2011年08月09日(火) 13時00分02秒

シネトーク71『コクリコ坂から』●良くも悪くないんだけど・・・・何かが足りない

テーマ:ぶっちゃけシネトーク ~2014

ブルーレイ&シネマ一直線




三度のメシぐらい映画が好きな
てるおたくお
ぶっちゃけシネトーク

●今日のてるたくのちょい気になることシネ言

「レディースデーがあるのにメンズデーがないのは男女差別じゃね?」




シネトーク71
『コクリコ坂から』




監督:宮崎吾朗 企画・脚本:宮崎駿 原作:高橋千鶴/佐山哲郎 脚本:丹羽圭子
声の出演:長澤まさみ/岡田准一/竹下景子/石田ゆり子/風吹ジュン/内藤剛志/風間俊介/大森南朋/香川照之


2011年日本/91分/ビスタサイズ/東宝配給(2011年7月16日公開)




※ネタバレしてます! ご注意ください




ブルーレイ&シネマ一直線 日常の部分とファンタジーの部分を融合させた“落差的”面白さが薄い


たくお 「良く言えば“ノスタルジーにあふれた優しい”ジブリ作品」


てるお 「悪く言えば“あまり印象に残らない”ジブリ作品」


たくお 「可もなく不可もない無難な作品だったね。でもそれって昨年の『アリエッティ』と同じでどこか物足りない」


てるお 「少女漫画の原作は読んだことないし、この時代(1960年代)を生きた人間でもないのであまり共感できる部分はなかったけど、それでもその時代の空気感みたいなものは多少なりとも感じられた


たくお 「でも『ポニョ』に夢中だった子供たちや、『アリエッティ』をデートムービーとして楽しんだ中高生にはあまりしっくりこないのでは」


てるお 「今回は彼らをターゲットにしてないでしょ。どっちかといえば僕らの一世代上の団塊世代に向けた作品だと思うけど。僕もそんなにしっくり感はなかったし


たくお 「ちょっと親にも見せたいな。どういう反応をするか」


てるお 「うちのオヤジは学生運動を何回かやってたらしい。あの時代は学生運動が“ひとつの青春”みたいなもんだった、とよく話してたよ。といっても、火炎瓶を投げるような過激なものではなかったようだけど(笑)」


たくお 「そういう時代を背景にしつつ、軸となるテーマは出生の秘密に揺れる海と俊の恋の行方なんだけど、僕はそれよりもカルチェラタンのエピソードの方が印象に残ったなあ


てるお 「僕も。ジブリチックな躍動的なエピソードとして光るのは、むしろカルチェラタンを守る生徒たち」


たくお 「人と人が手を取り合って何かを成し遂げることが熱かった時代。今のSNSとかバーチャルなつながりではなく、みんなが埃まみれになってカルチェラタンを掃除する場面は好きだな」


てるお 「逆に2人の恋の過程話は意外とアッサリしてる。もっと熱く厚く描いてほしかった


たくお 「確かに。彼らの感情の機微をもっと前面に出していれば、ノスタルジックな恋物語としても傑作になっただろうに


てるお 「傑作『耳をすませば』みたいな主人公2人の微細な心情の変化がいまひとつ感じられなかった」


たくお 「しかも2人は実の兄妹だったかも、という昼メロみたいな衝撃的な展開が用意されているのに彼らは思ったほど驚いた表情を見せない。なんか違和感だけがあった」


ブルーレイ&シネマ一直線

てるお 「というか、俊が海にそれを告白するシーンは予告編でもしっかりと使われてるでしょ。予告編を観た人は『この2人は兄妹でしょ』と知ってるから衝撃的な展開でもなんでもない


