2011年07月11日(月) 03時30分00秒

シネトーク67『127時間』●どのホラーよりも怖い映画。でもそれだけに感動も深い!

テーマ:ぶっちゃけシネトーク ~2014
ブルーレイ&シネマ一直線



三度のメシぐらい映画が好きな
てるおたくお
ぶっちゃけシネトーク

●今日のてるたくのちょい気になることシネ言

「『シネコンウォーカー』に金払って読んでる人いるの?」




シネトーク67『127時間』




監督・製作・脚本:ダニー・ボイル 原作:アーロン・ラルストン 
出演:ジェームズ・フランコ/アンバー・タンブリン/ケイト・マーラ/リジー・キャプラン/クレマンス・ポエジー

2010年米・英/94分/シネスコサイズ/20世紀フォックス・ギャガ配給(2011年6月18日公開)




※ネタバレしてます! ご注意ください




ブルーレイ&シネマ一直線

●いつの間にかJ・フランコに同化してしまい息苦しくなってくる


てるお 「観てる間、ずっと右腕に力が入りっぱなしだったんで、映画が終わった時は腕が痛くて痛くて・・・・(笑)


たくお 「それ分かる! 気が付いたら息を殺して見入ってる自分がいる。それぐらい凄まじい求心力がこの映画にはあふれてた


てるお 「実話がベースだから事の顛末は分かっているのに、ずっと緊張の糸が切れないから最後までダレさせない。いやあ、ダニー・ボイル、恐るべし!」


たくお 「正直、前作の『スラムドッグ$ミリオネア』は世間で騒がれているほどそんなに面白いと思わなかったんで、今回もどうなんだろ?と半信半疑な部分はあったけど、本作はズバ抜けていい。『スラムドッグ』よりも好き」


てるお 「映画の魅力って観客が非現実な空間を疑似体験できることなんだろうけど、これこそ“体験できる映画”だと思う


たくお 「アウトドアと縁のない人ならまず遭遇しないアクシデントを映画を通して“体験する怖さ”を味わわせる。追体験できるようなっているのが見事だよ」


ブルーレイ&シネマ一直線

てるお 「右腕を自ら切断して助かった男の話なんて、普通なら後味悪いはずなのにそうなってないのもいい」


たくお 「ちゃんとエンターテインメントとして昇華させてるし、最後は感動で終わらせる


てるお 「冒頭15分は途中で出会った女の子2人と渓谷のプールに飛び込んではしゃいでるアーロンの姿を映しているんだけど、なんだか自分もガイドに案内されているような、どこか高揚感に浸れる演出がされていてそれがまた実に楽しいんだよ」


たくお 「アーロン本人は『自然はいつ何が起こるか分からないからあんな渓谷に飛び込むようなことは絶対にしない』と言ってるけどね」


てるお 「あそこは映画用に加えられたエピソードでしょ。自然を甘く見ているととんでもないしっぺ返しを食らっちゃいますよー!みたいな(笑)


ブルーレイ&シネマ一直線

たくお 「すごいと思ったのは事故に遭う前と後の演出の変化。騒々しい都会描写やアーロンがマウンテンバイクで岩を駆け下りるオープニングは、分割画面などを駆使してアップテンポな演出で一気に魅せる。でも彼が谷底に落ちてからは一転して、張りつめた空気が漂う


てるお 「OPはボイル監督お得意の『スラムドッグ』チックなMTV演出でグイグイ攻めまくる(笑)。で、アーロンが岩に手を挟まれて身動きが取れなくなった瞬間、タイトル『127 Hours』が。『おおっ!ここから127時間のドラマが始まるのか』とこっちも座り直して身構えてしまう(笑)


ブルーレイ&シネマ一直線

たくお 「そこから目を背けたくなるような究極のサバイバル・シーンが描かれていく」


てるお 「鑑賞中、観てる方はアーロンに感情移入していき、徐々に同化していくんだけど、『あなただったらどうする?』と試されてるようで、否応にも感情を揺さぶられるんだよね


