今回は、松内ミネラルコレクションの館長に声をかけていただき、にしわき経緯度地球科学館主催の採集・観察会に説明員として参加させていただいたお話です。この科学館については、当ブログでご紹介しましたので説明は省きます。

今回の会の目的地は、多可郡多可町にある鉱山跡で、『日本の鉱物』(成美堂出版)にも載せられている「牡蠣殻状方解石」の模式地として知られている所です。


午前中、館長と私は下見をするため現地へ入り、見本の標本用にいくつかの石を割ったり、安全確認をしました。


さて、午後1時半に集合場所にて、簡単に自己紹介・諸連絡を行い、さっそく車に分乗し、現地へ向かいました。当鉱山跡は、他の各地の鉱山跡と同様に、管理者に申し入れをしてから入山します。近頃、鉱物類を根こそぎ持ち去ったり、後片付けをしないなど、心無い人たちにより現地が荒らされ、その挙句に入山禁止になった場所が多々あります。今回の鉱山跡も、区長宅へ伺い、ゲートの鍵をお借りして入山しました。それを無視しての入山・採集等は禁止されています。


当鉱山跡の地質については次の通りです。(松内ミネラルコレクション作成資料『兵庫県に見る造岩鉱物・脈石鉱物』から抜粋)


岩石…生野層群・生野酸性火山岩類;流紋岩・凝灰岩・溶結凝灰岩・斜長流紋岩

産出鉱物…黄銅鉱・閃亜鉛鉱・方鉛鉱・黄鉄鉱・硫砒鉄鉱・蛍石・方解石(牡蠣殻状も)・孔雀石・ブロシャン銅鉱・サーピエリ石・ラング石・青鉛鉱・石膏・緑泥石族・石英・珪孔雀石


現地前に到着し、先ずは産出鉱物の特徴や、ルーペ等、道具類の使用について、さらに安全面に関して松内館長から説明を受けます。みなさんは大変熱心に聞いておられました。
石さまざま 石さまざま
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さあ、現地へ入りましょう。

川筋に大小様々な礫が堆積しています。みなさんそれぞれ、思い思いにこれと思う石をハンマーで割っていきます。ハンマーを使い慣れていない方もおられ、最初は悪戦苦闘されていましたが、徐々にあちらこちらで槌音が響き始めます。館長と私は、大きな岩石を大ハンマーで割り、皆さんの採集の手助けをします。

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しばらくすると、館長や私の方へ来られての質問が出始めます。今回の産地は私も経験しており、産出鉱物もごく基本的なものでしたので、私でも何とかお答えすることはできました。やはり、閃亜鉛鉱方鉛鉱の違いや、結晶していない黄銅鉱の特徴が把握しにくいようでした。
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右下写真は採集できた「牡蠣殻状方解石」の一部です。
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時間を忘れて採集に集中していて、気づけばもう4時でした。みなさんは(私もそうですが)全身汗だらけでした。さて、集合し、館長からまとめの話があります。中には、蛍石様のものを見つけた方もおられて、私がミネラライトを当てて確認して、間違いなく蛍石だとわかり、大変喜ばれていました。私もその笑顔を見てうれしく思いました。
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採集が終わり、今度は「松内ミネラルコレクション」の見学へと向かいます。

建物の外見からは想像もつかないような膨大で整理されたコレクションを見て、見学されたみなさんは、大変驚かれていました。そして、次々と熱心に館長に質問されているのが印象的でした。
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皆さんが帰られてから、いつものように館長と石談をしました。

今までは私も終始質問するだけでしたが、今回はアシスタントとして館長の手助けができ、非常に成就感がありました。たぶん、館長は私にこのような経験をさせることによって、知識を確認し、勉強させてくれたのだと思います。次は、夏に行われる「科学の祭典」のスタッフです。実に楽しみです!





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