「忘れられない一言」

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「忘れられない一言」



誰にでも


忘れられない一言


というものがある。




私も瞼を閉じて、

思い出してみれば、


様々な方からのアドバイスや


感動や感謝の言葉が


頭の中を駆け巡るのだが、



ただ、


どうしても最初に頭に浮かんでしまう

忘れられない一言がある。

今日はその話をしよう。





あれは高校一年の時、

最初の球技大会がソフトボールと

決まった時のことだった。




男女混合チームでの試合を

義務づけられていたのだが



私のクラスでは・・・


キャッチャーのなり手がおらず、


マジに困っていた。




当然、

キャッチャーは男子と決めつけていたので

男連中に聞いたのだが、


誰もやりたがらない。


さて、どないしようかなと悩んでる時、


クラスメートの女の子が

「Hさん、女やけど

小さい頃から

お兄さんとよく公園でソフトボールしてて、

キャッチャーもしてたよ」


と教えてくれた。



女子がキャッチャー?


当時、さすがに違和感を感じたのたが、

なり手がいないので思い切って

Hさんに頼んでみた。


すると、なんと快諾。



休み時間に

クラスのエースの球を捕らせてみると、




これがなかなかいける


て、言うか上手い。



バッター立たせても、

ちゃんと捕球するし、

女子にしてはスローイングも様になってる。


「やるやん!」


「そうかな、エヘッ」

なんかうれしそう。


中学からいっしょの、

彼女の知らなかった一面に感心した。

ちなみに、知ってる一面は、

かしこくて、おとなしい。


それ以外に、


マジメなんだけど、


実は変なスケベというか、


男子に向かって平気で




「お兄ちゃんに聞いたけど、

男の性器は

ペ○スって言うらしいな」



とか平気で言ってくる一面も持った子だった。





「じゃ女子は

なんて言うと思って


お兄ちゃんに聞いたらな、


お・・・」


慌てて、男子が口を押さえたりする、

そんな感じ。


ただ変わってるけど、

下ネタ通じる女の子ということで、

男子ウケがよかったことは間違いなかった。






そして、いよいよ球技大会当日。


相手は強敵のクラス。野球部が多い。

事実上の決勝とも呼ばれていた。



一回表。

相手の攻撃。


グランドがざわついた。

「キャッチャー、女やぞ」


完全に相手チームが動揺してる。

まさかキャッチャーが女子とは思ってなかっただろう。


装備はキャッチャーマスクだけなので

「びびって捕れへんやろ」

という声が聞こえてくる。

そのヤジをHさんが、

ウォーミングアップの球を

ナイスキャッチングして黙らせた。


いける。こっちのペースや!


サードから、見ていた私は、

ホントにHさんが

キャッチャーやってくれてよかった!


正解や!と思った。



相手の1番バッターが出てきた。


野球部のやつだ。


でかい。


すごいスイングを


ブンブン


としてバッターボックスに入って来た。

こいつを打ち取れば、さらにこちらのペースだ!


Hさん!たのむで!






ピッチャー足が上がった。



息をのむ。


Hさんが、構える。



第一球・・・・投げた!


速球だ!


あ、初球から振ってきた!


ブンッ!

相手が

すごい速いスイングすぎて

タイミングが、わずかにずれた。



そして、ボールがバットの下に当たり、


恐ろしいバックスピン

でベースの後ろへ飛んで、ワンバウンドした。


そして、バックスピンボールは、

着地した衝撃で速度を一気に加速させ、

物凄い勢いで!


Hさんの股間にメガヒット!




コーン!

「おぶっ!」


当たった鈍い音と、

声にならない叫び声がサードまで聞こえてきた。


そのまま、股を押さえ、

ゆっくり前のめりに顔から倒れたHさん。


審判がファールと告げるより早く、

内野手が皆駆け寄った。

あ、あそこ打ったはず。しかもかなりきつく。

それは皆がわかっていた。

ただ、そうとわかって駆け寄ったものの、


股間を強打した

女子の介抱の仕方など誰もわからない。

打った周囲をさするなんてとんでもないし、

トントンとケツを叩くのもNGだろ。

「う・・うう」
唸り声が聞こえる。あかん、マジにヤバイ。



そこへ担任の女の先生が走ってきた。

「辛そうやから、仰向けにしてあげて」

先生が上半身支えて、

皆で仰向けにしてあげた。


悲しいかな、

ブルマの股間のところに、

くっきりすぎるくらい

ソフトボールの跡がついてる。


心配した先生が尋ねた。



「どのへんが一番痛い?」



おそらく先生は、

当たった場所がはっきりわかっておらず、

上半身支えてるから

股間ボール型も見えてないのだ。


痛みで朦朧としながらも、

Hさんは先生に伝えようとしている。

でも、なんて言おうか
迷ってるようだ。




「何処が痛い?言いなさい!」

先生が心配しすぎてか大きな声を出し始めた。


Hさん、困りに困って、

でもいい加減言わなあかん。

そして意を決したような表情で、

何故か私の方を見た。

「言うよ」

と確認するような視線を送りながら・・・



「お」と最初の一文字を言った。




「お?」

あぁあ!

ダメダメ!あかんあかんあかん!


教師にお兄ちゃんに聞いた股間の名称で言おうとしてる~!


(て言うか、何故私に確認の視線を送る?)



私は、黙って首を横に何回も振り、

その呼び方で言ってはだめえぇ!

と必死に視線で伝えた。


「お・・・の次なんや?」

あ~先生、聞かんでええのにぃ。


あの呼び方を封じられ、


さらに痛みの中、「お」から始まる言葉で、

自分の強打した股間の具体的名称を

先生に伝えなければいけなくなったHさん。

一瞬黙ったけど、

もう背に腹はかえれないと、


めっちゃ困った目をしながら

先生にこう伝えた。








「お、おとこで言うと、

ペ○スの部分・・・です」










固まる先生。





固まるクラスメート達。



・・・  ・・・  ・・・


その言葉を伝えたHさんは、

股間を押さえ、

極端な内股で、フラフラしながら

先生二人に支えられ、保健室に消えて行った。


いったい、

どのような治療が施されるのか?


彼女の身を心配するより、

そんなことを想像しながら、戦ってたら、


最終的にうちのクラスが優勝してしまっていた。




でも、優勝した喜びよりも、


その、薄れゆく意識の中で、

極限とも言える状況に追い込まれた彼女の一言。


「おとこで言うと、

ペ○スの部分・・・です」

が今も私の心に残っている。



いまだに、

自分の股間をそんな例え方する女の人に

出会ったことがないからなんだろうか?



彼女の顔や声の記憶が薄れゆく中、

その言葉だけが今も鮮明に残っている・・・






誰にでも忘れられない一言がある。


私の場合を伝えさせてもらった。






よかったら・・・・



貴女も、必要な場面で

使ってほしい一言である。


使うか!



チャンチャン♪




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