毎年暮れには「今年のマイベスト」投稿がネットワールドを賑わしますね。
私もご他聞に漏れず挙げてみようと思います。
基本的に順不同ですが、ベストワンだけはとにかく自分としてはぶっちぎりのものだったので、それをまず挙げます。

VESNA / BABOOSHKI

今年の、と言うかここ数年のベストと言ってもいいくらいに気に入っています。ポーランドとウクライナの民謡をヴォーカルジャズにアレンジした作品で、両国から一人ずつ女性ヴォーカルが参加していて、その彼女らがリーダーです。アレンジが素晴らしいとか色々音楽的にも触れるべきところはたくさんあるのですが、何と言ってもポップなのが良いです。BABOOSHKIはこれがセカンドなのですが、一枚目もまあまあでしたが本作でほんと化けました。
参考音源ようつべにあがってますので、試しに聴いてみて下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=Xbvfzi5AoDk

それでは以下9枚どうぞ。
例によって年の後半はやるべきイヴェントなどが目白押しだったので、CDの購入がほとんど出来ず、不完全な「年間ベスト」です。
青は新作、赤は発掘音源系。
うーむ、われながら今年はかなり聴いていないですね・・・・

シマノフスキ SZYMANOWSKI / RGG(チェシチ!レコーズ)
MOMENTS / SLAWEK JASKULKE
NEAR A FOREST / POLISH JAZZ QUARTET
KOMEDA / OBARA INTERNATIONAL
JAZZ I ORKIESTRA / MICHAL WROBLEWSKI
ARYTHMIC PERFECTION VOL.1 - RITE OF SPRING VARIATION / JERZY MAZZOLL & TOMASZ SROCZYNSKI
ETHNO UGOR - JEDNA EUROPA WIELE KULTUR 2 / MERCEDES PEON,WARSAW VILLAGE BAND,AIRTIST & PABLOPAVO I PRACZAS


POLISH RADIO JAZZ ARCHIVES VOL.5 / ANDRZEJ TRZASKOWSKI
ROAD TAPES #2 VENUE / FRANK ZAPPA & MOTHERS
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しつこいですけどみなさん、ポーランド映画祭2013、行ってますか~?
ちゃんとチェックしてますか?
http://www.polandfilmfes.com/

今日は今回のポラ映祭の20本強の作品のうち、脇役なども合わせると5~6本出ている「東欧のジェームス・ディーン」ことズビグニェフ・ツィブルスキ Zbigniew Cybulskiについて見所をご紹介します。

ツィブルスキと言うと何と言ってもアンジェイ・ワイダ(ヴァイダ)の超名作『灰とダイアモンド』の、最後に撃たれて野垂れ死ぬ若者マチェクの印象が強いですね。
確かにこの作品における彼の刹那的なムードを漂わせた青年像は鮮烈なのですが、私個人は最初観た時「そんなに演技巧くないような・・・・?何でこんなに評価されているんだろう」と感じたのも正直なところです。

しかし、今回の映画祭で集中的にたくさんの作品を観て、彼が登場するたびに驚きを隠せませんでした。
外国人美女とポーランド人青年の悲恋の物語『さよなら、また明日』での気弱な主人公、主役の少年の過酷な境遇に重苦しくひりひりした感情を逆撫でされる『沈黙』で現われるマチズモ全開の中尉。
ヴォイチェフ・イェジー(イェジ)・ハスの絢爛豪華な幻想絵巻『サラゴサの写本』で、次々と目の前に現われる色欲と死のにおいにまみれた障害に振りまわされる剣豪の息子。
名作『夜行列車』で未練たらしくヒロインをひたすら追って来る青年、などなど。

『サルト』はまだ観ていないのですが、どの役も全く違うタイプで、見せる表情も違い、特に脇役の時にそうなのですが、何と言うか登場してしばらくしてから「あ、これツィブルスキか!」と気づかされるくらい巧みに役にはまりこんでいるのですね。
人って色んな顔や外見があるようでいて実は結構似たり寄ったりなのですが、それを判別するのは大きなつくりの違いではなくて、凄く微妙な違いだということを彼はよく理解しているのではないでしょうか。
実際劇場販売パンフレットの中の遠山純生さんの解説では、『さよなら~』のヤヌシュ・モルゲンシュテルン監督は『灰とダイヤモンド』で成功した後だけに、ツィブルスキの演技がそれを引きずっていないか心配したけれど、杞憂だったということです。

今回の映画祭みたいに何作か重ねて観て初めて判る、彼のカメレオン俳優ぶり。
やっぱり彼は凄い俳優だったのですね。
しかし、亡くなったのが電車に飛び乗ろうとして失敗したって。
『夜行列車』で何度も電車にしがみついていたじゃないですか・・・・。
ツッコミ入れたくなっちゃいます。
映画大学に遅刻しそうになって何度もトラムから飛び降り、『不戦勝』でスタントなしで走る列車から飛び降りてみせたスコリモフスキのようにはいかなかったんですね。
今回のカメレオンぶりを知り、改めて早過ぎる死が残念に思えました。
どうでもいいですけど、ポーランド映画って本当にたくさん鉄道が出て来ます。
鉄ちゃんの方とかも観に来ると楽しめるのじゃないでしょうか。
この辺は「なぜ鉄道の登場シーンが多いのか」調べる価値もありそうです。

というわけでみなさん、この記事で挙げた映画ともども、ぜひぜひ彼の名演技やその他作品なんかも観に来て下さいね~♪
12/13までです!
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みなさん、ポーランド映画祭2013、行ってますか~?
チェックはして気になってるけど、行ってないって方、絶対的に素晴らしい作品ばかりなので行った方がいいですよ♪
http://www.polandfilmfes.com/

さて、今回のプログラムではアンジェイ・ワイダ(ヴァイダ)の主要作を中心にしていることも話題の一つとなっています。
その中でも目玉は『大理石の男』『鉄の男』という「男2部作」でしょう。
ポーランドという国が政治的に非常な緊張に包まれていた時期にワイダが命を(監督生命を、ではなく文字通り人間としての命を)賭けて制作された両作のパワーは見る者を圧倒します。
ポーランド現代史を勉強してから観ると、さぞやひしひしと押し迫るものがあり、よりこの映画を楽しめるのでしょう。