たくお 「なんであの場面を予告編で使ったんだろ? 2人の重要な関係を示すシーンなのに


てるお 「その後にまたひと展開あるので予告編のその場面が“オチ”ではないにせよ、あそこは見せちゃいけないと思う。展開としての面白味を奪ってるよね


たくお 「2人が少しずつ近づき合う“空気感”の描写、演出は秀逸なんだけど


てるお 「カルチェラタンで黙々と作業する彼らのシーンは会話はなくてもその“空気感”がうまく出てた」


たくお 「あと2人がコロッケをほおばる場面もなんか微笑ましい


ブルーレイ&シネマ一直線

てるお 「でも、2人が過ごす場面はけっこうあるのに、彼らの距離感がなかなか縮まっていく様相を見せないもどかしい感じがあった


たくお 「最後の最後で互いの思いを知るわけだけど、“好き”という気持ちが純粋だった時代の話なんだから、もっとストレートな演出で魅せてほしかったと思う」


てるお 「『耳すま』ではラストで聖司が雫に『好きだー!』と絶叫する、観ててちょっと恥ずかしくなりそうなシーンを入れることで逆に清々しさを演出していた。本作にもそういうものが欲しかった」


たくお 「キャッチの『上を向いて歩こう。』も時代設定を示すだけの小道具になっちゃってるのも残念」


てるお 「でもそれは幾多の困難を経て結ばれる2人の“応援歌”なのかもしれないけど」


たくお 「困難? これは運命のイタズラのようなものであって、2人はそれほど“困難”を乗り越えてたわけじゃないと思うけど」


てるお 「ま、確かに・・・・ガーン


たくお 「海は父親を戦争で亡くしてコクリコ荘を切り盛りするしっかり者。毎日旗を上げて、朝夕のごはんを支度する何気ない日常シーンを“愛おしい感”あふれる描写で魅せるのはジブリの十八番


ブルーレイ&シネマ一直線

てるお 「ハムエッグがこれまた美味しそうで(笑)」


たくお 「ジブリの“食”のシーンってほんとウマそうに描くよね。『千と千尋』で両親がガツガツ食べる場面とか、『ポニョ』のチキンラーメンをすする場面とか」


てるお 「こういう日常場面を大切にするところがジブリの魅力なんだろうけど」


たくお 「『魔女宅』でキキを見たオバサンが『あら、魔女って久しぶりねえ』と言うところみたいな、日常の部分とファンタジーの部分を融合させた“落差的”面白さがあるんだけど、でも今回はファンタジーじゃないしねえ」


てるお 「その分、“日常的な面白さ”でもっと勝負してほしかった。なんかソツなくまとめたって感じ」


たくお 「さっきも言ったけど、日常部分でのファンタジー的な面白さはカルチェラタンのエピソードにある」


てるお 「カルチェラタンの入り組んだ構造は『千と千尋』の油屋を思わせるワクワク感があった。本編では一番胸躍ったよ」


ブルーレイ&シネマ一直線

たくお 「今回は全体的に語り口が淡々としててシンプルなので“ジブリ・アクション”は少ない。となると、カルチェラタンがアクションとしての見せどころとなる」


てるお 「いつもより“動きのアクション”は控え目だけど、海と俊が自転車で2人乗りして坂を下るシーンとか三輪バイクで船乗り場へと急ぐシーンはそれらしい感じがあった」


たくお 「いきなり俊が校舎から飛び降りるところはコナンかと思ったぞ(笑)」


ブルーレイ&シネマ一直線




ブルーレイ&シネマ一直線 近年のジブリアニメにないものとは・・・・


たくお 「監督は『ゲド戦記』というジブリの黒歴史を作ってしまった吾朗なので、正直、観る前は不安だった


てるお 「『ゲド』のようなことにはならなくて良かった(笑)」


たくお 「てか、アレよりヒドかったら怒りますよ(笑)」


てるお 「日テレもさ、公開直前になんでわざわざ『ゲド』を放送するんだろね? ただの嫌がらせじゃん」


たくお 「その前に放送してた『海がきこえる』のほうが面白かったよ」


てるお 「今回の『コクリコ』は『ゲド』よりかは良く出来てますよ~という、密かなPRだったりして(笑)


