3日前にリニューアルオープンしたばかり、京王電鉄多摩動物公園前駅前にある「京王れーるランド」なる鉄道遊戯(?)施設に、今日は行くことにした。同日、日比谷公園でも「鉄道フェスティバル」が行われているのだが、秋らしからぬこのところの暑さで辟易していた私は、近場に気分転換を求めたのであった。
リニューアル前は物販と簡単なジオラマだけだった。今度は屋外に実物の引退車両が展示されるとのこと。少しはマシになったろう。だから、「まあ、話のタネ程度に…」と、さして期待せず250円払って入場して見る気になったのである。
さて、高幡不動で特急を降りた私は跨線橋を渡り、久しぶりに枝線である動物園線の区間に乗った。高幡不動~多摩動物公園間は多摩モノレールとも併走しており、"見上げる眺め"と"見下ろす眺め"の両方が楽しめる。子連ればかりで埋め尽くされた行楽電車からは、空中軌道で立川から迫り来た物に対して幼い歓声が上がっていた。
駅前すぐに施設はあり、そこに入るまで約30分の列を成す。外からはかつて平山研修センター一般開放の時に見たことのある緑色の車両たちが見えている。やがて"おひとりさま"は係員に誘導され、PASMOで入場券を券売機で購入、それを入場門の自動改札に通して中へと到った。
入ってすぐのところに鎮座するバスに乗るのに20分は並んだ。けれど、それは単に子供たちが運転台に座りたいがための列であり、中扉から乗って客席に座るだけなら別に並ばなくても良かったのだった。現役バスと大して変わらない車内に座り、これなら200円とか払ってさっさと普通に路線バスに乗ったほうが良いような気分にさせられる。相変わらず、中途半端な満足感を与えてくれる施設であるなあ。
2階はさながら子供の遊戯場みたいだった。混雑と騒ぎ声に振り回された感で即刻退散。屋外に出て、実車展示スペースのほうの自動改札を通る。かつての京王線の花形で左右非対称窓が好みじゃなかったクリーム色6000系、上毛電鉄では揃いの系列である井ノ頭線ステンレス車3000系、富士急行に渡って現在でも主流型式である5000系、銚子電鉄に流れ着いて今なお走る緑色2000形系列。保存車両は窓すらネジ留めされていて開かない。連結部には業務用据置型エアコンが置かれている違和感。いっそ、それぞれ流れ着いた地で走っている車両たちに乗った方がよっぽど良い。…ああ、このガッカリさ加減って。
その後、実際に走る京王電車に乗って用も無く府中まで行き、歩いて府中本町、そこからJR線に乗って八王子方面に帰ってきた。少しはこれで、はぐらかされた気持ちが穴埋めできたようである。







