2005-06-15

ヘレヴェッヘのベートヴェン4&7演奏会/札幌コンサートホールKITARA/6月13日

テーマ:コンサート評

■フィリップ・ヘレヴェッヘ~ロイヤル・フランダース・フィル演奏会


 日時:6月13日(月)、PM7:00開演

 場所:札幌コンサートホールKITARA

 オール・ベートーヴェン・プログラム

 曲目:「コリオラン」序曲

     交響曲第4番

     交響曲第7番

 


座席はピット席2列目の中央。ヘレヴェッヘの指揮、楽団員の表情が手に取るように分かる。

予想していたのは、東京で「第9」を演奏し、一日で移動で演奏会だから、疲れているのでは、とか、演奏に力が入らないのではと考えていたのだが、「コリオラン」の最初の二音で杞憂であることを悟る。張り詰めた空気のホールに音が響き渡る。ヘレヴェッヘは、そして楽団員も少し天井を見上げ、響き具合を確認し、演奏を進めた。一つ一つの響きを大切にしているのだ。ヘレヴェッヘの指揮は明快で理解しやすい。右手の指の具合でリズムの縦と、メロディーの横のラインを巧みに表現する。左手で旋律の絶妙なニュアンスを、特に指先で表現する。古学のスペシャリストなので、ノリントンやブリュッヘンなどの前のめりになるほどの快速な演奏ではと考えていたが全然違う。ロマン派とは別の領域で柔らかいのだ。指揮も演奏も羽毛を撫でるかのようなデリケートなもの。しかも適度にダイナミック。アーノンクールのように考えすぎているふうでもない。何よりもヘレヴェッヘが、古参の団員まで、アイコンタクトをして、楽団員全員が音楽を奏でる喜びを表情に出しながら演奏しているのが良かった。しかめっ面で演奏する日本のオケとは違う。この点はある意味、室内楽的でさえあった。一人一人が極めて創造的なのだ。4番のオーボエ、7番のホルンも上出来であった。楽譜に忠実に反復をすべて行なっていたのだが、ただ繰り返すのではなく、微妙にアクセントを変化させたりして、反復の必然性を感じさせたあたり、さすが。これは特に4番、7番、それぞれの3楽章で。

アンコールは7番の2楽章、後半。7番の初演の時と同じだ。このあたり、通をうならせる趣向と見た。

いつものように「出待ち」してサインをいただいたが、ホール内での「打ち上げ」を抜け出して来てくださったにも関わらず上機嫌。ただこのサインをどう読んだら「ヘレヴェッヘ」なのか、このサインでホテルに泊まったり、カードで買い物できるのかは疑問。そう言えば、カラヤンもこのようなギザギザしたサインであった。

最後に。コンサートにはもっと足を運んだほうが良い。今回は6割ほどの入りか。音楽ファンは「ヘレヴェッヘ」というキーワードで会場に駆けつけて欲しい。彼は今やウィーン・フィルやベルリン・フィルの常連。いずれチケット代は高騰し、札幌になど来なくなるのだ。確かに札幌は7月にPMFという音楽の大イヴェントがある。しかし、今回の比較的リーズナブルなコンサートに皆が来ないのが、不思議でならない。わたしの座ったピット席よりはるかに安い席も、ガラガラであった。100万都市で2000席強の座席が埋まらないことに、たった一夜のコンサートのために駆けつけてくれた彼らに申し訳ないと感じたのはわたしだけであろうか。7、8年ほど前だろうか、エッシェンバッハ指揮、北ドイツ放送交響楽団の演奏会の時も同様であった。あれから、エッシェンバッハは、様々なオケのシェフを兼任するようになり、札幌どころではなくなった。聞き時、旬を考えて欲しいのである。

ヘレヴェッヘ

ヘレヴェッヘのサイン

karajan

カラヤンのサインもこんなにアバウト

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