たくお 「パンフには『ゲド』の“お詫び”と本作への自信を見せる吾朗の手記が載ってる


てるお 「『ゲド』では慣れない監督で疲労困憊し、ほとんどこだわりを持つ余裕なんかなかったんだとか。妥協ゆえにああいう悲惨な作品になってしまった」


たくお 「今回は原作ファンである吾朗が監督をやりたいと申し出たらしい。今回の監督で『人生で初めて必死になった』とも語ってる」


てるお 「ただ、宮崎駿も原作は失敗作だと言っているのに、なんでジブリは本作の映画化を選んだんだろう?」


たくお 「失敗作とはいえ宮さんは原作を気に入っていたので、映画化の企画自体はかなり前からあった」


てるお 「へえ、そうなんだ」


ブルーレイ&シネマ一直線

たくお 「ジブリアニメは大きく二分すると『トトロ』『千尋』のようなファンタジーか、もしくは『耳すま』『おもひで』のような現実的恋物語になるんだけど、近作の『ポニョ』はご都合主義なお子様ファンタジーだったし、前作の『アリエッティ』はこれからというところで終わってしまいファンタジーとしては消化不良だった


てるお 「昔のジブリ作品はファンタジーの中で繰り広げられる男女の恋愛劇をすごく巧く描いていたのに、最近はどうもその感情の機微みたいなものが薄れちゃってる


たくお 「本作を観て思ったのは、最近のジブリに欠けているものは“パンチ”と“中毒性”なのかな


てるお 「『ナウシカ』『ラピュタ』『魔女宅』『千尋』などは気が付いたらDVDを再生しているんだよね。やっぱりそこには『何度も観たい』という作品的魅力があるから


たくお 「正直、『ハウル』以降の作品は劇場と地上波で2回ずつぐらいしか観てない。今ひとつハマれていないんだよね」


てるお 「そういう意味じゃここ5、6年のジブリアニメの“心地よい中毒性”がなくなってきている気がする。昔の作品には“爆発力”みたいなものがもっとあった


たくお 「“自爆”してる作品はあるけどね(笑)」


てるお 「もっと若いクリエイターに冒険させてもいいのに。もちろん、ド素人に監督をさせるのは反対だけど」


たくお 「近藤喜文のような優れたクリエイターがなかなか出てこないのも問題」


てるお 「だからジブリは今、新人育成に力を入れている。宮さんだっていつまでも現役で頑張れるわけじゃないし」


たくお 「高畑勲もなんで現場復帰してくれないんだろ。やっぱり『となりの山田くん』の失敗が響いているのかな?」


てるお 「あれってもう10年以上前の作品だし、そうじゃないでしょ」


たくお 「高畑作品はパンチがあって好きなんだけどね。『山田くん』以外は(笑)」


てるお 「最近のジブリはそのパンチがなくなっているのも否めない。『コクリコ』はどこが山場なのか分からず、観終わった後の印象がどうも薄い。ジブリというブランドを取り払って観たらそんなに悪い作品じゃないんだけど」


たくお 「なんかモヤッとしか感じだけが残ってしまう。“心地よい鑑賞感”がもっと欲しいし、もっともっと心に響くものが欲しい


ブルーレイ&シネマ一直線

てるお 「長澤まさみと岡田准一の声優はどうだった?」


たくお 「思ったよりも悪くなかったと思うけど。長澤まさみは声に特徴があるから観る前はずっと長澤のイメージが付いて回ると思ったけど、意外とそうでもなかった」


てるお 「彼女の起用は監督じゃなくて鈴木プロデューサーの提案らしい」


たくお 「監督からの指示は『無愛想な感じで』だったとか


てるお 「そうか、長澤まさみが無愛想になるとああいう声になるのか(笑)」


たくお 「声優に俳優をよく起用するジブリのやり方は賛否両論があるけど、僕はキャラクターに違和感がなければ俳優だろうが声優だろうがどっちでもいいと思う


てるお 「要は俳優であろうが声優であろうがキャラに合ってればいいんですよ」


たくお 「なかには『耳すま』のお父さん役みたいに恐ろしいぐらいの棒読み役者がたまにいるけど(笑)」 ※声を務めた立花隆はジャーナリストであって正しくは声優ではない


てるお 「プロの声優のほうがキャラに命を吹き込むという意味では俳優よりもうまいんだろうけど、たまにワザとらしいぐらいに感情的に喋る声優がいるので、ああいうのは苦手」


