2010年04月22日

この世でいちばん大事な「カネ」の話 / 西原理恵子

テーマ:
やっぱりサイバラはすごい。

これは、中学生以上に向けて書かれている本なので、クソ真面目な経済を論じた内容ではない。
でも、読み難い経済の本を苦労して読むよりも、生きていく上でよほどためになる。

生きていく上で「お金」とはどんな働きをするのか。
そもそもお金とは何なのか。

彼女が生まれてから今まで、お金にまつわる様々な「過酷」なエピソードが赤裸々に綴られている。

彼女はまさしく「身をもって」お金の勉強をしてきた。
そう、まさしく麻雀を含めてオカネの勉強。

お金は汚い物などではなく、生きていく上で本当に必要な物。

幸せはお金では買えない。
でもお金がないと幸せになれないことがあるんだよ。
そんな体験を彼女は、「貧乏」と「暴力」は仲良し、と言う言葉で表現している。

みんなが貧乏で、それでも坂の上の雲を目指して希望を持って生きていた時代と、今は違う。


でも、

いざというとき、大切な誰かを安心な場所にいさせてあげたい、と思うなら、

と彼女は言う。


働きなさい。
働いてお金を稼ぎなさい。
そうして強くなりなさい。
それが大人になるってことなんだと思う。


是非中学生から読んでもらいたい。

生きていくということは、本当はこういうことなんだ。
サイバラの言っていることは信じてもいいと思う。



マイナスを味方につけなさい。今いるところがどうしても嫌だったら、ここからいつか絶対抜け出すんだって、心に決めるの。
そうして運よく抜け出すことができたんなら、あの嫌な、つらい場所にだけは絶対に戻らないって、そう決めなさい。
そうしたら、どんな大変なときだって、きっと乗り越えることができるよ。
だってわたしも、そうだったから。





この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ)
西原 理恵子
理論社
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おすすめ度の平均: 4.5
3 飯の食える大人になりなさい
5 身を切られるような思いが伝わってくる一冊
5 西原さんを心配してしまいます。
5 西原さんの視点で「カネ」について語ったエッセイ
5 読みました。






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2010年04月18日

葉桜の季節に君を思うということ / 歌野晶午

テーマ:
叙述トリック。

結論から言うと見事にだまされた。
だまされようとして読んでいるのだから、だまされた時点で著者の目的は達成。

この小説は良く出来ている、と言う話にはなる。
著者の小説は初めて読んだが、まず題名が良い。
「葉桜の季節に君を思うということ」
ミステリーながら、ロマンティックな展開、切ないストーリーを予想させる。
そして著者のペンネームも良い。

「歌野晶午」。


主人公はトラちゃん。
女好きだけどプラトニックを追い求め、肉体の鍛錬を絶やさない。
過去には探偵の真似ごとにも首を突っ込んだことがある。
現在は警備員をしながらパソコン講座の講師も務める、「何でもやってやろう屋」。

そんな彼が後輩のキヨシに依頼されて首を突っ込んだのが、ジム仲間である「愛ちゃん」のおじいさんのひき逃げ事件だった。
愛ちゃんが言うには、事件の背後に老人相手の催眠商法を行う「蓬莱倶楽部」が絡んでいると言う。
過去の探偵の真似ごと時代のストーリーをもうひとつの謎解きとして挟みつつ、蓬莱倶楽部の確信へ近づいていくトラちゃん。

読者を待つ驚きの展開とは・・・

想像だにしない展開に驚いた。
まさに叙述トリック。

これはないんじゃないの?
と著者に文句を言いたくもなるが、勝手にだまされたのは読者。
そう、勝手にだまされるのが、この叙述トリックの面白さ。

でも、これはやや強引かもしれないけどね。
読者は最後に「葉桜」の本当の意味を知る。




葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)
歌野 晶午
文藝春秋
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おすすめ度の平均: 3.5
5 やられた!
5 主人公達のこれからも続く青春に乾杯!!
5 叙述ミステリの記念碑的作品
5 思い込みはいけません。
5 これはお勧め!






