2001年の強靭な酸 | 緑家のリースリング日記 ~Probieren geht über Studieren~

2001年の強靭な酸

先日グリュンハウスの2002年産ヘレンベルク・シュペートレーゼ・トロッケンを様子見に開けてみたが
飲み頃にはもう少し時間がかかりそうな印象だった。では酸の強かった2001年産は?って事で
お向かいさんであるカルトホイザーホーフ醸造所の2001年産シュペートレーゼ・トロッケンを開けてみた。
予想としては良いも悪いも果実味次第。そう言えば4年半前に開けたカビネット半辛口は良い感じだったっけ。

それにしても久しぶりだなぁ、カルトホイザーホーフ。
以前は我が家の定番リースリングの一角を占めていた贔屓の造り手だったのだが
先代のクリストフ・ティレル親仁さんの引退を前に、エティケットのデザインが改悪されて以来
なんか妙に新しいのを買う気が失せてしまって...。まぁ在庫だけはタンマリあるので
この先買わずとも、飲めなくなる年頃までボツボツ消費して行くぶんには何の不自由も無さそうではある。


ザラメのような酒石が1つ、ポツンとコルクに付着。外観は若々しく、緑がかったレモンイエロー。
鉱物や腐葉土を感じさせる土臭い複雑感のある香りで、熟した黄色いフルーツのニュアンスも未だしっかりと残る
程好い熟成香。スワーリングすると鉛筆の芯やペトロールの香りも。

口当たりは非常に穏やかで、酸は柔らかく果実味はスマート。一瞬白い花の高貴なニュアンスが...いや幻か?
上品な酸はスーッと綺麗に伸びるが過度に主張せず
柑橘の薄皮や夏蜜柑のようなホロ苦いミネラル味とともに余韻に長く持続する。しっかりとドライな造り。
各要素の一体感、ルーヴァー産らしい素朴さの中にも凛とした気品が感じられ、綺麗に熟成している。

12年半ほど前に開けた際はバラバラに主張していた各要素が見事に纏まりを見せ
酸は強さ・キレの良さから質の良い伸びへ、厚みのあったボディは無駄の無い最小限の肉付きへと変貌。
そして衰える事の無いミネラル感。
もちろんまだまだ潮時って感じでもないし、逆にもっと枯れて本格的に古酒っぽくなっても悪くない気がする。

2日目、3日目も伸びの良い綺麗な酸はますます力強さとキレを増し、12年半前を彷彿とさせる存在感。
若いリースリングも良いけど、たまにはこんなのも良いなぁ。
こういうのを知ってしまうと、辛口でも熟成させる価値は充分あると思う。86→87/100

2001 Eitelsbacher Karthaeuserhofberg Riesling Spaetlese trocken
Weingut Karthaeuserhof (Trier-Eitelsbach/Ruwer)

A P Nr 3 561 303-08-02,Alc 11%vol,12.00€