2012-01-12

INTERVIEW WITH HERDZIN & KUBISZYN

テーマ:ポーランドジャズ JAZZ POLSKI

昨年12月26日のブルーノート東京におけるANNA MARIA JOPEK アンナ・マリア・ヨペクのコンサートは、それ自体も素晴らしいものでしたが、ポーランドジャズ専門ライターとしての私にとって忘れられない日になりました。

ポーランド大使館のKARSZさんが通訳をして下さって、バンドメンバーの天才ピアニストKRZYSZTOF HERDZIN クシシュトフ・ヘルヂンとポーランドトップベーシストの一人ROBERT KUBISZYN ロベルト・クビシンにプチ・インタヴュー出来たのです。

特に、私が初めて聴いたポーランドジャズのアルバムで、かつこの国のジャズにのめり込むきっかけとなったZBIGNIEW NAMYSLOWSKI ズビグニェフ・ナミスウォフスキの『3 NITGHTS』にHERDZINが参加していたという個人的な体験は、KARSZさんがぜひ本人に伝えた方が良いと言って下さって詳しくお話が出来ることになったのです。

特にメモをとっていたわけではないので記憶に頼ったものとなりますが、そのお話の内容を書いてみます。

対話形式にするため内容の前後関係に若干の編集を加えてありますが、ポーランドジャズ最先端のミュージシャンの生の声をぜひお楽しみ下さい。


オラシオ(以下オ):あなたのプレイはとても美しく、ソウルフルに聴こえます。

ROBERT KUBISZYN(以下RK):ありがとうございます。日本の観客はとてもしっかり聴いて下さるので、そういう風に繊細な部分まで受け取ってくれるのだと思います。

オ:音楽をやるということの楽しさが凄く伝わって来るプレイスタイルですよね。いつもニコニコしていますし。聴いているこちらも心がウキウキしてくるような演奏だと思います。

RK:まさに、自分はそういう風に感じてもらうために音楽をやっているので、そう言っていただけて本当に嬉しく思います。

オ:ポーランドのジャズはとても美しくて、日本の人はきっと大好きになると信じてずっと紹介し続けています。それだけの価値がある音楽だと思います。そのためにポーランド語も勉強中で、KUBISZYNさんともこれから何度もお会いすることになると思うのですが、ポーランド語でお話する割合をもっと増やして行きたいと思います。これからも紹介業頑張りますので、よろしくお願いします。

RK:そこまで言っていただいてこちらが緊張してきました(笑)。日本の人たちは本当に音楽に真剣に向かい合って下さるので、大好きになりました。私もポラ語-日本語辞典を買って、少しずつオラシオさんと日本語で会話出来るようにしたいと本気で考えています。こちらこそありがとうございます。

オ:あなたが昨年発表したリーダー作『BEFORE SUNRISE』ですが、昨年のマイ・フェイヴァリット・アルバムの一つでしたし、何より完璧なサウンドでしたね。

RK:あのアルバムはとにかく録音が素晴らしいんですよ。本当に、これからもよろしくお願いします。

オ:ありがとうございました。また会いましょう!

RK:また、ぜひ!来年1月のマコト・オゾネとのコンサートは来られないのですか?

オ:残念ですがそちらは行けそうにないですね。

RK:そうですか、残念です。ではまた別の機会に、ぜひ日本語とポーランド語でお話しましょう!


オ:今から10年くらい前に初めて聴いたアルバムがZBIGNIEW NAMYSLOWSKIの『3 NIGHTS』で、その内容があまりに素晴らしくて、それがきっかけで今ポーランドジャズ専門のライターをやることになったんですよ。

KRZYSZTOF HERDZIN(以下KH):おー、私も参加しているアルバムですね!それはとても嬉しいです。でも、あのアルバムはライヴ録音なので、ミスを結構していて完璧なプレイではないんですけれどね。

オ:ポーランドのジャズは、本当に他の国のジャズとは違う何かがありますよね。HERDZINさんの音楽にも強くそれを感じます。

KH:そうなんですよ。まず、伝統的な民俗音楽をとても大切にしています。我々の音楽のルーツになるもので、まさにハートで鳴らす音楽です。そして、クラシックとか色んな音楽のエッセンスを積極的にとりいれたトータル・ミュージックであることを目指しています。そして、やっぱり最終的に大事なのはテクニックじゃなくていかにハートで音楽をやるか、ということですよね。今回の来日で日本のみなさんの前で演奏して、観客のみなさんと音楽を通じて心の部分でつながっているように演奏中に感じました。日本のみなさんはハートで聴いて下さっていると思います。

オ:ポーランドの音楽のメロディは、日本人が好きな、シンプルにハートに届く感じに響くんですよ。

KH:なるほど。日本の音楽にもポーランドのそれと共通したところがたくさんあるのでしょうね。ところでこちらから質問なのですが、先ほど見せていただいた私の最新作『LOOKING FOR BALANCE』とか、あなたはどこで買っているのですか?そんなにポーランドでも広く売られているわけではないと思うのですが。

オ:やはりポーランドのウェブショップから購入していますね。発売開始後、大体すぐに買っていますよ(笑)。

KH:それは凄い。ちなみに私の『LOOKING FOR BALANCE』はiTunesでも販売されています。

オ:そうなんですか。あ、そう言えば、私の地元で発行されているNOZACCというフリーペーパーがあるのですが、そこにもポーランドジャズについて連載しているんですよ。ここにたまたま(笑)バックナンバー持っていました。この号にやはり凄い偶然なのですが、ZBIGNIEW NAMYSLOWSKIの『GO!』というアルバムについて書いたのです。この作品はHERDZINさんも参加してらっしゃいましたよね?

