常同行動とは何か?

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常同行動について考察します。

自閉症の方には、ひらひら手を動かす、理由もなくニヤニヤ笑う、指吸いや、ぴょんぴょんと跳ねたりするなどの感覚的なあそびを繰り返す、常同的な行動があります。

これを「常同行動」と呼びます。

この行動の正体は、本人が嬉しいからしているのでしょうか?調子が良いからするのでしょうか?その人の個性なのでしょうか?


私は違うと考えます。


この行動に長時間浸らせたまま放置してしまうと、すべき課題(学習・作業・食事など)の途中途中で常同行動を繰り返すようになり、その度に手が止まるので、課題を通して知識や技術を得る、その大きな妨げになってしまいます。

また、先生や大人の言うことに応じなくなり、周囲や環境に合せた行動が取れなくなるケースを多く見ます。


私は決して良い行動だとは思えません。

その常同行動の様子を、よく第三者としての視点で見ていると、何か目的があってしているわけではないことがわかります。

いつもは近寄ったりしても普通でいるのに、その常同行動の最中にふっと近寄ると、

異常な程びっくりした様子を見せることもあり、ほぼ無意識状態に近いのかもしれません。


健常者の方が机に向かって考え事をする時、ついつい机をコツコツ指で叩いたり、ボールペンの芯をカチャチャさせたりすることがありますが、あれは普通無意識でしていると思います。例えるならそんなところでしょう。

それをしながら考え事をする訳ですが、逆にボールペンをカチャカチャさせながら意識が飛んで行ってと言うような状況に近いのではと感じます。

ニヤニヤしているから嬉しくてたまらないのだろう、ピョンピョンするほど楽しいことがあったのだろう、

そんな適当な人の見方がありますか!?私は本質を考えたい。


無意識下で行われるこの常同行動は、

いわゆる「反射行動」にとても似ています。


反射行動は、ある刺激に対して、無意識的に反射的にしてしまう行動であり、

常同行動は、何も刺激がない状態が続くと、無意識的にしてしまう行動...


この無意識下で行われる行動と言う点です。

そして、常同行動の状態が続くと、反射行動に移行しやすいと言う点です。

反射行動は、○○した(された)瞬間、即座に○○をしてしまうと言う性格の行動である為、

いわゆる「飛び出し」「多動」などの原因です。多動であれば、着席の持続も困難な為、勉強や作業技術の習得も困難になります。


つまり、着席を持続し、勉強(文字や言葉の獲得)や作業技術を習得する為には、多動や飛び出しを軽減していく必要があり、多動や飛び出しを軽減する為には、反射行動を軽減する必要があり、反射行動を軽減するためには、常同行動を軽減する必要があると言うことです。


常同行動は無意識的にしてしまう行動であることは既に述べました。

それを軽減するにはどうしたら良いのか...

逆を考えれば、無意識的ではなく、意識的な行動に変えるのが効果的だと言うことです。


手持ち無沙汰で何もすることがなく、暇な待機時間が多ければ多いほど、常同行動は誘発されます。

本当に簡単な課題でも構いません。簡単でわかりやすい課題が良いのです。

例えば、座っている状態であれば、紙の上に手型を書いておき、それに手を合せて10秒とか30秒とか時間を決めて手を制止させる練習。それが出来たら、手形を外しても出来るか30秒とかのカウントがなくてもできるかとかステップを少しずつ上げていきます。立っている状態であれば、紙に足型を書いておくことで、同様に行えます。

そういった意識的に体をコントロールする課題に慣れれば、行動が落ち着いてきます。


※ただ実際問題として、足元や手元を意識することが難しいケースもありますので一概にはこの方法が良いとは言えません...


自閉症と言う障害は、言葉でのコミュニケーションが苦手なことが特徴です。無理に理解出来ない言葉かけを繰り返してイライラさせてしまうより、こう言った視覚的に分かる課題の方が取り組みやすいのです。


TAKAHIRO

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