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2010年04月14日

愚か者死すべし / 原尞

テーマ:
新沢崎シリーズ第1弾。
前作「さらば長き眠り」から、なんと9年。
寡作にも「ほど」がある。

そんな新シリーズは沢崎ファンの期待を裏切らない内容。


暮れも押し迫った大晦日。
そんな状況の中事務所を尋ねて来たのは、前シリーズでケリがついたと思っていた旧パートナー「渡辺」を頼って来た依頼人だった。

その依頼内容が不審だ。

殺人事件で他人の身代りとして自首した父親を助けて欲しい、というもの。
それも銀行で暴力団幹部を射殺したと言う。

そんな状況で身代りなんてあり得るのだろうか。

それがあり得るのだ。

依頼人を面会の為に新宿署へ送り届けた際に、沢崎は直感で「ある車」に目を付ける。
案の定、その車は不審な動きを始め、移送される容疑者(依頼人の父親)を射撃する。
沢崎が咄嗟にその車に追突したために、2発目は刑事に当たる。

その刑事は殉職してしまった。

この事件の裏には何が隠されているのか。

いつも通り、淡々と物語が展開していくにつれて驚くべき事実が明らかにされていく。
最後の結末はこれまでの作品とは、やや感覚が異なるか?

文体、内容、雰囲気、すべてが整っているミステリー。

これがミステリーの「王道」だろう。


著者によると、以前よりも短時間で書き上げるテクニックを身につけたようだ。
であれば、是非是非、次作を早く。

お願いします。



愚か者死すべし (ハヤカワ文庫 JA ハ 4-7)
原 りょう
早川書房
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おすすめ度の平均: 3.5
4 レトリックが全て
2 9年間で得たものは何だったのだろう。
4 男達の寓話







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2010年04月12日

afuri @ 原宿

テーマ:グルメ?
かの有名な「中村屋」のお兄さんが経営しているお店。
有名な恵比寿店に続いて、原宿にも昨年から進出したようだ。

原宿駅から程近い場所にある店は、外側からだとラーメン屋には見えないオシャレさ。

その美しいネーミングに引かれて食べたラーメンは、「柚子塩麺」。


$[A] Across The Universe-yuzu


これは完璧にツボにはまった。
まろやかな塩味にゆずの風味。
そして細麺。
あっさりしていているのに奥が深くて、「和」のテイストが前面に出ていて、おまけに無化調。
これは大好きな味だ。
透き通ったスープは、まろやかでやさしくて、味わえば味わうほど深みがある。

細切りの柔らかめのメンマ、彩りの水菜と炙りたてのチャーシュー。
半熟卵の味も申し分ない。
食べ終わるのがもったいないと思う。

お腹が減っていたのでご飯ものも頼んでしまったが、これがまた大ヒット。


$[A] Across The Universe-cha


炭で炙りたてのチャーシューを四角く刻んで乗せてあるチャーシューご飯。
たしか450円くらいで、安くはないけど、コロコロのチャーシューを噛み締めてみて驚いた。
脂の部分が噛み締めた途端に溶けていく!
この食感は脂嫌いでも癖になる。