KH:ワオ、10年くらい前のアルバムだ!これについても書いてくれたのですか?本当に嬉しい。あなたのように積極的にポーランドジャズを紹介して下さる方が日本にいて、凄く心強いです。これからもよろしくお願いします。

オ:こちらこそ、あなたのような天才とお話しすることが出来る日が来るとは夢にも思っていませんでした。とても興奮しています。ポーランドジャズは音色も何もかも凄く美しくて、ずっとこの日本に紹介し続ける価値のある音楽だと思っています。これからも頑張ります。またお会いしましょう。

KH:素晴らしいお仕事、ありがとう。またすぐにでもお会いしたいですね。



感想

KUBISZYNが、自分のアルバムのことをまず第一に「録音がいいから」と言ったことに、意外さと我が意を得たりの感の両方を感じました。

やっぱり、音色や響きに関して物凄くこだわりがあるのがポーランド人なんだなと思った次第。

彼はとにかく素晴らしいナイス・ガイで、物静かで知的な感じですね。

でも演奏時の指の動きは化けもんです。

HERDZINの、ポーランドジャズはとてもたくさんの音楽のエッセンスを積極的にとりいれている、というお話も凄く納得出来るものでしたし、自分もそういうものとして聴いて来たので、あながち妄想でもなかったのだなと思いました。

また、彼ほどの天才的な技巧を持つ演奏家が「大事なのはテクニカルな部分じゃない」とあっさり言い切ってしまうことに逆に凄さを感じました。

話題に出たNAMYSLOWSKIの『GO!』ですが、ジャケット中のメンバー写真がなぜかSLAWEK JASKULKE スワヴェク・ヤスクウケになっているので参加ピアニストはどっちなんだろうとずっと疑問でしたが、やっと確認出来ました。

クレディット通りHERDZIN参加で間違いないようです。

バンドメンバーには名刺をお渡ししたり、最近のリーダー作や参加アルバムずらっと見せたりしたのですが、ギターのMAREK NAPIORKOWSKI マレク・ナピュルコフスキが「僕のほかのアルバム、例えば『WOLNO』は持ってる?」と訊くので「『WOLNO』も『NAP』も両方持ってますよ!」と言うと「ワオ!CONGRATURATION !」と喜んでくれましたし、ドラムのPAWEL DOBROWOLSKI パヴェウ・ドブロヴォルスキは後日名刺に書いてあるメルアドにメールくれました。

大使館のKARSZさんには「私の任期にオラシオさんがいて下さって本当に良かった。日本に来て良かった」と言っていただけて、私は感無量。

ポーランドジャズ普及活動家としてかなり躍進(←自分で言うな)させていただいた昨年の締めくくりとして、最高の時間を過ごさせていただきました。

これをまた第一歩として、これからも頑張ります。


ちなみに、HERDZINのピアノトリオとしての最新作『CAPACITY』はKUBISZYNと超絶ドラマーCEZARY KONRAD ツェザルィ・コンラトとの録音で、DiskUnion JAZZTOKYOさんのポーランドジャズフェア第2弾「ピアノトリオ特集」の対象商品です。

このフェアは私がセレクト、POPコメント執筆させてもらっているのですが、『CAPACITY』は先週の同店の新譜ウィークリーチャートのTOP10に入りました!

HERDZIN本人もネットで見つけたらしく、FACEBOOKで嬉しそうに報告しています。

チャートは↓こちらをご覧下さい。

http://blog-jazztokyo.diskunion.net/Entry/5139/

コメントComments

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1 ■無題

久しぶりにオラシオさんのブログ拝見させていただきました。

去年はポーランド普及活動が花開いたようでなによりでしたね。
Jopekは今回来日を知らず見に行けず残念でしたが素晴らしいライブだったようですね。
ポーランドには好きなアーティストが何人かいますが、まだまだ未知なところも多いので、
オラシオさんが東京来られた際に何処かのイベントとかでもお話伺えたらと思います。

これからも素敵なポーランド音楽の紹介を楽しみにしています。

2 ■>la vie cherieさん

見に来てくださってありがとうございます♪
Jopekのコンサートは本当に素晴らしかったです。
私はポップでかつクォリティの高い音楽をとても尊敬しているのですが、彼女の音楽もそういう感じです。
いい意味でバランスもアンバランスさも内包しています。

ポーランドでお好きなアーティストがいるとのことで、それはとても興味があります。
誰ですか?
よろしければ教えて下さい。
お時間ある時で結構ですよ。

仰る通り、いつかお会いしたいですね。
イヴェントやる回数はこれからどんどん増やして行きたいので、いつかきっとお会い出来ると思います。

失礼します。

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