2012年01月29日(日) 02時42分35秒

シネトーク98『ロボジー』●アイデアはグーッなんだけど消化不良な感も否めない

テーマ:ぶっちゃけシネトーク ~2014

ブルーレイ&シネマ一直線


映画が元気のミナモト!
てるおたくお

ぶっちゃけシネトーク

●今日のてるたくのちょい気になることシネ言

見せすぎた予告編は作品の面白さを削ぐこともある




シネトーク98
『ロボジー』



監督・脚本:矢口史靖
出演:五十嵐信次郎/吉高由里子/濱田岳/川合正悟/川島潤哉/田畑智子/和久井映見/小野武彦/田中要次/森下能幸/田辺誠一


2011年日本・東宝/111分/ビスタサイズ/東宝配給(2012年1月14日公開)



●作品解説

矢口史靖監督の3年ぶりの新作コメディ。

ロボット開発部員の3人組が開発中の新型二足歩行ロボットを

過って大破させてしまう。ロボット博に間に合わすため、

彼らはその場しのぎでロボットのスーツに1人の老人を

忍ばせてごまかそうとするが、事態は意外な方向へ。



※ネタバレしてます! ご注意ください




ブルーレイ&シネマ一直線 爺さんとトリオにもっと共感できるように描いてほしかった


たくお 「矢口監督って発想のひらめきというか、話の着眼点はいつも面白いな」


てるお 「その素材をユル~イ笑いでエンタメ映画に仕上げる『矢口イズム』なところがファンにはたまらないんじゃないの?」


たくお 「僕はファンというワケじゃないけど矢口映画はほとんど観てる。『ウォーターボーイズ』と『スウィングガールズ』などオリジナルで勝負できる数少ない監督の新作だからやっぱり期待しちゃうわな」


てるお 「三谷映画と同じで、矢口映画ブランドというものが確立されているので熱狂的ファンでなくても『この人の映画なんか好き』という人も多いと思う」


たくお 「ただ、熱烈に歓迎された『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』や、概ね好評だった『ハッピーフライト』に比べ、今回は賛否両論。『今回も問答無用に面白い!』と絶賛する人(←概ね矢口映画ファン)、『まあまあかな』と肯定も否定もしない人(←矢口映画は観てるけどファンではない人)、『全然ダメだった』とバッサリ斬る人(←アンチ矢口派または真っ当な映画ファン)とキレイに分かれてる」


ブルーレイ&シネマ一直線

てるお 「俺は『ウォーター』『スウィング』はめっちゃ好きなんだよ。大したもの特典も入ってなくせに値段はそんなに安くないブルーレイも買ったほどだからね(笑)」


たくお 「『ハッピー』は買わなかったの?」


てるお 「アレはあまり面白いと感じなかった。入念なリサーチで航空業界の内幕を描いた映画としてはよく出来てるけど、それを話として昇華できてないと思った。寝不足で劇場で観たんで、この映画の面白さに気づいてないだけかと思い、先日のTV放映も含めて4回ぐらい観直してるけど、やっぱり今ひとつハマれない・・・・。そんなに笑えなかったし、山場が分からないし、終盤が大して盛り上がってくれないし。ANAのプロモ映画という批判はなんとなく分かる」


たくお 「確かに航空業界のトリビアを羅列した感は否めないよね。僕は『まあまあ』かな」


てるお 「『矢口映画は観てるけどファンではない人』の感想ですか(笑)」


たくお 「で、3年ぶりの新作『ロボジー』はどうすっか?」


てるお 「そんなに面白かったかと言われたら・・・・・・微妙(笑)。期待が大きかっただけにガッカリ感は否めなかったなあ。退屈はしなかったし、観なくてもいい駄作というほどじゃないんだけど、なんだろ、平たく言えば『良く出来た凡作』みたいな・・・・」


