2008年07月29日

志のみ持参 / 上甲晃

テーマ:
松下政経塾。
すっかり政治家養成塾として認知度は高まったが、創設当時は苦労の連続だったようだ。
その政経塾の塾頭として奮闘されていた上甲氏が、「掃除」をテーマに行った講演をまとめたのがこの本。

掃除についてはもちろん様々なエピソードが収められているが、松下幸之助氏の教え、上甲氏の経験等、本当に参考になる内容が満載である。
そもそも、上甲氏も仕事の上では非常に苦労された方であることが、政経塾のバックボーンとなっていたようだ。
広報部、広報誌の編集長としてキャリアを積み、慢心し始めた頃に一転営業に異動。
実績のない上司には部下も従わないという、つらい現実。
こうした経験をベースにして、青天の霹靂でなんと政経塾の理事として出向することになる。

松下幸之助が私財を投げ打って作った政経塾。
21世紀の世界、日本を担うリーダー養成するためのエリート教育機関。
日本から優秀な若者が集った第一期生の入塾式。

どれだけすごいことを期待されているだろう、と肩に力が入っている塾生に対し、塾頭の松下は

「明日から、朝、早う起きて、しっかり掃除してくれ」と言った。

ここから政経塾の葛藤が始まる。
優秀で頭でっかちな塾生は、理論的、科学的でないことにはなかなか従わない。
「掃除は塾の方針だ」と松下が言っても、「塾長の横暴だ」と反論がくる。

厳格な管理体制、監視体制を敷いて朝の掃除は機械的に行われることになった。


あるとき、松下病院にいた松下幸之助に塾生をつれて報告に行った。
「これからますます、政経塾は良くなるでしょう」と報告し、松下も機嫌が良くなる。
しかし、塾生の質問時間が始まった途端、状況は一変する。

塾生はこう質問した。

「もう一度お尋ねします。掃除をすることの意義について教えてください」

松下はイライラしながら「十年経ってこれではどうにもならんな」。

結局、上甲氏は、強制では掃除が根付かないことに気づく。
それに気づくまでに7、8年かかったとおっしゃっている。
いいことをしていると、やっていない人に対して「けしからん」と思う。
これでは謙虚ではなく、傲慢、偽善である。

「結局、変わらなければならないのは自分だった」

この本を読むと、この一言がズシンと心に響く。




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2008年07月24日

あなたの夢はなんですか?私の夢は大人になるまで生きることです。 / 池間哲郎

テーマ:
1993年。
カメラマンだった池間氏は、フィリピンのゴミ捨て場、いわゆる「スモーキーマウンテン」を撮影のために訪れる。

生活のためにゴミを拾い続ける10歳くらいの女の子に聞いてみた。
「あなたの夢はなんですか?」
帰ってきた答えはまったく予想だにしないものだった。

「私の夢は大人になるまで生きることです」

そこからカメラマン池間氏は世界の貧困に立ち向かっていくことになる。


タイの北部やカンボジアでは今でも子どもが生活のために売られていく。
プノンペンでは5万円で女の子を買うことができる。
地方にいくと男の子であれば三千円。
まさに文字通り、奴隷として人間を「買う」のだ。

親がない彼らは、良く街角でシンナーを吸っていると言う。
快楽を得るためではない。
バンコクであれば、だいたい一食は50円足らず。
そのお金がないため、1本5円のシンナーを吸って空腹を紛らわす。


そんな彼らのために、池間氏はボランティアとして寄付を集め、井戸を掘り、学校を建設した。
夏には40度を超えるカンボジアの子どもたちのために、手作りの黄色い帽子を千個届けた。

三ヶ月後訪れてみると、帽子をかぶっている子がいない。

ほとんどの子は、外で働いているお父さんがかわいそうだから、という理由でお父さんにあげてしまったのだという。
貧しいながら、心は透き通るほどに透明な子どもたち。

池間氏は言う。

一生懸命生きる人じゃないと、本当の命の尊さはわかりません。真剣に生きる人じゃないと、人の痛みや悲しみは伝わってこないと思うのです。だれかのため、人のためではなく、自分自身が懸命に生きる。それが私たちにできる一番大事なボランティアなのです。





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2008年07月23日

桜えび丼@いづ魚

テーマ:グルメ?
あの「生しらす」の味が忘れられず、またしてもいづ魚に向かう。
しかし、今回は「生しらす」ではなかった。

が、なんと桜えび丼ではないか!
これは食べたことがない、そしてうまそう!