しかしここではもう一つ違う視点からこの2つの作品を見てみる、というのを提案したいです。
たぶん、おおかたの「女性」は、私がここで提案せずとも自然とそういう角度から観ていると思います。

その切り口とは、ポーランドの名女優クルィスティナ・ヤンダ演じるヒロイン、アグニェシュカの女性としての変貌です。
アグニェシュカたん、『大理石の男』ではガンガン煙草を吸い、男を蹴飛ばす、偉い監督の車にエラソーな格好で足をかけメンチを切る、老撮影技師をこき使うなどなどパワフルな行動でやりたい放題です。
いわゆる「女性らしい女性」とは全くかけ離れています、じゃじゃ馬です。
近くにこんな女子がいたら怖いな~、振り回されそうだなあ。
でも、その彼女のエネルギッシュな行動がこの映画に絶妙のスピード感をもたらしています。
野心でギラギラする若い女性の真っ直ぐなパワーに爽快感を抱く人はきっと男女ともたくさんいることでしょう。
また、アンジェイ・コジンスキによるカッコいいジャズロックな映画音楽も、そんな彼女の「やったるで!」パワーをストレートに表現しているようで、特に冒頭のトラックはこの魅力的なヒロインの「困難が何ぼのもんじゃい!」みたいな負けん気が乗り移ったような気持ちいい高揚感があると思います。
(*ちなみに女声コーラス担当はポーランドの人気コーラスグループAlibabki アリバプキ)
過去と現在の映像が入れ子構造になり、何が本当なのか微妙にあいまいに描かれる構成は、作品作りを急ぐアグニェシュカの焦燥感を観客にも感じさせますが、全体として骨太な印象があるのは、やはりヒロインのどこまでも突き進むキャラクターゆえでしょう。
「鉄の女」と称しても良さそうなガンガンの押しっぷりです。

しかし、続く『鉄の男』では前作『大理石の男』の息子ビルクートと結ばれ子も産んだアグニェシュカがあっと驚くキャラとなって、物語の終盤に再登場します。
彼女はすっかり大人の落ち着いた女性へと変貌し、本作の裏・主人公とも言える旧知のアル中記者にその熱愛ぶりを語り、「彼に会った瞬間、この人の子を産みたいと思った」とまで言います。
いわゆる「女らしい女」への、あまりにも鮮やかな変貌。
そして、もともと重苦しいノリであった本作が、彼女のその変貌を観客に知らしめるあたりから途端に失速するように思えるのです。
人当たりもかなりやわらかくなり、シンプルなスカート姿で、まあいわゆる「女性としての魅力」というのは増したのかも知れませんが、『大理石』でのあの圧倒的なキャラ立ちを知っていると「え~、これってないよ!普通の女になっちゃったじゃん!」と感じちゃいます。
と言うか、誰もが(特に男性が)作り上げている「女性像」というのが一つの物語の中でこれほどつまらなく見える例もなかなかありません。
その「落差」はきっとこの2部作を続けて観ることでより鮮明に感じられると思うので、ぜひぜひ腰をすえて観て下さい。
アグニェシュカの変貌ぶりが、ワイダの意図せぬところで現代の日本社会に生きる私たちに物凄く深く考えさせるという効果を生んでいますし、また、いわゆる一般像としての魅力的なかわいい女性ではなくて本当の意味で規格外な女性キャラというのが物語においていかに大事なのか、ということもよくわかると思います。

上映の機会は12/9の朝11時からと、12/12の15時からの2回あります!
ぜひぜひ!
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PMF 
今ポラ表 
今ポラ裏 

(↑の画像3枚のうち下2枚は「今ポラ」のオフィシャルフライヤーです。
わたくしオラシオがリード文と来日メンバーのプロフィールを書いております。
お手に取る機会がございましたら、どうぞ熟読して下さいませ!)


 
協力:Adam Mickiewicz Institute アダム・ミツキェヴィチ・インスティテュート

ポーランド発の、素晴らしい音楽イヴェントが10月下旬に行われますのでご紹介致します!
主催者の内橋和久さんより直接ご依頼をいただき、このプロジェクトに少し関わることになりました。
音楽先進国ポーランドからインプロ/オルタナ系の優れた演奏家を大挙呼び寄せ、日本勢と様々な組み合わせで即興演奏を展開するという実に実に刺激的で「未知のものに踏み込む楽しさ」に満ちたライヴプロジェクト「今ポーランドがおもしろい#2」。
01年に初めてポーランドで演奏した内橋さんは以後積極的にこの国のジャズシーンに関わって行くことになり、現地のミュージシャンとの共演盤などもあります。
2011年に行われた#1に続いて、2年ぶりの再開で、さらにスケールアップしています!

10/23-24新宿、10/26大阪、10/27京都での公演が予定されています。
日本勢はそれぞれの日でメンバーが変わります。
ライヴインフォは情報入り次第その都度付け加えて行きます。
オラシオもこの素晴らしいプロジェクトに便乗してCDコンサートのようなイヴェントをやるかも知れません。
その時はよろしくお願いします。