たくお 「良く出来た凡作(笑)」


てるお 「これまでの3作って日常の中で頑張る人たちの話だったけど、今回はある日突然、非日常的なことに放りこまれた男たちの話なんで、これまでの矢口映画に比べたらちょっと異色


ブルーレイ&シネマ一直線

たくお 「ロボットのフリをする爺さんの話って聞いて、そのアイデアは面白いと思ったけど」


てるお 「ただ、アイデアだけが一人歩きしてて、肝心のストーリーやキャラが追いついてない。それじゃあまり面白くないでしょ


たくお 「確かに話はもっとヒネってほしかった残尿感はあるけど、キャラはいつもの矢口スパイスが効いてたと思う。基本的にだらしがない、いつもアタフタしてる、土壇場になってかなり強引に危機を乗り越えるなど(笑)


てるお 「悪く言えばキャラに今ひとつ深みがない。『ウォーター』も『スイング』も、どこかマンガ的で軽~いキャラが矢口映画ならではでもあるんだけどさ」


たくお 「主人公の五十嵐信次郎(ミッキー・カーチス)はお年のわりにはけっこう動きのあるアクションやってたね」


てるお 「脱着に時間がかかり、30kgもあるニュー潮風のスーツを実際に着て演じるのは想像以上に大変だったはず。大半のシーンは本人が演じてるし。『気は若い』ミッキーさんだから成せる業(失礼!)」


たくお 「自転車製造工場でロボットアームにブルンブルン振り回されるシーンはさすがに本人じゃないだろうけど」


ブルーレイ&シネマ一直線

てるお 「ニュー潮風の片足だけがシルバーなのはC-3POのリスペクトなのかな?」


たくお 「それは気づかんかった。でも矢口監督は三谷監督と違って、あまり他作にオマージュを捧げたりするようなことはしないので、ただの偶然でしょ」


てるお 「デザインもどことなく『21エモン』に出てきたロボット(ゴンスケ)っぽいなあと思ってたらパンフでも指摘されてた(笑)」


たくお 「このまま巨大化したらどことなく『アイアン・ジャイアント』になっちゃいそう」


てるお 「でね、主人公は偏屈なじいさんなんだけど、ロボジーになってからは傲慢さも加わり、観てる方としてはあまり“愛おし感”が湧いてこない。生き甲斐を得て人生再出発的な話になるのかと思ったらそうでもない。終始、ブーブー文句言ってるだけなんであまり愛着がないんだよね


たくお 「僕は、爺さんはロボジーになってもその素直でない性格ゆえにワガママなんだけど、内心は孤独の寂しさから解放されて嬉しかったんだと理解した。3人組に反発しながらも結局は彼らを助けたわけだし。ラストカットのニンマリ笑顔で救われている感じはしたけどなあ」


てるお 「そう? ロボジー人気でチヤホヤされて天狗になった爺さんにしか見えなかったんだけど(笑)」


たくお 「確かに、もっと感情移入できる場面があったら爺さんにも愛おしさは出てたかも


ブルーレイ&シネマ一直線

てるお 「後で話すけど、爺さんの心境が急に変わるラストの展開にも全然腑に落ちない。だったら頑固キャラはそのままでいいとしてもさ、長い人生を送って若者たちよりも『生きる知恵』が豊富なわけなんだから、その知恵を使って3人組のピンチを救ってあげるとかそういう話にすれば良かったのに


たくお 「僕もあの記者発表のシーンには言いたいことがあるけど、爺さんは最後までどうしようかギリギリ迷ってたんだと思ったよ」


てるお 「面白かったのは、普段はヨボヨボの爺さんなのにニュー潮風になったら急に動きが機敏になるところと、着ぐるみなのになぜか動くたびに“ウィーン”と音がするところ(笑)」