たくお 「死んだほうがラクと思いたくなるような激痛を味わいながら自分で腕を切り落とすか、諦めて死を選ぶか」


てるお 「まさに究極の選択。持っていたロープで首くくったほうがラクかもと思っちゃうよな。いっそのことジェイソンに背後からナタでバッサリとやられた方がマシ(笑)


たくお 「アーロンの身に何か起こるたびに思わず声が出ちゃうんだよ」


てるお 「『ワッ』『イタッ!』『ええ~っ』の連発。とくに『イタッ』って何回つぶやいたことか(笑)」


ブルーレイ&シネマ一直線

たくお 「そこからフランコの壮絶な一人芝居が始まる。本編の大半はフランコとビデオカメラと岩だけ」


てるお 「これで90分もどうやってもたせるんだと思ったけど、そこはさすがボイル監督、最後まで飽きさせない工夫をしている」


たくお 「アーロン本人は最初からドキュメンタリー映画にするつもりで、劇映画化は全く考えてなかったとか」


てるお 「原作に夢中になった監督はアーロンに何度もアプローチしたけどなかなかOKの返事をもらえなかったらしい」


たくお 「でも『スラムドッグ』でオスカーを獲ったことと監督の情熱についに折れた」


てるお 「原作ではアーロンの半生もけっこう書かれてるんだけど、監督は渓谷シーンにしか興味がなかったとか。映画ではむしろその超絶なサバイバルに力を入れている


たくお 「時折、挟み込まれるアーロンの人生ドラマの場面はいたってシンプルに流されてるよね」


てるお 「でも、自分もあんな目に遭ったら、家族や恋人、友人のことばっかり考えていると思う。だからあの時の主人公の気持ちが痛いほど分かる」


ブルーレイ&シネマ一直線


たくお 「あの時、母親からの電話に出ていれば、ちゃんと行き先を伝えていれば、という激しい後悔が襲ってくる気持ちも分かるなあ」


てるお 「ビデオカメラやナイフ、水、ロープといったアイテムがポイントとなっていて、ストーリーにも抜群の効果を発揮している


たくお 「とくに水。水筒からアーロンの口に少しずつ流れていく貴重な水が大げさ、かつリアルに描写されているので、観ているこっちも自然と喉が渇いてくる錯覚を覚えるんだよ


てるお 「アーロンがついさっきまでキャーキャーはしゃぎながら楽しんでた女の子2人と今頃パーティで冷たいコーラをガブ飲みしてるんだろうなあ~、と想像している場面なんか監督のイジのワルさが露骨に出てたよな。『オラオラ~、こっちには冷たいドリンクが待ってるぞ~』みたいな(笑)」


たくお 「いよいよ命綱の水が尽き、アーロンはついには自分の尿を口にしてしまう」


てるお 「ストロー口から吸い上げられる尿をあんな画面いっぱいに大写しにしなくても、と思ったけど(笑)


たくお 「キャ~~、尿が迫ってくる~~(笑)。なんか臭いまで伝わってきそうな強烈な描写だったな


てるお 「でも突如、激しい雷雨に襲われ、喉の渇きを癒してくれたかと思いきや、今度は濁流であやうく溺れ死にそうになる」


たくお 「で、そのおかげで手が奇跡的に岩から抜け、助かったと思ったら・・・・やっぱり夢だった」


てるお 「あの夢のシーンは実話なの? それともあそこも監督のイジメ?(笑)


たくお 「監督のイジメでしょ(笑)


ブルーレイ&シネマ一直線

てるお 「目を覚ましたくない瞬間だったろうなあ、あの場面は(笑)。いや、笑い事じゃないんだろうけど」


たくお 「男として『それ分かる!』と思ったのが、ビデオカメラに収められたガイドした女の子の映像を観て、アーロンが自慰行為をしようとする場面」


てるお 「手を挟まれてソレどころじゃないのに、そういう欲求だけはどうしても出ちゃうのがオトコの悲しい性」


たくお 「事故直後はナイフで岩を削ったり、ロープを使って岩を持ち上げようしたり、アーロンがTVショーをマネてカメラに向かっておどけて喋ったりなど“希望的観測”がまだあって、時折、コミカルな描写があるんだけど、腕を切断するしか助かる方法がないと分かると緊迫感が高まり、シリアス度も増していく