炭焼きの香ばしさと、溶ける食感。


世の中はこってり&ガッツリ系が流行っているみたいだが、あっさり系が好みの方なら間違いなくファンになる店だろう。

また行きたいけど、原宿には用事がほとんどないのが困る。



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2010年04月08日

さらば長き眠り / 原尞

テーマ:
初期沢崎シリーズの最終作。

原尞一番の長編にも関わらず、最後まで読者を引きつける面白さは増している。


沢崎が新宿に戻ってきたのは400日ぶり。


それなのに、その理由については明かされないまま物語は展開していく。

久しぶりに戻った探偵事務所の前には、浮浪者の男がたたずんでいた。

その男はただの浮浪者ではなく、依頼者からの伝言を預かっていた。

依頼者の男は、高校時代に甲子園の出場経験があった。

そして、八百長疑惑で世間の注目を集めた過去があった。

そんな男が沢崎に何の依頼か。

男は、八百長を苦に自殺したと思われる姉の自殺の真相調査の依頼をしようとしていた。


推理小説の真骨頂。
そしてハードボイルドの格好良さ十分。

長編だけに登場人物も多彩。

時間を置いて読むと登場人物が混乱すること間違いなし。

高校野球から、伝統芸能である「能」まで縦横無尽に話は展開する。

あの日、マンションから飛び降りた姉の死の理由は。

物語はあらぬ方向へ回りだす。


そして、この物語で初期沢崎シリーズは終焉。
最後にその理由が明かされる。

なるほど。
なるほど。

新沢崎シリーズとなっても、私はずっと原尞にずっとついていく。




さらば長き眠り (ハヤカワ文庫JA)
原 りょう
早川書房
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5 タイトルの意味がよく伝わった!
5 純正ハードボイルド
2 言ってみればオールキャストのスペシャルドラマ
5 研ぎ澄まされた文章
5 ふたたび「長き眠り」






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2010年04月05日

天使たちの探偵 / 原尞

テーマ:
沢崎シリーズでおなじみの原尞による、短編集。


短編集と言ってもそこは原尞。
物語の内容が薄くなっている訳ではない。

そうであれば、原尞初心者に最適か?
と聞かれれば、さにあらず。

なぜなら、「そして夜は甦る」、「私が殺した少女」を読んでいれば2倍とは言わず、1.5倍は楽しめるからだ。
もちろん、初めて読んでも十分楽しめるが、前作を読んでいると重複する登場人物がいるために、ニヤリとしながら読み進めることができる。

おそらく一連の素晴らしい短編は、少し内容を膨らませればすべて長編として発表出来る作品だ。
そんな物語を濃縮して楽しむことができるのだから、原尞ファンにはたまらない。

この人は本当にストーリーが上手い。
それもただの小説ではなく、ハードボイルド・ミステリーにおいて。

堪らなく大好きだ。

沢崎。




天使たちの探偵 (ハヤカワ文庫JA)
原 りょう
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5 銘酒を酌むような味わいの連作短篇集
4 沢崎シリーズを知らなくてもおもしろい
4 天使たちに振り回された日






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2010年04月02日

私が殺した少女 / 原尞

テーマ:
原尞2作目にして、1989年の直木賞受賞作。

当時初めて読んだ時の衝撃を良く覚えている。
これはまぎれもない日本のチャンドラーだ。
そう思った。

そして今読み返してみても、その感想は変わらない。
といってもチャンドラー自体はもう20年以上も読んでいないのだが。




沢崎が依頼人の家を訪れると、どこか雰囲気が違った。

その家庭では、バイオリンの才能が豊かで、将来を期待されている少女が誘拐されていた。

そして、そこには誘拐犯を待つ警察がいた。
沢崎はその誘拐犯の一味と間違えられる。


訳もわからず事件に巻き込まれ、身代金の受け渡し役にされてしまう沢崎。
とあるファミレスの駐車場で殴られ、まんまと身代金を奪われてしまう。


それでも、着実に、淡々と事件の核心へ近づいていく沢崎。

犯人はこいつか、と思ったその矢先。



読者を待つ大どんでん返し。

といっても、騙された!というトリックではなく、とことんオーソドックスな展開。

そう、とことん「オーソドックス」。
だから読んでいて気持ちがいいし、落ち着ける。


ミステリーとはこれほど面白いものなのか。
いや、ハードボイルドだから面白いのか。

その両方だ。

文体がしっかりしていて、キャラクター構成が確実で、ストーリー展開が緻密で隙がなければこんなにすばらしいミステリーが出来上がるのだ。

ただ難点としては作者が寡作であること。

しかし、それなりの作品を多数生み出すよりも、原尞には傑作を生み出す寡作の作家のままででいていただきたい。
勝手な読者の意見です。




私が殺した少女 (ハヤカワ文庫JA)
原 りょう
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おすすめ度の平均: 4.0
5 すばらしい
3 巧みなストーリー展開
5 探偵も推理小説も因果なものだ!
4 マーロウにこの沢崎が追いついているとはとても思えない
5 ハードボイルドの雰囲気だけで無くミステリーとしても秀逸






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