たくお 「爺さんをスカウトした木村電器トリオはチビ、ノッポ、デブというこれまた分かりやすいキャラでまとめられてる


てるお 「この3人もかなりオーディションに時間をかけたみたいで俳優陣は問題ないんだけど、もっとあたふた&ドタバタしてほしかった。それこそ『ウォーターボーイズ』のようにキャラでベタに笑わせて盛り上げる演出が欲しかったと思ったのは俺だけではあるまい


たくお 「うーん、確かにトリオと爺さんの掛け合いは今ひとつ活きてなかったなあ


てるお 「このトリオもほとんど成長してくれないから、あまり共感できないのもなんだかねえ。『ウォーター』『スイング』はそれぞれのキャラが成長してそれがラストで結実し、爽快なシメにしてくれたから良かったんだよ。『ハッピー』のヒロインにしたって少なくとも成長してた。本作の場合はインチキを乗り越えて成長していくのが面白いんじゃないの?」


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たくお 「とは言っても、後になってロボットの設計図を作ってたし、最後は本物のニュー潮風Ⅱも完成させてたし。一応、成長してるんじゃね?」


てるお 「いや、あんな駆け足で描かれて『ほら、成長しましたよー』じゃ観客も納得しないでしょ。ラストまで彼らは社長の命令でイヤイヤやってるだけじゃん。キャラの描き込みが足りてないから、トリオや爺さんを応援したくなるような気分に突き動かされないんだよ


たくお 「ま、そこはつぎ足し感が否めない部分でもあったけど・・・・」


てるお 「劇中では爺さんが有利で、トリオが弱者な立場として描かれてるんだけど、その両者の関係性が面白く発展していかないのももどかしかった。観てる方は爺さんが好き勝手に暴走してバレんじゃないか? という、イヤなハラハラ感だけはあったけど(笑)」


たくお 「爺さんがトリオの弱みを利用して贅沢三昧する一方で、トリオ側も爺さんの弱点を握り、ニュー潮風を演じざるを得ない展開にすれば、話の求心力もグンと上がったと思う。初めこそは彼らは衝突して仕方なくやってるけど、インチキをやっているうちに世間の人気に酔いしれて、『なんとか誤魔化せた』『みんなに慕われている』という両者の思惑が合致するみたいな」


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てるお 「ただそれだけだと、話として盛り上がるのは中盤までだから、やはり“真相追及”役を出さなくてはならない。その役回りをなんで吉高由里子と田畑智子にさせているのかが分からない


たくお 「僕もそう思った。その役目はマスコミの弥生(田畑)だけにやらせればいいのであって、むしろ葉子(吉高)はロボジー側に付けるべきでしょ。アレだったら田畑智子いらないじゃん(笑)」


てるお 「葉子には途中でニュー潮風の正体がバレてしまい、トリオと一緒になってインチキを協力する側にしちゃえばもっと面白くなったと思う」


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たくお 「ま、本作の最大の収穫は個人的にはずっと苦手だった吉高由里子が初めてカワイイと思ったことかな(笑)


てるお 「監督はロボジーやトリオよりも、吉高をいかに可愛く見せるかに重点を置いてると思ったのは俺だけじゃないはずだ(笑)


ブルーレイ&シネマ一直線

たくお 「クソでかいレンズの付いたカメラを抱えて証拠写真を撮ろうとする場面はワロタけどね。フツーにバレるだろ(笑)」


てるお 「目の下にクマを作って髪の毛ボッサボッサのニキビ顔した彼女もグッジョブだよ。汚い女を演じてこそ女優!(笑)」


たくお 「バイクに乗りながら投げキッスする仕草は吉高のアドリブだとか。監督からは『何やってんの?』とツッコまれて本人も絶対にNGだと思ってたらしいけど、しっかりと予告編に使われてる」