9/30追記
ジャズ批評サイト「JAZZ TOKYO」にジャズ評論家横井一江氏による内橋和久インタヴューが掲載されました。
話題はもちろん今回の「今ポラ」や彼の目から見た、ポーランドの音楽シーンの生の姿です。
今ポラへのワクワクをふくらまされるのはもちろんのこと、貴重なポーランドシーンのありようが語られた大変に興味深い内容となっていますので、ぜひご覧ください。

http://www.jazztokyo.com/interview/interview120.html

新宿公演 10/23-24

ポーランド勢

Jurek Rogiewicz ユレク・ロギェヴィッチ
& Piotr Domagalski ピョトル・ドマガルスキ


近藤等則と共演したショパンの「練習曲集」のヴァリエイション『Chopin Shuffle』で知られ、来日経験もあるピアノトリオLevityのリズムセクション。フラミンゴジャケのファーストは正統派ピアノトリオファンに人気が高い。
Jerzy Mazzoll イェジー・マゾル(cl,bcl)
90年代初頭、民主化直後のポーランドジャズシーンを華やかに彩ったミクスチュアジャズYassの中心人物であり、ヒーローの一人。長期間沈黙を続けていましたが、昨年から怒涛のリリースラッシュで見事復活!最新作はヴァイオリンのTomasz Sroczyński トマシュ・ストロチンスキと組んだストラヴィンスキー「春の祭典」のカヴァー『Rite of Spring Variation』。
Wacław Zimpel ヴァツワフ・ジンペル(cl,acl)
Mazzoll2世とも言えそうなヴァーサタイルで多才なクラリネット奏者。この人もご他聞に漏れずアルバムや参加プロジェクトが数多いワーカホリック。最新作はメインストリーム系のバンドSoundcheckのピアニストKrzysztof Dys クシシュトフ・ディスを迎えた『Stone Fog』。
Michał Górczyński ミハウ・グルチンスキ(cl,bcl)
クラシックレーベルDUXからバスクラ協奏曲の録音もリリースしている、超絶技巧の若手。他にも、ヒューマンビートボックスとのデュオユニットZooPlanや本プロジェクトの主催者内橋とのウィーンデュオライヴアルバムなど。
DJ Lenar DJレナル(turntable)
先鋭的なミックスセンスで高い評価を集めているターンテーブルの鬼才。アンビエントな居心地の良い音空間の中にざらついた違和感に満ちたノイズをひそませる手腕に、甘美な官能を刺激されること請け合い。ギタリストのRaphael Roginski ラファエル・ロギンスキとのデュオユニットSisters『The Mono』がオススメ。
Maciej Obara マチェイ・オバラ(as)
9月の東京ジャズ2013に、ポーランドの伝説的ジャズ作曲家Krzysztof Komeda クシシュトフ・コメダのカヴァープロジェクトObara Internationalで来日公演する現代ポーランドのアルトサックスを牽引する鬼才。Tomasz Stanko トマシュ・スタンコのユニットTerminal 7などにも参加し、次世代のスターとしての評価が確実に高まって来ている有望株。新設レーベルFor Tuneよりリリースされた上記Obara International名義の『Komeda』が最新作。
Dagna Sadkowska ダグナ・サトコフスカ(vln)
先鋭的なプログラムで知られる現代音楽クァルテットKwartludiumのメンバーの女性ヴァイオリニスト。最新作はライヴ音源も併録した同ユニットの『Kwartuludium & Scanner』(DUX)。

日本勢

23日「ちょっとエレクトリック・ナイト」
芳垣安洋(ds)
坪口昌恭(electric modified piano)
広瀬淳二(sax)
カール・ストーン(laptop)
吉田達也(ds)
内橋和久(eg,daxophone)


24日「かなりアコースティック・ナイト」
梅津和時(cl,sax)
坂田明(cl,sax)
八木美知依(箏)
高良久美子(vib)
田中徳崇(ds)
内橋和久(eg,daxophone)

料金は各日前売り3500円/当日4000円・両日通し前売り6500円/当日7000円
また23日の15時から(14時半開場)昼の部で内橋&グルチンスキのデュオライヴ(2500円・夜の部チケット持参の場合は500円引き)も行われます。
新宿ピットインのオフィシャルページはコチラ → http://www.pit-inn.com/topics_j.html

大阪公演 10/26

ポーランド勢
上記8人全員!

日本勢
内橋和久(eg,daxophone)
稲田誠(eb.wb)
半野田拓(?)
木村文彦(perc)

コーポ北加賀屋 http://coop-kitakagaya.blogspot.jp/
開場 19:00/ 開演 19:30/
料金3000円
〒559-0011
大阪市住之江区北加賀屋5-4-12

京都公演 10/27

ポーランド勢
Piotr Domagalski(wb.eb)
Waclaw Zimpel(a-cl)
Maciej Obara(as)


日本勢
内橋和久(eg,daxophone,etc)
中村哲也(eg,etc)
吉濱翔(laptop)

Zac Baran http://www.zacbaran.net/about.html
〒606-8392 京都府京都市左京区聖護院山王町18  メタボ岡崎B1F
開場19:00/開演19:30/料金2500円

ジャズの「一般離れ」がささやかれて久しいですよね。
でも、世界トップクラスの音楽先進国ポーランドでは、ジャズは若者にもとても人気があり、毎日のようにジャズの番組がテレビで放映され、数々のジャズフェスが開催されており、少なくともこの日本よりはるかに愛されている音楽だと言えるでしょう。
そうした音楽環境の立役者の最たるものが、来月前半に3度目の来日を果たすバンドPink Freud ピンク・フロイトです!
くれぐれもご注意、イギリスの名プログレバンドPink Floyd ピンク・フロイドではないですよ♪
ジャズにパンクやエレクトロニカ、ロック、ファンク、民俗音楽などの色んな要素をぶち込んでグイグイ腰に来るビートとポップなメロディ、恐ろしく複雑な曲構成をハピネスに満ちたパフォーマンスで駆け抜けるこのバンドは、若者に圧倒的な人気を誇り、ジャズ大国ポーランドの中でも非常に高い評価も得ている稀有なバンドなのです。
私は、「ジャズが非ジャズリスナーに聴かれるということ」のある種の理想を体現したのがこのバンドだと思っています。

Pink Freudについてはホームページもあります↓
http://www.pinkfreud.art.pl/

彼らについては、他にも詳しくご紹介下さっているブログがありますので、そちらもどうぞ!
Muzyka Polska ~ポーランド音楽が好き~
http://muzykapolskamuzyka.blogspot.jp/2013/08/pink-freud.html
http://muzykapolskamuzyka.blogspot.jp/2013/09/pink-freud.html

とにかく楽しいんだな、彼らのライヴは。
今回のライヴスケジュールは下記の通り。
それぞれリンク先でご覧ください。

10/9 Japoland Groove at 代官山UNIT
http://www.unit-tokyo.com/schedule/2013/10/09/131009_pinkfreud.php

10/10 Heavy International at 渋谷nest
http://shibuya-o.com/nest/2013/10

10/12 at 原宿ngorongoro
http://www.ngorongoro.jp/


各メンバーについても紹介しておきましょう!