てるお 「何とかしたくても何もできない極限状況を迎える人間の心理描写が実にウマく描かれているよね


たくお 「で、アーロンはついに“究極の決断”を・・・・」


てるお 「あのシーンはどのホラー映画よりも怖いよ。ホラーでの首チョンパとか惨殺描写って基本的にギャグだから笑える部分もあるんだけど、本作はそうじゃないからね」


たくお 「まずベルトで止血して、切れにくいナイフで少しずつ・・・・・というのがもうイヤ」


てるお 「ナイフが骨に達する描写をご丁寧にも断面図で描いてくれちゃって・・・・。ボイル監督は“ドS人間”と見た(笑)」


たくお 「神経を切った時の“キーン!”もすごくイヤ! リアルに痛いのが伝わってきて


てるお 「俺もよくあるよ、キーン。アイスを食べ過ぎると頭が痛くなるアレ」


たくお 「バカか、君は」


てるお 「あのシーンで海外の映画祭では退席した人や気絶した観客もいたらしいとか」


たくお 「監督はそういうネガなネタで話題にされるのが一番困ると言ってるけどね」


てるお 「でもそうさせてるのは監督さん、アナタですから!」


ブルーレイ&シネマ一直線

たくお 「アーロンが自分に『気を失うな』と何度も言い聞かせるシーンは、むしろ観客に対して言っているみたいだね」


てるお 「映画では90分でまとめられてるけど、実際に5日と7時間を誰も通らない谷底で腕の切断を強いられたアーロン本人の苦しみは想像を絶する


たくお 「彼のその苦しみを少しでも観客に分かってもらうために、オスカーの司会では大不評だったフランコは熱演以上の熱演で魅せてくれる(笑)」


てるお 「苦しみ、悲しみ、後悔、緊張・・・・。観てるこっちもフランコと同様に息苦しくなってくるんだよ


たくお 「フランコと一緒になってもがいている自分がいる(笑)。“感情移入”以上の演技で存在感を十分過ぎるほどアピールしたフランコはマジで素晴らしかった


てるお 「でもボイル監督は最初の打ち合わせでのフランコの第一印象は最悪だったみたいよ。『彼はヤクでラリってんじゃねえのか?』だって」


たくお 「本当にラリってたんじゃないの? でなきゃあんな演技できないでしょ(笑)」 ※もちろんラリってません


ブルーレイ&シネマ一直線

てるお 「ラストなんて血みどろで顔真っ青な完全にゾンビ状態(笑)。監督はあそこだけ絶対に『28日後…』を求めてたよな


たくお 「普通なら恋人や家族のために生還しようとか、取って付けたようなドラマを描きそうなんだけど、ボイル監督はそんな胡散臭い描写は一切してないのがいい」


てるお 「絶望的な状況に置かれたアーロンはどんなことをしてもただ生きて戻りたいだけ。その生への執着は凄まじいものがある」


たくお 「本作は他人との交流をどこか面倒がってた彼が、もう1度社会に戻って人との繋がりを求めようとする強い意志を描いているんだと思う


てるお 「狭い岸壁に挟まれ助けを呼ぶアーロンをカメラが引いていくと、誰一人いない静かなキャニオンが広がっているだけ。これまで自分が当たり前のようにいた社会からの隔絶を暗示している」