ブルーレイ&シネマ一直線

てるお 「吉高チャンは十分に魅力なんだけど、個人的にはヒロインは長澤まさみに演じてほしかった」


たくお 「てるおは本当に長澤まさみが好きだな」


てるお 「『ロボコン』でロボット愛に目覚めたヒロインの葉沢里美(長澤まさみが演じた女子高生)を出せば、東宝ロボ映画つながりで面白いかなと思ったんだけど(笑)」


たくお 「小野武彦さん演じる会社社長はあんな優しそうな顔をしてトリオに無理難題ばっかり押しつけてる。しかも彼らのフォローも全然しない」


てるお 「パンフレットのインタビューに『社員たちのことも思ってるのでホットな面も出せるようにした』と言ってるけど、彼らのことを思ってる場面なんかあったっけ? ずっとニュー潮風のことしか心配してなかったじゃん」


たくお 「その社長がニュー潮風のシステム構造とかを理解できてないのがすでにあり得ないんだけど


てるお 「実は騒動の発端は社長なんだよね(笑)」





ブルーレイ&シネマ一直線 説明不足でせっかくのオチが全然活きてない


てるお 「コレを言っちゃうと元も子もないんだけど、アレでロボジーが世間にバレないのはなんでよ?


たくお 「強引に話を押し進め、細かいアラなんか気にしちゃいけないのが矢口映画のモットーだから。答えになってないか(笑)」


てるお 「いやいや、気にしなくちゃいけないでしょ。この映画って、バレる、バレないのスリリングな展開が肝なはず。なのに、ロボット博のシーンでロボジーがヒロインを助けちゃう場面でいきなりバレちゃうのか!? と緊張が走るんだけど、周囲にいたお客さんは疑うどころか拍手喝采。あのシーンを見せられて『ロボットがあんな怪しい動きをしても全然怪しまれないのね』と興醒めしてテンションが落ちた。そこでもう失敗してる


たくお 「監督はあえて意図してやってると思うよ。バレるバレないの話よりも、爺さんがロボットを演じてる滑稽さを主軸に置いてるのでは? 緊迫感は皆無だけどね」


てるお 「その割には滑稽感もあまりなかったけど。そんなにゲラゲラ笑うところもなかったし。あんなアクションを起こしても周囲にバレないようなファンタジーにするんだったら、もっとドタバタに特化すりゃよかったのに。それこそ『裸の銃を持つ男』のようなナンセンス・ギャグに徹したほうがナンボ面白いか」


ブルーレイ&シネマ一直線

たくお 「爺さんの娘家族のエピソードは悪くないんだけど、挿入のタイミングに違和感があった。話があまりうまく整理されてない気がする」


てるお 「娘は本当にニュー潮風が1人でやって来たと思ってるんかな? だとしたらかなりイタイ人じゃね?(笑)」


たくお 「あれは中に爺ちゃんが入ってることに気づいているんだけど、子供たちの前では知らないふりをしてるだけでしょ。そうでないと娘夫婦との距離が縮まっていくオチに説得力がない」


てるお 「ただね、2度目の鑑賞時に和久井映見がそれらしい表情をしてたか注意深く観てたんだけど、それを匂わすようなカットがないんだよね」


たくお 「そこは観客の想像力にお任せしたんでしょ。1から10まで全部説明したらつまんないよ」


てるお 「いや、それは分かるよ。でも、せめて伏線までとは言わないまでも、タクシーで帰るニュー潮風を見送る和久井映見の微笑むようなカットが1つでもあるとあのシーンの受け止め方も大きく変わると思う


たくお 「実際、本作を見た人にあの場面のことを聞いたんだけど、みんなが『彼女は気づいてないでしょ』と答えてたけどね(笑)」


てるお 「でしょ? ま、和久井映見ってちょっと抜けてる感じもするから、なおさらそういう場面に見えてしまう(失礼!)」


ブルーレイ&シネマ一直線


たくお 「あと、ヒロインが探偵ごっこを始めるあたりから中だるみが出ちゃって、テンポが悪くなってるのも気になった


てるお 「葉子がパパラッチしてる時、爺さんに2度目に助けられる場面てさ、彼女が爺さんの正体を確信したんだよね? でもあのシーンは彼女がロボジー側に心が傾く心境を描いている、と指摘してる人もいるけどそうなの?」