えび

本当に綺麗な桜色をした「桜えび」は殻の固さがまったく気にならない柔らかさ。
普通のエビと殻のつくりが違うのだろうか。
そしてかみしめるほどに甘みが後から後からわいて出てくる。

何のことはない、桜えびとご飯と醤油。
こんなにシンプルに、おいしくご飯をいただける日本にいることに感謝。



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2008年07月21日

熱帯JAZZ楽団@九段会館

テーマ:音楽
昨日は夏にピッタリ熱帯JAZZ楽団のライブ@九段会館。
夏はやっぱりラテンのニオイが欲しくなる。

今回は過去の熱帯JAZZのレパートリーの中からオリジナル作品ばかりを集めたベスト盤を出し、その全国ツアー初日。
といっても、東京、神戸、岐阜の3カ所のみ。
見に行ける地域の人はハッピーだ。

九段会館には初めて行ったが、ホールが狭くて後ろのほうでも臨場感たっぷりで良し。
ただし、席の傾斜が少ないため前の人の頭が邪魔になるが、気になるほどではない。

カルロス菅野の初ボーカルアルバムからも2曲を取り混ぜつつ、最初から最後までみっちりラテンのノリにヤられた。
自然に体が動いてしまう、非常に気持ちの良いヤられかただった。

客席の年齢層はやや高めながら、7:3くらいで女性が多いような。
元々女性人気が高いグループだったが、女性はラテンが好きなのだろうか。


ラテン、ビッグバンド、超絶テクニック。
至福のひとときだった。



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2008年07月20日

子どもと学ぶ論語 7月度致知講演会

テーマ:ブログ
7月度の月刊致知の講演会のテーマは「子どもと学ぶ論語」。
講師は子どもに論語を教えていらっしゃるお二人、岩越豊雄先生と溝本定子先生。

岩越先生は小田原小学校校長などを歴任後、寺子屋石塾で論語を教えておられる。
溝本先生の旧姓は安岡。
そして論語とくれば・・・定子先生は安岡正篤先生のお孫さんであり、文京区で「こども論語塾」を開いておられる。

今回の講演は内容が論語だけに「講義」っぽくもあり、楽しかった。

論語は昔、国語で習った「吾十有五にして学に志す」を始め、「巧言令色少なし仁」などは覚えているものの、きちんと勉強したことはない。
本日の講演を聴いて、人間一度は勉強しておかなければならない書物であることを認識した。
紫式部も、西郷隆盛も、時代が違う偉人がみんな論語を読んで鍛錬していたとは知らなかった。


溝本先生の講義の半分は祖父だった安岡正篤先生のお話だったが、これも良かった。
安岡先生が孫の定子先生にいつも口にされていた教えは三つ。

・肩書きや見た目で人間を判断せずに、人間そのものを観ることができる人間になりなさい。

・良き友、良き師、良き書物に出会うこと。

・小さな子どもを、幼いからと相応の態度で接することは間違いである。
子どもは経験こそ少ないが、中身は豊富である。
手を抜くのはもってのほかであり、これを対等な人間として接することができる人こそ、良い教師である。



特に三つ目の子どもへの接し方は反省しなければならない。
早速本日から娘への接し方を変えてみる。
「仁」心を持って。




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2008年07月18日

青年の大成 / 安藤正篤

テーマ:
安藤先生の著書を読んでみなければと思いつつ、その難しそうなイメージからなかなか読むことがなかった。
初めて読む先生の本は易しいものでなければ、その後またしばらく遠ざかりそうなので、なるべく平易(に見える)な内容の本を選んでみた。

この本は、昭和38年に日光で行われた青少年研修大会で先生が講演された内容を収めたもの。
非常にわかりやすい。
しかし、語っておられるその内容は非常に深い。
安藤先生みならず、昔の方は学校の先生も含めて、こうして物事の普遍の道理を説いておられたのだろう。

翻って現在は己のことしか考えられない輩が増えてきている。
その一方で、若者の中にもまさに憂国の士が増えてきているような気もする。

イデオロギーを抜きにして、日本が世界に凛として立ち続ける国家であって欲しいと、切に願う。



真に頭が良いということは、直感にすぐれていなくてはならない。智慧というものでなくてはならない。knowledge(知識)ではなくて、wisdom(智慧)である。


およそ人々は善に対してあまり感じません。悪に対して非常に強く感じます。人間も概して悪人は強い。善人は弱い。
だから世の善人と悪人を比べてごらんなさい。善人はたいてい引っ込み思案、消極的で、傍観的であり、団結しない。自然の草木と同じように自ら生きる。他に待たないものです。悪人は猛々しく深刻で、攻撃的・積極的であり、必要に応じてよく団結します。


日本はとにもかくにも、この明治百年の間に非常な成功と進歩をとげましたが、その中においてたった一つの大きな失敗をやっておることを忘れてはなりません。
それは何かと申しますと教育であります。「そんなことはない。教育が立派に成功したから日本の今日があるのだ」と言う人もおりますが、見方によってはそうでありますけれども、質は大切なことを間違えております。これを語りますと大変長い時間を必要としますからあえて簡単に申しますと、
「いったい人間とはなんぞや」と言う問題から考えなければなりません。




