豊洲新市場の地下空洞について小池知事が緊急記者会見を行った。
報道では謎の地下空洞と報じていたが、写真を見る限り私には「地下ピット」のように思える。
地下ピットは通常のマンションにも存在する当たり前にある物だ。
なので、空洞は問題ではない。
そもそもの問題は、盛り土の高さを地下ピットを考えずに決めた事だと私は思う。
地下ピットは配管や配線の為に必要な構造物だ。
通常のマンションなら私がかがんで歩ける程度の高さがあり、そこに収納する設備の大きさによって高さが変わる。
築地に変わる市場なら、水道設備だけでもかなり大型の物が使われるだろう。
その規模からすると、空洞の高さは頷ける。
それだけの地下ピットを作るとなれば、少なくとも2倍ほどの盛り土が必要になるだろう。
構造上の問題は、水が溜まっている事だ。
その水がコンクリートのクラックから来ているのか、結露によって溜まっているのかで問題の大きさが変わる。
クラックからの漏水なら、高濃度の汚染物質が溜まっている可能性が高く、結露ならその心配はない。
そして何より、通常は釜場と呼ばれる1メートル四方の穴の中に、水中ポンプが設置してあり、溜まった水を排出するようになっている。
写真で見るような量の水が溜まっていたと言う事は、水中ポンプが作動していなかったか、誤って電源を落としたか、それとも意図的に電源を落としたかである。
私が不思議に思うのは、テレビでコメントしていた一級建築士という肩書きを持っている建築エコノミストが、地下ピットに言及しないのか?と言う所にもある。
一級建築士なら、それが地下ピットである事くらい分かるだろう。
それが分かれば、一番の問題は盛り土がなされていない事ではなく、そもそもの盛り土の高さある事くらい分かるだろうに。
まあ、なんとなく事の本質が分かるような気がする。
盛り土を4.5メートルと決めて、施工したたまでは良いが、上物の工事が始まって地下ピットどうするんだと言う事になり、どうせコンクリートで固めてしまうから問題なしと判断し、そのまま工事を進めてしまったのだろう。
恐らく、造成と建築は請け負い業者が異なっていたのではないだろうか?