Wojtek Mazolewski ヴォイテク・マゾレフスキ
ベース奏者。ピンクの現リーダー。イケメンかつバカテク、ロックスターのムードを持つ稀有のジャズミュージシャンです。ピンクと並行して自身のクィンテットなど数々のプロジェクトで演奏する超多忙なアーティストでもあります。アメリカでも徐々にベース奏者としての評価が高まってきており、トランペット奏者Dennis Gonzalesとの共演盤なども録音しています。90年代前半から若者を中心に盛り上がったYASSというミクスチュアジャズから育った時代の申し子。

Tomasz Duda トマシュ・ドゥダ
えーと、トメクは残念ながら今回は来日しないようです。が、一応紹介。前衛音楽やエクスペリメンタルなインプロヴィゼイションシーンでも高い評価を得るバリトンサックス&フルート奏者。「そちら系」のアルバムに数多く参加しています。ひたすら明るい若者ノリの他の3人にくらべ、知的で物静かな風貌ですが、アヴァンギャルドな音響を吹きまくりピンクサウンドに独特の毒を加えている、なくてはならない存在なのです。

Adam Milwiw-Baron アダム・ミルヴィフ=バロン
トランペット。お父さんはポーランドジャズシーンのカリスマの一人、サックス奏者のPiotr Baron ピォトル・バロン。ゴリゴリスピリチュアルモードで爆走する父Piotrのバンドと、現代風のサウンドの最先端を走るこのピンクをかけもちし見事にプレイを使い分けている、今のポーランドシーンのキープレイヤーの一人。お話したところでは、お父さんを大変に尊敬しているそうです。

Rafal Klimczuk ラファウ・クリムチュク
ピンクが複雑な曲構成をものともせず、観客をダンサーと化す陽性のグルーヴで突っ走り続けられるのは、このラファウの素晴らしいドラミングがあるからこそ。確かなテクニックを軸に常にロックスピリットに溢れたビートをバンドサウンドに与え続けるところは、イギリスの超絶プログレバンドGentle GiantのドラマーJohn Weathersに似ているかなあ。話してみるとムッチャいい人で、その人柄がプレイに表れているようなドラマーですね。
ポーランドヴォーカル界最高のスターの一人ANNA MARIA JOPEK アンナ・マリア・ヨペクが通算5度目の来日を果たします。
10/5ブルーノート東京で、たった一夜だけのスペシャルライヴを行うのです。
初めての方のために、今回はANNA MARIAを初めとしたバンドメンバー全員の紹介をしたいと思います。
えっと、最初に言っておきます。
今回のコンサートの最大の肝はドラムのスーパーテクニシャンCEZARY KONRAD ツェザルィ・コンラトだと私は思っています。
世界トップクラスのウルトラテクニックと啖呵を切るような壮快かつ豪快なドラミングが持ち味の、ポーランド最強のドラマーなのです。

ブルーノート公演についてはこちら↓
http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/anna-maria-jopek/

また、今回プレライヴとして、代官山のレストランAnjinで30分程度のミニライヴとサイン会も行われるそうです。
そちらの情報は↓
http://tsite.jp/daikanyama/event/002406.html


Anna Maria Jopek アンナ・マリア・ヨペク
ヨーロッパのポップスコンペティションEurovisionにデビュー曲「Ale Jestem」で出場を果たし未来を嘱望されるポップスターとしてポーランドシーンに登場しましたがすぐジャズやトラッドを取り込んだ独自のサウンドへと方向転換、同国トップクラスのジャズミュージシャンたちと共演した『Bosa』や2枚組ライヴ『Szeptem』などを発表。現代ジャズ界が生んだ最高のワールドクラス&ジャンルレスアーティストPat Metheny パット・メセニーとの共作『Upojenie』で世界のファンの心を鷲掴みにしました。その後愛知万博で初来日。Branford Marsalis ブランフォード・マルサリス、Richard Bona リチャード・ボナ、Sting スティング、Gonzalo Rubalcaba ゴンサロ・ルバルカバらトップレヴェルの音楽家との共演・録音を重ねる一方で、小曽根真とのコラボ『Haiku』や彼の作品への参加、度々の来日など日本との距離も縮まっています。
代表作は『Farat』『Upojenie』『Polanna』などなど。
ホームページはこちら。日本語版もあるよ↓
http://www.annamariajopek.pl/

ちなみに、彼女の来日については私とは違う角度から詳しく紹介して下さっている方がいらっしゃいますので、併せてお知らせしておきます。この人も凄い人だなあああ~
Muzyka Polska ~ポーランドの音楽が好き~

Krzysztof Herdzin クシシュトフ・ヘルヂン
現代ポーランド最高のピアニスト、作編曲家の一人。ジャズに留まらず、オーケストラ編曲やポップス作品のプロデュースやアレンジ等々、その活動は非常に多岐に渡ります。デビュー作はドラムのJacek Pelc ヤツェク・ペルツの『City Jazz』。ポーランドの生ける伝説Zbigniew Namyslowski ズビグニェフ・ナミスウォフスキのバンド卒業生。マルチプレイヤーとしても桁外れの才能を持ち、Jopekのライヴでも民俗楽器の笛やパーカッション、ユーモラスなスキャットなどもこなし観客を楽しませてくれる真の天才です。
代表作はポーランドの映画やドラマの名曲をカヴァーした『Seriale,Seriale』やCezaryとの壮絶なバトルを演じた『Live in Tygmont』。
ホームページはこちら↓
http://www.herdzin.com.pl/