たくお 「2度も助けられたからって許す気持ちに傾くいうのはあまりにも安直な気がするけど。僕はあのシーンは葉子が爺さんに恋しちゃったのかと思ったぞ(笑)」


てるお 「そもそも手を握られただけで『あ、この人!』ってピンとくるかな? ロボットの手と素手とじゃ全然違うと思うんだけど。せめてあそこは爺さんが彼女のパンツを覗こうとするカットを入れなきゃダメでしょ。それで初めて『やっぱりコイツは!』ということになるんじゃないの?」


たくお 「言えてる。それでこそあのパンチラ・シーンが活きてくるのに(笑)」


ブルーレイ&シネマ一直線

てるお 「トリオが学生たちの前で講演するシーンもさ、オドオドしたまんま『君の考えは?』を繰り返すだけでその場を逃げ切っちゃうもんだから萎えたよ


たくお 「少なくともニュー潮風の前に彼らは二足歩行のロボットを作ってるわけだし、知識が全くない素人じゃないのになにも答えられないというのはおかしい。せめて『企業秘密なんで・・・』とかで逃げればいいのにと思った」


てるお 「ホントのようなウソっぱちの話をいかに説得力と整合性をもたせて見せるかが重要なのに、細かい部分を深く考えちゃダメといういつもの“矢口イズム”で逃げちゃってる。それが矢口映画の長所でもあり短所でもあるんだけど、そればっかりやられてしまうと『またかこのパターンか』になっちゃう


たくお 「“現実だったらまずあり得ない”というこれらの場面は、観る人によって評価が大きく変わってくるね。ツッコみたくなるような場面でも気にしないで楽しめる人には面白いだろうし、ダメな人は受け付けないだろうし」


ブルーレイ&シネマ一直線

てるお 「葉子の心境の変化も今ひとつ分かりずらい。“人間チックなロボット”に恋をするぐらいメロメロだった彼女が、それがニセモノと分かってトリオに対してブチ切れてるのに、彼らが描いたニュー潮風の設計図を見ただけで許そうと思うか?」


たくお 「僕もそのシーンの意図が今ひとつ分からなかった。『彼らは真剣にロボットを作ろうとしてるのね! 会見を止めなきゃ!』なのか、『ちゃんと設計されてたんだ! ニュー潮風はインチキじゃなかったんだ!』なのか。何を思って会見場に向かったのかが伝わってこない」


てるお 「あれだけの大ウソに騙されておきながら、あんな見様見真似で描いたような設計図で心を動かされるのはちょっと違うでしょ」


たくお 「中途半端に心変わりするくらいだったら、葉子もトリオと一緒に本物のロボットを作るとか別の手で騙すとか、もっと違う見せ場を与えるべきだった。後半以降の彼女の立ち位置があまり重要でなくなってるんだよね


ブルーレイ&シネマ一直線

てるお 「一番うまくいってないのがラストの記者会見シーン。『え? あんなんでみんな騙されるの?』と思わず目を疑ったぞ(笑)


たくお 「さすがにあそこはちょっとねえ・・・・(笑)」


てるお 「あの『すり替え作戦』って爺さん1人で考えたものなのか、それともトリオと4人で考えたものなのか」


たくお 「そりゃ4人全員がグルでしょ。だって爺さん1人であそこまでしてあんなインチキをする理由が全く見当たらないし、人知れず会社に忍び込んでロッカーにあんなものを用意できるはずがない」


てるお 「だとしたら、もうちょっとそれを匂わせるシーンを入れるべきでしょ。あんな強引なピンチの切り抜け方はザツすぎる


たくお 「そうだね。爺さんが『私が潮風の正体です』と階段でブツブツと1人で練習してた場面は、明らかに観客をミスリードする狙いもあったんだろうけど、あまり効果的じゃなかったし」