たくお 「あと深夜アニメでやってるような美少女キャラ声だけはご勘弁(笑)」


てるお 「ま、ジブリがタレントや芸能人を使うのは出資者が絡んだ“大人の事情”もあるんだろうけど


たくお 「そういう“大人の事情”なんかに折れないで、声も大事なファクターなんだからもっと確固たる姿勢を貫いてほしい」


てるお 「やっぱりジブリの新作と聞いたら、普段アニメを観ない人まで“ひいき”して劇場に観に来るわけだから、そういう観客を大切にしてほしい」 ※ジブリが観客を大切にしていない、という意味ではない


たくお 「次は中毒性のあるファンタジー大作で魅せてほしい」


てるお 「でも鈴木プロデューサーがポロッたけど、次回作は宮崎駿監督の自伝らしいよ


たくお 「自伝? じゃあファンタジーじゃないのか? ジブリ今昔物語?」


てるお 「やはりノスタルジックな作品になるのかなあ。原点回帰を目指してほしいんだけど。ジブリ黄金期で育ったファンはそういう意味でも期待してると思うし」


たくお 「あとジブリにやめてほしいのは50音順のエンドクレジット。あれって何の意味があるの?」


てるお 「上下関係なくみんなが協力して作り上げた作品、という意味も込めてジブリは『ポニョ』からこの50音順式を採用してるけど、スタッフはどう思ってるんだろ?」


たくお 「やっぱり自分が担当したパートでちゃんとクレジットされたいと思うでしょ、普通は。だってほとんどの人が知らないんだから、そういう人たちの名前をズラリと並べられてもねえ」


てるお 「おかげでエンドクレジットは2分ぐらいで終わるから助かるんだけど(笑)」



●『コクリコ坂から』満足度料金

てるお   900

たくお  1000円



『コクリコ坂から』 ★★☆





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脚本 コクリコ坂から (角川文庫)/宮崎 駿
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コメント

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10 ■>peopoさん


米国盤では買えますよ。
DVDでリージョン1仕様ですが。

ファンのためにも
ジブリ・ディズニーには勇気を持って
青い千尋でBD化してほしいです。

9 ■Re:>peopoさん

>たいむぽっかんさん

青いバージョンなんて購入可能なんですか?

BD版が出て、それでも赤いとレビューあれば
もう絶望的だと考え、購入を検討しますね。

BDでまともな色のを出したら、DVD購入者らが
「交換せよ!」と一斉蜂起する危険性がありますからね。

8 ■>peopoさん


「千尋」はBDで出ても
恐らく赤いままでしょうね。

あの赤に耐えられなかったんで
青いUS版DVDを買いましたよ。

フィルムコミックも「青い」ですからね。

7 ■>池本さん


そうですね。
原作はもっと長いですから。
でも駿氏は絶対にやらないだろうな。

6 ■>chiekoさん


僕も「ぽにょ」はあまりハマれなかったです。
つまんなくないんだけど面白くもない。
甥っこ、姪っ子は喜んでましたけどねwww

5 ■>モックンさん


言えてますね。
まだ2作目なので吾朗味というのが
よく分からないですけど、
もう少し個性的な部分も欲しいです

4 ■宮崎ジブリ映画は

個人的に「もののけ姫」あたりを最後に魔力が切れているような気がします。

千と千尋は、赤バージョンDVD事件の対応でムカついたので、未だ作品は観ていません。つじつま合わせるためにブルーレイ版も赤いバージョンで発売するんですかね?

ネットではゴローの後継者問題は話題になってますね。

3 ■無題

次回は長編でナウシカの続きを最後までお願いしたいです

2 ■同感です

私もジブリ大好きなんですけど
「ぽにょ」あたりからあんまりハマれなくなってきました。
なんか方向性がどんどん変わってきているような・・・・。
次回作は「ラピュタ」の頃に戻ってほしいです。

1 ■宮崎駿の映画が早く観たい

悪くはないけど、吾郎さんの作品はちょっとスパイスが足りない。

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