2016年10月15日(土)

 

新宿ピカデリーで、『何者』。

 

あの若者たちのいかにも台詞を読んでいるような、なんだか血の通ってない会話の仕方(二階堂ふみと菅田将暉を除く)は、物語の展開を踏まえての意図的な演出なのか、それとも俳優たちの力量によるものなのか。その「血の通ってない感じ」こそが物語の肝であり、それが終盤に効いたりもするので、恐らく意図的な演出でもありながら役者たちが選び取った正しい演技でもあるのだろうけど、僕にはそれが一貫してリアルな言葉(会話)に聞こえなかったし、観ている間中ずっとカラダがむず痒かった。というわけで、最後まで誰にも感情移入できずじまい。それ、自分と登場人物たちとの年齢の開きからくるものだけではないはずだ。但し中田ヤスタカの劇伴のみ、血が通っていてよかった。あの音楽の効果にこの作品は相当助けられていると思う。

 

映画はノレなかったが、未読の原作はきっと面白いのだろうと思えたので、帰りに文庫を購入。就活問題はともかくSNSまわり(特にツイッター)の問題は原作が出た時点ではタイムリー…というか先見性のあることだったのだろう。映画公開がもう1年早かったら、ツイッターまわりのあれこれがもう少しリアルに感じられたかもしれないけれど。