てるお 「なんで爺さんが土壇場で考えを改めたのかがピンとこない。あのトリオのためなのか、それとも娘家族のためなのか。そのあたりの伏線もなんか曖昧にされてる気がする


たくお 「最初は温泉宿でトリオがロボットの設計図を作ってるところを覗きこむ場面が、彼らを見直した伏線なのかと思った。でもあそこって、いつも邪険にされてた爺さんが『コイツらまで俺のことを邪魔者扱いにするのか』と落胆する描写なんだよね」


てるお 「だとしたら、なおさら釈然としないなあ。おそらくオチを観客に悟られたくないから、それらの伏線や匂わせる描写をあえてカットしたんだろうけど、説明不足なので逆にオチを殺しちゃってるんだよね


たくお 「この強引な展開も矢口映画のブラックユーモアと受け止めて、それを良しとするかどうかだよね」


てるお 「いやいや、良しとできないだろ。あんな博打に近い『すげ替え作戦』をするなら用意周到に動かないと。女性リポーターにマスクを取られそうになって逃げる → マイクのコードにつまづく → 報道陣から死角になってるロッカーでアレを出す → 窓から落とす → 爺さん、ロッカーに隠れる。こんな稚拙な作戦でごまかせるなんてほとんど奇跡に近いぞ(笑)


たくお 「いくらコメディだと割り切っても、あのオチはちょっと乱暴だね」


てるお 「あまりにもご都合主義な展開なので、もうどうでもよくなってくる。劇中人物のほぼ全員が『ちょっとバカじゃないか?』と思いたくなるほどインチキ・ロボットに騙されてるけど、観客はそうはいかない。もし監督が『そこを楽しむ映画じゃないですよ』と言うんだったら、じゃあ、何を楽しめばいいの?ってことになる」


ブルーレイ&シネマ一直線

たくお 「やっぱりあのラストに怒ってる人も多いみたい」


てるお 「そうでしょ。あのオチで全部が台無しになってる気もする。誤解を招く演出が多いので、映画的カタルシスがあまりない


たくお 「インチキ・ロボットにあんだけ怒り狂ってた葉子が、最後の最後でまた爺さんにインチキをお願いしにいくのもあり得ないし」


てるお 「俺は、あの信じがたい言動で彼女の行動心理が全く分からなくなってしまった(笑)。まあ、あそこはコメディ映画的なオチとして観るべきなんだろうけど」


たくお 「事件を丸く収めて誰も不幸になっていない展開は良しとしても、あんなザツな話の回収では観客はあまり納得いかんわな


てるお 「監督はリサーチや脚本づくりに3、4年ぐらいかけたらしいんだけど、もっと脚本を煮詰めてスキのない話にしてほしかった


たくお 「題材やアイデア、話の視点はすごくいいだけにもったいない!」


てるお 「あと、本作があまり楽しめなかった要因として、これもあちこちで指摘されてるけど予告編にもあると思う


たくお 「竹中直人の酔っ払いサラリーマン、エレベーターでの放屁、ロボットアームで振り回されるロボジー・・・。劇中の笑えるところをほとんど見せちゃってる


ブルーレイ&シネマ一直線


てるお 「だから笑いの爆発力がイマイチ不発気味。本編がイイとこどりの予告編に負けちゃってる」


たくお 「予告編を観た時から一抹の不安はあったけどね。面白いところをほとんど出しちゃってるんじゃないか、と思ったらやはりそうでした(笑)」


てるお 「多分、予告編スタッフも相当悩んだんじゃない? 観客を呼ぶためにはアレもコレも出したいけど、気がついたら全部出しちゃってた、みたいな(笑)」


たくお 「映画って予告編以上の面白さと見どころで観客を満足させる“義務”があるんだけどね」


てるお 「良いこと言うねえ(笑)。予告編で期待MAXで観に行って、残尿感たっぷりで劇場を後にした人も少なくないと思う


ブルーレイ&シネマ一直線

たくお 「まあ、コメディなんだからさ肩の力を抜いて理屈抜きで楽しめればそれでいいよ、という人にはオススメです」


てるお 「俺みたいに理屈ありきで映画を観る人にはあまりオススメしない(笑)」


たくお 「今回は辛口が多くなったけど、TVドラマの映画化ばかりで悲惨なことになってる今の日本映画にとって、矢口監督は次回作が観たいと思う数少ない監督であることは間違いない」


