2011年08月16日

幽霊人命救助隊

テーマ:
一生懸命崖を上り、やっとのことでたどり着き、引っ張り上げられた崖の上には摩訶不思議な世界が広がっていた。

そこには自分以外の3人の人間がいた。
そこでその3人に教えられたのは、衝撃的な事実だった。
自分は自ら命を絶ったのだと。
なんと自分も含めたその4人は、自殺をして命を落とした過去を持っていた。

そこへ神様が空からパラシュートで降りてきて指令を出す。
その指令とは、下界に戻って7週間の間に自殺しそうな人を100人救うこと。
こうしてお揃いのつなぎを身にまとい、救助隊としての活動を始めることになる。

この作品の面白さのひとつは、救助隊の面々のキャラクターが良く作りこまれていること。
それぞれ生きていた時代が違う、やくざ、サラリーマン、ギャル、受験生。
それぞれの特徴がうまく生かされており、生きていた時代背景が異なるが故の話題の相違が、暗くなりがちなテーマに良い意味での「軽さ」を持たせている。
そして、下界で生きている人たちが抱えている悩みとは、実は彼らが過去に経験していた心の痛みでもあったりする。
この辺りが、彼らの救助活動に生かされていく。

死んでしまった救助隊だからこそ、もう取り返しがつかない立場にいる彼らだからこそ、理解できる苦しみがある。
そしてもう戻れない彼らだからこそ、生きている人には大切にして欲しい何かがある。
真面目に伝えようとすると、どうしても重くなりがちなテーマを、幽霊の救助隊という設定を使うことで、軽さと重さを対比してみせる巧さ。
読み物として完成度が高かった。

ちなみに、私がこの本を購入したのは、とある書店のPOPに惹かれたから。
とにかく絶賛されており、幽霊の救助隊という設定が気になり、「泣ける」という言葉にも反応した。
が、この小説ではまったく泣けなかった。
人生経験の少ない中高生であれば、泣くことはあるかもしれない、とだけ言っておく。





幽霊人命救助隊 (文春文庫)
高野 和明
文藝春秋
売り上げランキング: 1679

AD
いいね!した人  |  コメント(4)  |  リブログ(0)

johnさんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

コメント

[コメントをする]

4 ■阪急電車!

阪急電車も読んでみます!
前から気になってた小説でした。
来週から夏休みなんですね。
暑さも落ち着いてきましたから、どうか心も身体も休ませてあげてくださいね。
休みまであと少し、辛抱です!

3 ■有川浩も!

>johnさん
私も「阪急電車」でハマりました。
可愛いし、テンポがあって面白いし、せつないし。
シアターはまだ、読んでないので、
来週から、夏休みなので読んでみようかなとおもいます。

2 ■>セローさん

実は今、私も初めて有川浩の「シアター」を読んでいるんです!最初の数ページから引き込まれました!
なんという偶然でしょう。
驚いています。
近くにいたら、きっといろいろ楽しいでしょうね。

1 ■面白そうですね!

あぁ~、johnさんが近くに住んでたら、
本を貸したり、貸してもらったり、出来るのにね。
本の好みはきっと、シンクロしてますよね。
私は今、有川浩にはまってます(^∇^)

コメント投稿

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。