし、「確認書」に法的効力はないため、相続の際には小沢の親族に名義が移る可能性もある。

 また、小沢の親族らが「後継者」として陸山会の代表になれば、こうした不動産を無税で引き継ぐこともできる。小沢の元秘書は「政治家個人の政治信条を支持した人からの献金で不動産を購入したのだから、それを後継者が引き継ぐのはおかしい」という。

 2棟の秘書寮には、土地代と建設費を合わせて約4億円が投じられている。このほか、都心のマンションなども購入し、事務所として使っている。小沢はなぜ、陸山会の巨費を投じて不動産を買うのか。

 小沢は19年2月の会見で「できるだけ献金を資産として有効に活用するほうが献金した人の意思を大事にする方法だ。賃貸では政治団体の資産からなくなってしまう」と説明した。

 だが“真意”を知る秘書は一人もいないという。

 土地代金の原資がゼネコンからの裏献金との見方を強めている捜査関係者はこう話す。

 「現金で持っていると危ないから、不動産に変えようと思ったんだろう」(敬称略)

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