非嫡出子(婚外子)のハナシ 2 法定相続差別 | 共同合宿所

非嫡出子(婚外子)のハナシ 2 法定相続差別

なんといっても、婚外子の差別問題として大きく取り上げられるのは、相続差別でしょう。

民法900条では、婚外子と婚内子が居る場合、婚外子の法定相続分を婚内子の二分の一と定めています。

つまり、生まれながらにしての差別を法が規定しているのです。

ゆえに、憲法14条の法の下の平等に違反するとして「婚外子相続裁判」がなされましたが、残念ながら、1995年最高裁は10対5で、合憲であると下してます。

なお、国連の規約人権委員会は、婚外子の法定相続差別を撤廃するよう、日本に対し、度重なる勧告をしています。


法定相続差別を肯定する側の言い分としては、貞操を守り、法律婚を保護する、という立場をとります。しかし、だからといって、その子供が差別されるのはいかがなものかと。しかも、どうせ、婚外セックスの抑止力にはなるわけがない。

また、婚内子の立場を守る、という主張から、自分にもし婚外子の兄弟がいた場合、婚内子である自分と同じ額の財産が彼らに相続されるのは、心情的に嫌である。と言う人もいます。まあ、なんとセコくて幼いことか。


戦前は、家督相続制度により、家を継ぐ長男がすべての財産を相続しました。であるから、戦後民法は、婚外子にまで相続の権利を(1/2とはいえ)与えてやった、という立場なのでしょう。

しかし、私に言わせれば、逆に、不貞をした男を保護してやっているようなものです。婚外子への責任も半分ってとこでしょうか。都合がよすぎるってもんです。


しかも、婚外子は、父との関係は、認知があって初めて父子関係を生じます。よって、父が認知しない限りは、相続は母からのみとなります。

そういえば、昔、姉のアパートの住民で、不倫の末、妊娠した女性がいました。彼女は非婚での出産を決意したそうです。姉はその女性に、父親の男性に認知をしてもらったほうがいい、と言ったのですが、彼女はガンとして聞きいれなかったそうです。相手の妻や子供のことを考えたのでしょうか、自分の美学でしょうか。

しかし、相続は子供の権利ですから認知はしてほしいものです。もちろん相手に子供(婚内子)が居れば、相続は彼らの1/2となってしまうわけですが。(また、相手が借金を持っていれば、借金も背負うことになりますが・・。)

なお、父が認知に応じない場合、裁判によって、強制認知という手段をとることもできますが、かなりやっかいでしょう。


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