ジャズミュージシャンに対して、「好きなことやって生活できていいね」と無邪気に言う人がいる。

こう言われるとジャズミュージシャンはどう感じるのだろうか?

「好きでやってるけど、会社勤めの人以上に努力して苦しんで、嫌な目にもあってるんだよ。好きなことやって生活できていいね、なんてものじゃない」と感じる人も多いのだろうなと思う。

 

世の中、どんな職業についてもそれなりに辛いことだらけである。

 

しかし、多くのジャズミュージシャンからの非難を覚悟で言うと、やはり、「好きなことで生活できていいな」と思ってしまう。

 

職業の選択に当たっては、「できること」、「やりたいこと」、「やるべきこと」という3つを考えることが重要だということがよく言われる。

そして、この3つの問いかけに対する答えの重複する部分に、自分自身の「天職」に近いものを見つけ出すことができると。

しかし、深く考えれば考えるほど、多くの人は「やりたいこと」と「できること」のギャップに悩むのではないだろうか?

あるいは、「やりたいこと」が分からなくて、終わりのない「自分探し」の旅に出てしまう人もいるだろう。

生活のために「やりたいこと」を犠牲にして「できること」でお金を稼ぎ、定年退職後に、やっと「やりたいこと」を始めるという人も多いだろう。

ジャズミュージシャンでプロとして長年活躍してきた人たちは、「できること」、「やりたいコト」、そして一部の人は「やるべきこと」も一致した、ある意味、幸せな人たちだと思ってしまうのです。

 

*この考え方は、エドガー H. シャイン博士の「キャリア・アンカー」という考え方が基礎になっています。興味のある方は、「キャリア・アンカー―自分のほんとうの価値を発見しよう」、「キャリア・サバイバル―職務と役割の戦略的プラニング」を読んでみてください。

 

苦労しているジャズミュージシャンの皆さま、ごめんなさい。

 

 

AD