先生のこの講演から50年経った。
日本は未だ教育を間違い続けている気がしてならない。




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2008年07月16日

生しらす丼@いづ魚

テーマ:グルメ?
一度食べてみたいと思っていた。
あこがれの生しらす丼。
生しらす丼といえば、湘南あたりでしか食べられないのかと思っていたら、
浜松町にある魚料理屋「いづ魚」のお昼のメニューに登場していた。

しらす

回る寿司屋で軍艦になった生しらすを食べたことがあるが、多少コリコリ感があったように記憶しているが、これが本当の生しらす丼なのか!
食感はネトネトと口中にからみ付く感じで、目隠しされると魚だとはわからないだろう。
味も生臭さは皆無で、クリーミーな感じ。
生姜醤油を少したらして、もくもくと食べる。

ゆでたしらすも好きだが、生シラスはもっと気に入った。
売っているところを見たことがないが、鮮度を保つのが大変なのだろうか。
外で食べると値が張るので、家で毎日食べたいのだが・・・



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2008年07月13日

13歳からの人間学 / 石川洋

テーマ:
以前、致知の月例会で石川先生が講師だったときに会場で購入した本。
石川先生の凛としたお声を思い出すだけで、今でも背筋が伸びる思いだ。

この本は、先生が3つの中学校で中学生向けに講演された内容の記録と、講演を聴いた中学生の感想文からなっている。
中学生向けの講演だからといって内容が易しいわけではない。
このような講演で中学生が心から理解出来るのだろうか、と思うが、彼らの感想文を読むとそれは杞憂であることがわかる。
彼らの感想文は実に先生の話を彼らなりに的確に捉えている。
おそらく石川先生の静かながらも気迫溢れるお話を聞くと、言葉が心の奥深くにしみ込んでいくのだろう。

30代が読んでも響く言葉があると言うことは、まさしく13歳「から」の人間学である。



先生がご自身への戒めとされている言葉。
身につまされる。

つらいことが多いのは、感謝を知らないから。

苦しいことが多いのは、自分に甘えがあるから。

悲しいことが多いのは、自分のことしかわからないから。

心配することが多いのは、いまを懸命に生きていないから。

行き詰まりが多いのは、自分が裸になれないから。





13歳からの人間学
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2008年07月07日

ノーフォールト / 岡井崇

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著者は昭和大学に勤める現役産婦人科医。
初めて書く小説とは思えない巧みなストーリー展開で、最後まで読む者を引きつけて離さない。

岡井先生は「壊れゆく医師たち」においても産婦人科の厳しい現状を憂いておられた。
この先の日本の医療界に警鐘を鳴らすために書かれたものだと思う。



患者からの信頼も厚い柊奈智は、産婦人科医不足による過重労働が続いていた。
当直にあたった日、痛みを訴える患者徳本美和子を診察し、グレードAカイザーと呼ばれる非常に緊急度の高い帝王切開手術をする判断をする。

病棟医長の君島を呼び出すが、君島は夜間の若い外来患者に手間取り駆けつけるのが遅れる。
柊が手術をすることを決断し、無事子どもを取り出したものの、母体の出血が止まらずに危険な状態となる。
大量の輸血と、遅れて到着した君島の手によって縫合をし、手術は無事終了した。

その後も徳本美和子は原因不明の出血が続き、再び緊急手術をするものの死亡。
追いうちをかけるように遺族に訴訟を起こされ、被告となった柊は弁護士にもひどく追い詰められ、精神的にも不安定になっていく。


その後、物語は訴訟とその原因究明、柊の精神状態の変遷を軸に展開していく。

読み手に対して、医療界の現状を知らせたいという意図が表れるため、登場人物に語らせる内容がやや冗長だが、医療の現状を知る上では非常に有意義である。



「理事長! 大学病院はまだいいんですよ。三人も当直していて、その中にベテランが必ず一人いますから。一般の病院は二年目、三年目の医師が一人で当直しているんですよ。もし、今回のケース、一般の病院で起こったら、あんなに早く帝王切開はできません。”医長先生を呼び出して”とか言っている間に胎児が死亡しています。でなければ、重症の仮死で生まれて、後遺症が残って・・・それが問題にされる。現在の日本の産科医療はそういう状況なんです。」


「・・・アメリカではお産一件で百万円くらいかかる、たった二日の入院でね。もちろん患者が払う。そのうちの一部、最近では平均40%分、つまり40万円は医師が保険会社に払うほうに回されるってことだ。さらに上がれば、実質の分娩料にその分が上乗せされる。結局は患者が払わなければならないってことだよ。」





悲しいことに病院とは付き合いが長いため、医療用語や薬剤については多少の知識があるが故に、否が応でも必要以上のスリルを味わいながら読んでしまった。




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5 産科医療の現実をあらわにした限りなくノンフィクションに近い作品。
4 実地産婦人科医の苦悩と叫びが聞こえてきます
4 現役産婦人科医による渾身の一撃
5 産婦人科医になる決意をさせてくれた本
4 今、目の前にある医療危機。


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