第48講 仮定法は「フツーじゃない」カタチをとる
今回はセンター試験の問題だ。
( ) his advice, we would never have finished the work on time.
Accepted
Excluding
Not for
Without
↓ ↓ ↓ ↓
まず最初に
we would never have finished
という単語の並べ方からして どんな感じがする?
「ふつうじゃない」と思わない?
ふつうなら
We would never finish
または
現在完了なら
we have never finisihed
のはずですね。
ということは
we would never have finished
は「変だ」「異常だ」
つまり「フツーじゃない」ということになります。
これは いわゆる あの 仮定法 の文なのです。
仮定法はたいていの文法書の最後あたりに出てきます。
高校の英文法ではいちばん難しい項目のひとつということになっています。
仮定法というのはいったいどのようなことを言いたいための表現なのか。
一言で言えば
この 仮定法 という表現は
「普通じゃないことを言っているんだ」
ということをはっきり伝えるために生まれた形だとぼくは思っています。
「普通ではないことを言っているんだぞ」
という印象を与えるそのために
あえて「文法のルールに違反した形」を作っている。
正解は Without (~がなければ)なのですね。
「彼のアドバイスがなかったら、
ぼくらはけっしてその仕事を時間どおりには終わっていなかっただろうね」
つまり 「過去の、事実ではなかったこと」を言っているのです。.
事実は「彼のアドバイスのおかげでぼくらは仕事を時間通りに終えることができた」
なんですね。
ここで整理すると
現在のことなのに→ 動詞の過去形 を用いるのが 仮定法過去
過去のことなのに→ 過去完了(had+過去分詞) なのが 仮定法過去完了
となります。
仮定法過去 If +S+過去形~, S+would/could/might + 原形
仮定法過去完了 If +S+had+過去分詞~, S+would/could/might + have+過去分詞
あの 「時制 のルールはいったいどうなってるんだ!」と叫びたくなります。
英文法のルール違反としか言えませんね。
ここでしっかり押さえておかねばならないこと。
それは
現在のこと→しかし事実ではないことを言いたいとき→動詞の過去形を用いるのが 仮定法過去
過去のこと→しかし事実ではないことを言いたいとき→過去完了(had+過去分詞)なのが 仮定法過去完了
ということですね。事実ではないということをしっかり伝えたいわけです。
そのためにあえて時制の一般的なルールに違反したカタチを使うのでしょう。
without と同じような意味を表す
but for とか
If it were not for
If it had not been for なども
仮定法でよく用いられます。
Without your help, I would have failed.
=But for your help, I would have failed.
=If it had not been for your help, I would have faild.
=Had it not been for your help, I would have failed.
(君の助けがなかったら、俺は失敗していただろうね。)
仮定法は 難解で堅苦しい表現に見えますが
新聞・雑誌でも実際によく用いられる表現です。