Marek Mapiorkowski マレク・ナピゥルコフスキ
ポーランドのギタリストの中でも特に評価の高い素晴らしいテクニシャン。親しみ深い風貌とちょっぴりユーモラスな足バタバタダンスから繰り広げられるマジカルで超絶技巧のフレージングにはきっと圧倒されるはず。トータルなサウンドヴィジョンと飛翔感を併せ持ったリーダー作『Nap』『Wolno』は共に国内で多数の賞に輝いた名作。以前Jopekバンドのコーラス担当だった美貌のシンガーDorota Miskiewicz ドロタ・ミシキェヴィチが彼の多重録音ギターとほとんど二人だけで作り上げた『Ale』も素晴らしい作品となっています。Cezary,KubiszynとのハードフュージョントリオKonKubiNapのライヴ盤もオススメ。
ホームページはこちら↓
http://www.mareknapiorkowski.com/

Robert Kubiszyn ロベルト・クビシン
物静かで知的なナイスガイにして、現代ポーランド最高の両刀ベース奏者の称号を欲しいままにする天才ミュージシャン。ベースソロによる美しいイントロから壮大なサウンドスペクタクルが広がって行く唯一のリーダー作『Before Sunrise』を初め、近年の国内の重要作にはほぼ全て参加しているようなモンスタープレイヤーです。鋭敏な耳と正確無比なフィンガリング、ポーランド人らしい躍動するリズムセンスを併せ持つその天才ぶりが買われ、Clarence Penn クラレンス・ペンらを擁したハーモニカ奏者Gregoire Maretのヨーロッパツアーバンドの正式メンバーに抜擢、Maretのアルバムにも一曲参加しています。
ホームページはこちら↓
http://www.robertkubiszyn.com/

Cezary Konrad ツェザルィ・コンラト
おそらくポーランドジャズ史上最高最強のドラマー。Vinnie ColaiutaとBilly Cobhamを足して2で割るのではなくかけたかのようなポリリズミックで変態的超絶テクニック、サウンドに喧嘩を売っているかのような猛烈なダイナミクスを突きつける独自のスタイルで、間違いなくドラムシーンで世界最先端を進むスーパープレイヤー。スタジオミュージシャンとしても引っ張りだこで、非常に数多くの名盤に参加しています。絶対に絶対に生で聴くべき!
ホームページはこちら↓
http://www.cezarykonrad.com/

Piotr Nazaruk ピォトル・ナザルク
固い結束を誇るJopek人脈の中でも古くから彼女を支えて来たサポートメンバー。優しい声質のヴォーカルに加え、フルートや弦楽器など巧みなマルチプレイでサウンドを彩ってくれます。Pat Metheny BandにおけるPedro Aznar ペドロ・アズナールみたいな重要な存在だと思って下さい。


さてさて、見に行きたくなりましたか?
私見では、Jopekは「セクシー」や「幻想的」ではなく大変にエモーショナルなシンガーだと思っています。
そして、自国の伝統音楽や母語をとりわけ大事にしていることにも注目です。
近年、自国のものであれ他国のものであれ、伝統音楽の要素を濃厚に、かつ非常に洗練された形でアップ・トゥ・デイトさせた音楽が躍進していますが、彼女の音楽もその波の中に含まれるべきものだと思います。
個人的にはMaria Schneider マリア・シュナイダーとの共演盤を作って欲しいのですが・・・。
彼女のサウンドは、それくらい「汎世界音楽」となり得る不思議な魅力に満ちています。
そんな彼女の「エモーショナル」さはきっとライヴでないと伝わりません。
とにかく巣晴らしい音楽が聴きたい方は、ぜひぜひお越し下さい。
10月1日にヤマハ銀座スタジオでピアニストのクリヤマコトが、ポーランド最高のトランペッターの一人Piotr Wojtasik ピォトル・ヴォイタシクと新鋭サックス奏者のSylwester Ostrowski スィルヴェステル・オストロフスキ(シルヴェスター・オストロフスキー)、アメリカのファーストコールの一人Essiet Okon Essiet エシエット・オコン・エシエットらを擁したクィンテット+ゲスト・ヴォーカリストに今話題のギラ・ジルカを迎えたスペシャル・プロジェクトでのライヴ「Just Music」を行います。
詳しくは↓のリンクでどうぞ!

http://www.yamaha.co.jp/yamahaginza/studio/eventdetail_8105.html

さて、このメンバーの中で、日本のファンに一番知られていないのはポーランドの二人であろうことは悲しいかな想像がつきます。
なので聴きに行きたいと思う方を増やすため、彼らのことを簡単に紹介させていただきます。

Piotr Wojtasik ピォトル・ヴォイタシク
Tomasz Stanko トマシュ・スタンコを継ぐ、現代ポーランドシーン最高のスターの一人。後にPower Bros.というレーベルを立ち上げるフルート奏者Krzysztof Popek クシシュトフ・ポペク率いるビッグバンドYoung Powerでデビューを飾り、Wojciech & Jacek ヴォイチェフ&ヤツェクのNiedziela ニェヂェラ兄弟とのバンドNew Presentationを経て、Power Bros.やPoloniaレーベルからリーダーアルバムを連発、巨匠たちの作品も含めた数々の名作に参加。今ポーランドでトランペットと言えばこの人!というくらいのビッグネームです。
代表作は現代音楽的室内楽編成と多国籍ジャズコンボによる『Circle』、Poloniaからの若さ溢れる疾走感抜群の『Piotr Wojtasik』、Dave LiebmanらジャズVIPたちとの共演を果たした『Hope』など。
参加作の多くの情報が見られるPower Bros.なんぞどうぞ。
http://www.powerbros.com.pl/wojtasik_dg.html

Sylwester Ostrowski スィルヴェステル・オストロフスキ
今年、Wojtasikも関わっているSo Jazzレーベルからセカンド『Don't Explain』を発表した新鋭サックス奏者(ちなみに同作のドラマーは今回のJust Musicに参加するNewman T.Bakerです)。デビュー作はやはりSo Jazzからで、同じメンバーによる『When The Groove Is Low』。器用さに走らないファットなトーンを維持しながらも的確なテクニックで極上のフレーズを次々と紡ぎ出す才能溢れるサックスが魅力です。
So Jazzについてのページなどもどうぞ↓
http://www.jazz.szczecin.pl/index.php?option=com_content&view=category&layout=blog&id=43&Itemid=50

