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犬を捨てた飼い主よ・・愛犬はあなたを1年間も待ち続けて亡くなりました。

自分を捨てた飼い主を1年間も待ち続けた、あるメス犬の悲しい話がタイで話題になっています。タイは、2016年10月13日にご逝去されたプミポン国王によって犬の殺処分が禁止された国です。犬の楽園とも言われるタイの地で、飼い主がいつか自分の前に現れることだけを願っていた犬の最期に、涙が溢れて止まりません。

車から降ろされ捨てられた犬
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犬が捨てられたのはタイ・バンコクの幹線道路、スクムウィット通りです。この通り沿いには日本向けの店舗が点在し、日本人も多く住んでいます。 

2015年のある日、飼い主は車から犬を降ろした後、スピードを上げてその場から逃げ出すように去っていきました。 

しかし、この犬は自分の身に起きている事態を把握できていませんでした。夜が暮れても飼い主は現れず、次の日も、次の日も犬は同じ場所に座り込んだまま動こうとしません。 

犬は「必ずここで待っていれば、飼い主が迎えに来てくれる」そう信じることしか知りませんでした。犬は無垢な心を持つ生物なのです。

この場所から離れたくない!
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近隣の住人は、3歳ぐらいのこの犬が明らかに捨てられたことを知り、エサを与え続けました。毎日誰かが声を掛けに来て、いつしかこの犬は"ロン"と呼ばれるようになります。 

この場所は車通りも多く、決して安全な場所ではありません。住人の女性は、「もう、あなたの飼い主は戻ってこないよ。危ないから他の場所に行こう」と、ロンの想いとは裏腹に、二度と飼い主が現れないことを伝え、なんとか保護しようと試みます。 

言葉は通じなくても、きっと犬も住人が自分に接する態度から、飼い主に捨てられたことに気が付いたかもしれません。 

それでもロンは住人からの保護を拒否し続け、保護しようとするたびに走って逃げてしまうのでした。 

ロンの気持ちが痛いほどにわかります。「この場所から離れてしまえば、二度と飼い主と会うことができない」そう思っていたのでしょう。 

来る日も来る日も、飼い主の車と似た車が通れば首を持ち上げて、じっと見続けていたと言います。

サヨナラ、ロン…
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そして、捨てられた日から1年が過ぎ、ロンはこの世からいなくなりました。ロンは1年間もの間、ひたすらに飼い主が自分を迎えに来てくれる日を夢見ながら…。 

ロンは、悲しいことに飼い主を待っていた通りで車に轢かれて死んでしまったのです。ロンが何を望んだというのでしょう。ただ、飼い主がいつか戻って来ることしか望んでいなかったのに…。 

あまりにも切なく悲しい結末は、地元の住人のみならず世界中の人々を怒りと悲しみで覆いつくしました。

捨てた飼い主よ、この子の姿を見て何を思う?

いったい誰が捨てたのか、なぜロンは捨てられたのか、すべては闇の中。 

どんな理由であれ、絶対に許されない行為です。ロンを捨てた飼い主よ!こんなにも、けな気にあなたが戻って来るのを待ち続けていたんですよ。 

そして、絶望感を心の奥に押し込めて、あなたが迎えに来てくれるかすかな望みだけを支えに、1年も待ち続け、とうとう亡くなってしまったんですよ! 

共に暮らした家族じゃないですか!?人間として生前のロンの姿を見て何を感じますか?何も思わないのだとしたら、人間失格です。 

命を粗末に扱う行為は、必ず自分の人生にブーメランのごとく戻ってきます。今はただ、ロンの魂が天国で健やかに暮らせるよう祈るばかりです。

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