たくお 「このシンプルなストーリーをこれだけ深みのある作品にしたボイル監督の手腕はすごいわな


てるお 「そしてストレートに響いてくるものがある」


たくお 「腕を斬り落として渓谷から脱出できたアーロンは、泥水を見つけてゴクゴクと飲む。生への実感が伝わってくる感動的なシーンやね(泣)」


ブルーレイ&シネマ一直線

てるお 「ヘリで救助されるラストでは思わず泣いちゃったよ。こっちはアーロンと同化しちゃってるんで、生還した時の歓喜が伝わってきちゃって・・・・


たくお 「家族や友人、恋人が一堂に会するエンディングでも目頭が熱くなった」


てるお 「すごいなと思ったのは、アーロンが自然に対して少しの恨みも抱いていないこと。『あの岩はずっと前から落ちる僕を待ってたんだ』というセリフにグサッときたね


たくお 「あの事故後、右腕を焼いた灰を事故現場の岩にまいた行動はアーロン本人の人柄が表れている」


てるお 「観ている間はずっと力が入りっぱなしだったけど、ラストは希望に満ちたエンディングで見事に締めくくるのがまたいい」


たくお 「これぞ生ける人間のドラマ! ちゅーやつだね。『キャスト・アウェイ』と並ぶ究極の“一人芝居サバイバル映画”だよ」


てるお 「『別に人に迷惑をかけてないんだからオレはオレの人生をまっしぐらさ!』と、迷惑をかけてることに気づかないでオレ流の生き方を貫いてる人にこそ観てほしい」


たくお 「自分の人生なんて、実はまわりの迷惑や気遣いで成り立ってるってことだって意外と気づかないもんだよ」


てるお 「“人”という字は人と人が支え合ってできているんです!」


たくお 「そこで金八かよ(笑)」


ブルーレイ&シネマ一直線



●『127時間』満足度料金

てるお  1200

たくお  1300円



『127時間』 ★★★★










127時間 (小学館文庫)/アーロン・ラルストン
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アーロン・ラルストン 奇跡の6日間/アーロン ラルストン
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ブロマイド写真★ジェームズ・フランコ『127時間』/岩場で見上げる/シネマインク
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コメント

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12 ■>tomocoさん



コメントありがとうございました。

ボイル監督の演出に圧倒されました。
あの映像センスも素晴らしいです。

時間を置いて、もう1度見てみたい。

11 ■>ゴッサムさん


あの妄想パーティのシーンも
監督のイジメだと思いました(笑)。

でもあの女の子たちと楽しくやってたら・・・・とか
やっぱり思うんでしょうね。

フランコの熱演なくして
本作は成立しませんよね!

10 ■>とっちゃんさん

コメントありがとうございました。

そう言っていただけると
語り甲斐があります。うれしいー(≡^∇^≡)

9 ■>seinochanさん


自分に置き替えると
かなり怖い作品だなと思いました。

人生ってどんな時にどんなハプニングが
待ち受けるか分かりませんね。

8 ■>ありささん



今後も愛のある作品には愛を込め
そうでない作品はブッた斬っていきますんで
よろしくお願いします。(笑)

7 ■>スローライフマンさん



主人公に感情移入させるのがうまいですよね。
演出も完璧でした!

6 ■TBありがとうございます♪

たいむぽっかんさん、初めまして☆
トークショー形式の感想、面白いですね。

>普通なら後味悪いはずなのにそうなってないのもいい
>最後は感動で終わらせる

さすがダニー・ボイル、冒頭から引き込まれました♪
どうぞよろしくお願いします(*^▽^*)

5 ■127時間

ダニー・ボイルの演出とジェームズ・フランコの喜怒哀楽の演技が見事で素晴らしい映画でした。おもわず泣いてしまいました。面白かったのは途中女子2人に出会いパーティに誘われるフランコですが岩に挟まれもちろん行けなくなり気の毒と思ったのですが、ちゃんと妄想でパーティーに行ってたりしたのはよかったと思いましたw

4 ■無題

コメントありがとうございます(*^^*)

ブログ拝見しました!
すごく詳しく分析&解説(?)されていて、
まるでもう一度映画を観ているような感覚になれました☆

3 ■はじめまして

コメントありがとうございます!

本当にすごい映画でしたね。
助かるためとはいえ、自分の腕を切ってしまうなんて。。。
映画を見終わった後も、自分だったらどうするだろうって考えちゃいましたね。

2 ■無題

コメントありがとうございました!
ぶっちゃけシネトークという企画はとてもおもしろいですね(^^)!

1 ■無題


TBありがとうございました。
痛々しい映画でしたけど胸を打たれましたね。
私も主人公に同化しちゃいましたよ!

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