てるお 「そうだね。なんだかんだ言ってもこの人の映画はキライになれない」



ブルーレイ&シネマ一直線



●ココGOOD!=のほほんとした矢口映画の空気感/ニュー潮風のデザイン/ミッキー・カーチス、好演!/キュートな吉高由里子/ラストで見せる爺さんの笑顔/エンディング曲(やっぱりミッキーさんは歌がうまい)
●ココBOMB!=アイデアだけが一人歩きしたストーリーの不備/思ったほど笑えない/中だるみ感/張り巡らせるべき伏線のなさ/爺さんにあまり共感できず/爺さんとヒロインの唐突な心境の変化/田畑智子の無駄な使い方/都合のいいストーリー展開(特にロボジーに気づかない周囲の連中)/強引すぎるエンディング/面白いところをほとんど見せちゃった予告編



●『ロボジー』満足度料金

てるお  1000円

たくお  1100円



『ロボジー』 ★★★





小説ロボジー/矢口史靖
¥1,050
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映画ロボジー取扱説明書/矢口 史靖
¥1,995
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コメント

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10 ■>tomoさん


コメントありがとうございました。

私も「ひみつ~」は初期作品では一番好きです。

サイドストーリーはそれなりに
面白かったんですけどね。

できれば「ハッピー」みたいに
5編ぐらい作ってほしかった

9 ■>jeanpaul-cinemaさん


こちらこそ
よろしくお願いします。

映画ネタで盛り上げていきましょう。

8 ■>ねこあしさん


そうなんですよ。
予告編でいいとこをほとんど見せちゃってる。

事前情報を一切シャットアウトして見たら
それなりに面白いかもしれませんけど。。。。

7 ■>イデヒロミさん

何も考えないで楽しむ
コメディとして割り切れば
それなりに面白いんですけどね。

僕はあともう一歩って感じでした

6 ■>ひばなさん


不完全燃焼でしたねー。
なんかまどろっこしいというか
ドカンとくるものがなかったというか
「ウォーター」とか「スイング」は
けっこう笑えたんですけど。

5 ■無題

こんにちは。
矢口監督作品では「ひみつの花園」が一番好きです。
日本映画専門チャンネルでやっていた「ロボジー」のサイドストーリー2作品(助監督さんの作品も有りました)が面白かったので、
劇場へ期待して足を運んだのですが、
爆笑できなかったです。

4 ■読者登録!!

ありがとうございます!!!
感激です☆彡
これからもがんばりますのでどうぞよろしくお願いします!!

3 ■無題

見せすぎた予告編…うまい表現ですね。
見せすぎた…と、ゆーより本作においては、予告編がすべてであって、あれ以上でもあれ以下でもない。 面白おかしく楽しめるけど、見終わったあと、だから何?とゆー印象がぬぐえないのが残念( ´△`)

2 ■はじめまして

確かに強引な部分が多かったですね。
でも私はコメディだと思って気楽に楽しみました。深く考えるような映画じゃないし(^▽^;)
オナラのシーンも予告編で知ってるけどやっぱり笑っちゃいました

1 ■無題

そうなんですその通りなんです~www(笑)
大笑いしたくて あえて邦画見に行ったのに・・・
不完全燃焼でがっかりしてしまいました。
期待しすぎてたのもいけないのだけど。。。
前作までの作品が全部好きなので つい・・・

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