クリヤマコトとWojtasik,Ostrowski,Essiet,Bakerによるクィンテットはすでにポーランドでの演奏も数回行い、今年の冬にはワルシャワに凱旋(?)予定だそうです。
また、演奏活動もさらに継続して行われるということですので、アルバム録音もあながち夢じゃないかも知れませんね。

10月1日、興味のある方はぜひぜひ!
ちょっと間が空いちゃいました、すみません。

私は今は委託職員として公共図書館で働いている身ですが、レコード店とかでも「接客業」を経験しています。
それで、そういう立場からよく考えるのが、「ここ(図書館)が公共施設だと思うから、利用者に対してこんなにイライラするんだろうな」ということです。
やれ大きな声で話すな、携帯を鳴らすな、ノートパソコンは専用の部屋で使え、少しは自分で資料を検索しろ、などなど。
公共施設だと思うから、使い方を能動的におぼえて欲しいし、モラルにも気を配って欲しい。
ただ、モラル云々は別として、今の図書館の利用者って、この施設が公共施設だってことにどれほど理解があるのかな?という疑問は常にあります。
その辺からしてすでに「使う側=市民」と「サーヴィスを提供する側」の齟齬が出て来ているような気がするんです。

今年再オープンした武雄図書館は、もう皆さんご存知のようにツタヤとスタバがドッキングした半公半民の一種の複合施設のようになっています。
色んなご意見が散見されるのですが、批判的な目線を持っている人のほとんどは「図書館ラヴ」な人たちのように見受けられます。
実際にツッコミどころ満載かどうかなのは別として、賛否のどちらか側に同一の属性を持つ人がかたまっちゃうのは良くない状態かなあとも思ったりもして。
図書館員(出来れば業界の偉いさんじゃなくて一般の図書館員として働く人々)が武雄図書館を肯定的に評している意見っていうのもあれば拝見したいのですが。
何がいいたいかと言うと、結局同館への評価は「これまでの図書館像」をベースになされているということで、それは業界側の「そうであって欲しい」という理想像と市民側の「そういう施設ならいいな」という希望の2つが入り混じった「図書館像」なわけです。
そして、前者の中には多分に「愛」や「理念」が含まれています。
ただそれは「固定観念」にもつながりかねないのも事実だと思います。
実際問題、最初に書いたように、私自身が図書館への固定観念があるわけです。
それを元に業務に励んでいると、利用者が実際に求めていることとの間にずれが生じたりして、イライラしたり悩んだりします。

例えば、武雄図書館がずいぶんガヤガヤとうるさくなった、図書館らしくないという意見。
確かに「これまでの図書館像」からするとそれはちょっとな~なのですが、逆に、そういう空間であったとしても図書館機能に問題がなければ、そして利用者がそれでも心地良く過ごせるのなら、別に構わないのでは?という考え方もあるということです。
とにかく静かにしていなければならない以前の図書館像に息苦しさをおぼえている人も実際にいるわけですから。
その点は、もし図書館という施設にとってその方が良いという結果が出たとしたら、それは謙虚に参考にすべきことだと私は思っています。
樋渡市長の強引なやり口に「独裁性」や「黒い関係」を嗅ぎ取る人は多いですし、私もそれは感じていますが、それでも「これまでの図書館像を変えよう」という方向性を持って実行されたものだということは出来る限りニュートラルな視点で評価して行くべきことだと思います。

ただし。
「変える」とは言っても、今回の半公半民体制が従来の図書館をより良くするために機能しているのかというのは微妙で。
色々集めた情報を見る限りにおいては、図書館が「添え物」のように感じるのです。
あくまで「図書館」として再開館したわけですから、この施設が総合してより良くより新しい図書館像を提示するものでなくてはならないのですが、私から見ると「単にキレイになった図書館にツタヤとスタバが一緒にくっついて来ただけ」のように思えるのですね。
これもまた時間を重ねて行くことで評価して行くべきことですが、それを市長が自讃するように「利用者数が増えた」ってことで成功と判断されてもなあ、という気持ちではあります。
前にも書いたように、図書館を評価する指数というのはそういう「積み立て型」だけではなく、もっと色々ありますし、また、それが公的な場でもっと問われなくてはいけないのです。
そもそも「利用者数倍増」ということがさも何かを象徴しているかのようにニュースになることがおかしい。

例えば、話題となった壁一面の書架ですが、あれが「手に届かない場所が多く、結局スタッフにとってもらわなければいけない。書庫と変わらない」という状態のものであることはすでに多くの方に知られているでしょう。
物凄く評価を下しにくいことですが、図書館は「資料へのアクセスのしやすさ」ということも評価対象事項となります。
ホテルのように「ルームサーヴィスでお願いします」と言って何から何まで任せて本と出合えるのは、頼んだ本人は一歩も動かなくても良くてもそれは図書館の目指すべきサーヴィスではありません。
また「頼むという行為を利用者に強いている」という考え方もあります。
そして自力で手にとりにくい環境の中利用者が増えたということは、それだけ「不便の機会」が増えたということでもありますから、実際問題評価指数は双方で相殺されてしまっているのではないかと思います。

あとはスタバが併設されると聞いた時から疑問に思っていた「閲覧席問題」。
結局注文しなくても座れるゾーンとしないと居られないゾーンがあるということになっているようですが、あれも開館当初はそのゾーンの比率について色々問題が起こったようですね。
スタッフの認識不足ということで収めたようですが、私はその問題となった話をネットで読んだ時「こんなことが起こりうることも想定出来てなかったのかな?」とちょっと呆れました。
だって「図書館だけの図書館」であれば誰でも無料で座れるところに、有料で飲食物を楽しむ店舗が同じ空間内に併設されるのです。
有料の席があることで館内閲覧の機会を利用者から奪わないのか?とかその席数はどの程度の比率になるのだろうか?とか普通に疑問に感じると思うのですが。
その点は「滞在型施設」として非常に重要な問題なので、本来なら開館前に議論し尽くされているはずです。
カフェで珈琲を飲みながら気持ち良く読書・・・って確かにカッコいいイメージですし、自分も図書館内でそういうことが出来ればな、とも思うのですが、それは別に館内併設でなくても隣接でも良かったはずですし、またペットボトルなどの飲み物持込可という方法でもある程度その欲求は満たせるはずです。
スタバ併設って新しいようで全然新しい発想ではないということです。
つまり、多くの新設図書館が私が以上で指摘したような問題点に懸念をおぼえて回避した道のりを無謀に進んでしまったということかも知れないのです。

