すべて社長が決める給与
社員20人ほどの会社ですが、給与や役職などはすべて社長の考えで決まってしまいます。
社長から見た社員の技術や感性で決まっているようですが、一部の社員から不平が出たりして、役員としても疑問を持っています。どのように対応すればいいでしょう。
御社は20人以上の人が従事している立派な会社だと思います。これだけの人がしっかり仕事をして、存続しているわけですから、給与や評価の仕組みもしっかりしているはずです。そうでなければ、存続しないと思います。
御社には、立派な人事制度(賃金制度や評価制度)があるのです。ただ、それが明文化されていなく、社長さんの頭の中にあるだけで、他人から見えない状態になっているのです。
ですから、社長さんの頭の中にある立派な人事制度を、他人にもわかるように明文化すればいいわけです。
そして、その明文化する時に、より今後の経営環境に合うように微調整すればよいわけです。
これまで業績を上げ続けてきたすばらしい実績がある現行人事制度(社長さんの頭の中にある仕組み)を無視して、全く違った新しい人事制度を導入すると、逆に混乱して業績が落ちてしまうことになります。
● 賃金に関して、次の3点を見えるようにするとよいと思います。
個人の賃金は
・ 会社の業績とどう連動しているのか
・ 自分の評価はどうなっており、その評価とどのように連動しているのか
・ 自分の役職や等級、(場合によっては年齢や勤続)などとどのように連動しているのか
とうことです。
まず、会社の業績がよくなると、個人の給与や賞与がよくなるということを見えるようにすることが必要です。
今までもそうだったと思いますが、それを見えるようにすることが必要です。そうすれば、会社と社員は共通の目標を持つことになります。
世間相場も大事ですが、我が社の業績との連動をわかるようにすることが大事です。
また、給与に関してはいくら昇給させるかではなく、いくら支払うのかという総額で考える方が大事です。
● 個人の評価については、次のことを明確にするようにします。
その人、その立場、役割の担当者に対して、どのような成果を上げてほしいのか、また、そのためにどのようなことをして欲しいのか、この2点です。
私はこれを期待成果と期待行動と言っていますが、この2点を各役割について明確にすることが大切です。
○ 期待成果 (期待通りの成果を出してほしいという期待です)
どんな成果を出して欲しいのか、明確にすればよいわけです。
営業数値や生産性、不良率など仕事の結果について、評価するようにします。
○ 期待行動 (期待通りに業務を進めて欲しいという期待です)
その仕事をどのように進めて欲しいのか、 どのよう仕事ぶりがよいのか明確にすればいいんです。
これは文章で表現することになりますが、 後から判定できるように、表現に気をつける必要があります。
また、これは職種によって異なりますので、職種ごとに作るとよいと思います。
その他、必要であれば、勤務態度に関する項目を入れるとよいと思います。
評価に仕方については、評価をする人はもちろん、評価される人にも考課者訓練を行って評価ルールや基準の共有化をかかります。
評価される人にも基準やルールを公開することで、評価する方も安易にできなくなり、妥当な評価をするようになります。
ホームページの成果向上型人事制度の作り方 に順を追って解説していますので、参考にしてください。
また、具体的な評価シートや賃金表を収録した「成果向上型人事制度の作り方マニュアル 」もあります。
以上、よろしくお願いします。