樋渡市長は「反対意見も聞きたい」と仰っています。
その言葉の響き自体はまことに正しい。
ただし図書館の旧来のあり方や固定観念を壊したいなら、それ自体をまずよく知らないといけないということです。
その意味で、CCCは「図書館業務」において新規参入企業だという事実をよく認識しないといけません。
新しい発想が出来る代わりに、ノウハウもない。
新しい形態を導入したから新しくなるわけではない。
ただ、市長やCCCの思惑がどうあれ、再開館した図書館は日々動いていき、歴史を重ねる。
その時間の堆積の中で多様な評価が生まれて行くことでしょうから、それが重ねられた後一定の評価を下された先に、この図書館がどのように動いて行くのかが本当に注目すべきところなのでしょうね。

とりあえず、個人的にはキレイになることは良いことだと思いますし、利用者のおしゃべりを妨げない方針なのなら、図書館員は凄く楽だと思います(笑)。
実は、図書館のもろもろの方針って図書館員にもストレスを強いているところもあります。
また、利用者が自力で資料にアクセスしやすいって実は図書館員にとっても人的コストが軽減され、色んな意味でコスト削減につながるので、そういう意味でも目指すべきところではあるのですよ。
武雄図書館員の方たちの一人当たりの業務総量および、それに支払われる対価についても凄く気になります。

思いつくトピックをとりとめもなく連ねてみました。
たぶんまだ続くと思います。
今回はこの辺で。

空前のヘンテコ企画「アラウンド・コメダ」、大盛況のうちに終了しました。
「ポーランド」で「コメダ」で「しかもコメダの曲はかけないんだぜ」というひねりにひねりまくったコンセプトだったのに、たくさんの方に来ていただけました。
当イベントのコンセプトは「ポーランドの伝説的ジャズミュージシャン、クシシュトフ・コメダの影響の大きさや人脈の大きさを測るべく、実際に共演した人たちの音楽がいかに凄いか/変かというのを聴いて楽しむ」というものです。
http://www.letabou.jp/workshop/20130807.html
基本的には一月に同店で行ったコメダオンリーのリスニングイベントの続編なのですが、自分としては、そういう大文字の「コンセプト」より、ただただコメダをダシにしてポーランドの個性豊かなアーティストたちの音楽を楽しんでいただきたかったという目論みもありました。
当日の模様を早速レヴューして下さった方もいらっしゃいます。
併せてお楽しみください。
http://ameblo.jp/le-tabou/entry-11590090309.html
http://d.hatena.ne.jp/lysis/touch/20130808/p1


それでは当日かけた曲をリストアップしておきます。


開演前
JAZZ I ORKIESTRA / MICHAL WROBLEWSKI TRIO
MOMENTS / SLAWEK JASKULKE
VESNA / BABOOSHKI

最近のイチオシものをLE TABOUさんの素晴らしい音響で勝手に楽しんでました!特に3枚目は私の今年ぶっちぎりの推薦盤です。これからも色んなところでプッシュして行きますよ~!

第一部
STAWKA WIEKSZA NIZ ZYCIE
SWINGING SAMBA / JERZY DUDUS MATUSZKIEWICZ

ポーランドジャズ界最初の大スター、コメダの先輩によるレアなサントラ集とSWINGTET時代の音源集より
TREFFUNG S-BAHN
RAJD SAFARI / JERZY MILIAN

ポーランドのマレットゴッド、イェジィ・ミリァンのクラブリスナー狂喜乱舞的チューンを2発。それぞれ『WHEN WHERE WHY』『ASHKHABAD GIRL』より
GOOD TIMES,BAD TIMES / CZESLAW BARTKOWSKI w. JAN PTASZYN WROBLEWSKI
ドラマーリーダー作史上最高の名盤の一つ『DRUM'S DREAM』より、初期のコメダバンドの同僚ヤン・プタシン率いるビッグバンド付ジャズロックを
STRETCH / MICHAL URBANIAK
言わずと知れた『FUSION III』からだぜ!この時初顔合わせのガッド&アンソニー・ジャクソンのリズムもキレ倒し!
NIE MNEJ NIZ 5%
BOP-BEREK / ZBIGNIEW NAMYSLOWSKI

私の「恩人」ナミさんの『WINOBRANIE』『DANCES』から
CZATOWNIK / TOMASZ STANKO
コメダに捧げた『MUSIK FOR K』から
DO DZIEWKI / WANDA WARSKA
「BALLET ETUDES」で共演したポーランド最高の女性歌手ヴァンダ・ヴァルスカの10枚組ボックスセットより。「ニューヨークのため息」ならぬ「ワルシャワのため息」ですな~
TORPEDO / NOVI SINGERS
同タイトルアルバムより。ちなみにイベントでは言及しませんでしたが、ギターを弾いているのはMICHAL URBANIAKなんです(笑)。何でもやりよるな。

第二部
WHAT? / BERNT ROSENGREN(SWEDEN)
コメダの「モダンジャズモード」時の斬り込み体調ローゼングレン、近年のアルバム『PLAYS SWEDISH COMPOSITIONS』より
THE OPENER / EJE THELIN(SWEDEN)
ご存知最強トロンボニストの一人。そんな彼のキャリア中最もよく知られる『AT THE GERMAN JAZZ FESTIVAL 1964』より
B'S WALTZ / BENT JADIG(BELGIUM)
とうとうCD化されたベント・イェーディクのあの名盤『DANISH JAZZMAN 1967』より、あのメトロノーム超弩級レア盤『BALLET ETUDES』に参加したALAN BOTCHINSKYのプレイを。
DRIP-DRY / CODONA(AMERICA & BRASIL)
ドン・チェリーのボーダーレス性を最も体現したユニットだったかも知れないコドナの2枚目より。
DANCE FOR VICTOR / PHILIP CATHERINE(HOLLAND)
この曲は急遽予定を変えて、参考アルバムとして持って来ていた『TRANSPARENCE』より。本当はチェット・ベイカーとのIGLOO盤トリオから「CRYSTAL BELLS」をかけるつもりでした
CINQ HOPS / JACQUES THOLLOT(FRANCE)
仏ジャズ界の帝王FRANCOIS JEANNEAUも参加したアヴァンな同タイトル名盤より
PASTOR / MICHEL PORTAL(FRANCE)
ヨーロッパジャズ界になくてはならない存在だったあのJEAN-FRANCOIS JENNY-CLARKなくしてはありえない、仏ジャズもう一人の帝王ミシェル・ポルタルの名曲。デイヴ・リーブマンやデジョネット、ミノ・シネルが参加したライヴ『MEN'S LAND』より
KARATE / CHRISTIANE LEGRAND TRIO(FRANCE)
ドン・チェリー以降ここまでは全部イェジィ・スコリモフスキのベルギー撮影作品『LE DEPART 出発』の参加メンバーです。どんだけ豪華やねん。これは89年録音の『NUL NE SAIT』からあのエグベルト・ジスモンチ曲を。
LAST TANGO IN PARIS : TANGO / GATO BARBIERI(ARGENTINA)
そしてこのガトー・バルビエリも『出発』組。コメダのもとでサントラ録音に参加したことでサントラの何たるかを学んでこの傑作につなげたのではないか?
THEME FROM FRENCH CONNECTION / DON ELLIS(AMERICA)
そして刑事映画の傑作『フレンチ・コネクション』の仕事でアカデミーの映画音楽作曲部門を制したこのドン・エリスはコメダと『ローズマリーの赤ちゃん』で組んだのでした

OUT PLAYING
WITHDRAWAL SOUNDTRACKS / SPONTANEOUS MUSIC ENSEMBLE
実は、資料では間違って『ローズマリー』と書いているのですが、あの英国の(イギリスの、と書くより感じで書く方がなぜか合っている気がする)前衛即興集団SPONTANEOUS MUSIC ENSEMBLE スポンテニアス・ミュージック・アンサンブルもコメダとポランスキ『袋小路』のサントラで共演しています。同作はイギリス撮影なので、その辺のつながりがあったのでしょう。そういう話をイベント前に立ち寄った表参道『月光茶房』の原田さんにしたら、彼らの最初期のアルバムで、かつ『袋小路』録音の少し後にレコーディングされたドキュメンタリー用小サントラ『WITHDRAWAL 1966 - 1967』をご親切に貸して下さったのですが、かける時間がありませんでした。結構いい感じの即興ものなので、ぜひかけたかったなあ!残念。

さてさて。
今回もやっぱり時間配分がメチャクチャで、第一部に時間を割きすぎてしまいました。でもそのおかげかどうか、ポーランドの巨匠たちの音楽が、来て下さった皆様に強力にアピールしたみたいでそれはそれで嬉しいかな(笑)。あと、もう少し細かく人的つながりについて妄想を話したかったのですが時間が全然ありませんでした。
トーク中に小ネタを入れまくって笑いをとろうとしていたのですが、ぜーんぜん受けなかったなあ(苦笑)。それくらい皆さん本当に真剣に下さっていました。感謝致します。

If I Organize Polish Jazz Festival in Japan.....

自分には大それた目標がありまして、それは青森市でポーランドジャズフェスティヴァルを開いて観光資源にするということなんですね。
青森市の情景はポラジャズに合うと思っていますし、何でも東京にかっさらわれるこの世の中で「この人をライヴで観るには青森市に行くしかないのか~!」という環境を作り上げることが出来れば、痛快だとも思っています。
そんな私がもし今ミュージカルディレクターを任されて出演者の人選をするとなったら誰を呼ぶのか、挙げてみようと思います。
一応、仮想のドリームチームというのは選択範囲外にして、現存のバンドに対象をしぼります。
あと、これは「ポーランド人のための、ポーランド人によるポーランドジャズフェスティヴァル」ではない、というスタンスでの人選です。
要するに「日本人による、日本のファン向けに一番良いと思われるブッキング」です。
その意味では凄い人たちでもあえて選んでいないアーティストも当然あります。
また、何度かの来日の実績を重ねている人たちもあえてはずしました。
新鮮な驚きのため、です。
ではでは、ご参考までに。

Adam Baldych Quatet(w.Pawel Tomaszewski,Michal Baranski,Pawel Dobrowolski)

Rafal Sarnecki Quartet(w.Pawel Kaczmarczyk,Wojciech Pulcyn,Lukasz Zyta)

Tomasz Stanko New York Quartet(w.David Virelles,Thomas Morgan,Gerald Cleaver)

Zbigniew Namyslowski Quintet(w.Slawek Jaskulke,Jacek Namyslowski,Michal Baranski,Grzegorz Grzyb)

Babooshki(w.Karolina Beimcik,Dana Vynnytska,Jan Smoczynski,Michal Tomaszczyk,Michal Jaros,Dima Gorelik,Bogusz Bekka)

RGG(w.Lukasz Ojdana,Maciej Garbowski,Krzysztof Gradziuk)

Soundcheck(w.Maciej Kocinski,Krzysztof Dys,Andrzej Swies,Krzysztof Szmanda)

Piotr Orzechowski / Pianohooligan plays Comtenporary Classic Music

Wlodek Pawlik Trio(w.Pawel Panta,Cezary Konrad)

Leszek Mozdzer - Lars Danielsson - Zohar Fresco

Adam Pieronczyk plays Komeda(w.Nelson Veras,Gary Thomas,Anthony Cox,Lukasz Zyta)

New Trio(w.Mateusz Smoczynski,Jan Smoczynski,Alex Zinger)

Oles Brothers feat. Christopher Dell plays Komeda

Mira Opalinska & Douglas Whates plays and inprovises with Polish Movie