読書記録のボトムラインとして、本のタイトルくらいは記録しておきたいと思います。
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2011-05-05 テーマ:読書感想

「女川原発」地域とともに

「女川原発」地域とともに/渡部 行
¥1,785
Amazon.co.jp



福島第一原発は最高レベルの事故の処理の真っ最中だけれども、女川原発は避難所にもなっている。


その差はなんだろうか?



そんな疑問があり、手に取ったのが本書だった。



地域住民の理解を得られるまで、10年以上の歳月が必要だったこと、それだけの長い間、交渉してきたために、東北電力の社員と地域住民との間で絆のようなものができたこと、原発誘致前は、県道すら通っていない陸の孤島だった地域に県道ができて、いろいろなインフラ投資がなされたこと、そんなことが詳細に記録されている。

原発誘致による経済効果なども事細かな記載があった。



女川原発の立地は、そんな地域をヘリコプターで視察している際に発見したらしい。

三方を山に囲まれた砂浜があっって、そこが原発立地の最適地だと直感したということ。



小さな漁村を原発推進派と反原発派とで、二分する争いがあった。顔見知りの近所で反発するだけでなく、家族で反発する世帯もあったらしい。

1970年代のオイルショックにより、事態は変わり、資源を輸入するしかない日本は、原発を推進しなくてはならないという機運が高まった。




地域とともにという一節がタイトルにある。

地域とともにある原発のエピソードのひとつとして本書の中では、ダンプカーの運転手に対する教育が紹介されていた。

安全運転を徹底的に指導し、妻子のある運転手を起用したみたい。女川原発建設にあたってのダンプカーは、丁寧な運転だったとあった。





本書から気になった節をいくつか引用



「チェルノブイリ原発の事故は重大であり、このあと世界的に原子力発電への不信、反原発の動きが強くなっていった。だが、反原発の人達がいっている数千人が死亡、子供の甲状腺ガンが多く発生しているということはない。日本の原発では起こり得ない事故だが、世界のどこで起こっても影響は同じだけに、安全性はやり過ぎるということはない。」

(P.98)



チェルノブイリの事故は、欠陥のある設計と禁止されている操作を行ったことによる爆発でした。そのことを受けて、日本の原発では起こり得ないと指摘したのだと思います。


「安全性はやり過ぎるということはない。」はその通りですが、甲状腺ガンの発生率が高くなっているというデータは見たことがあります。何についても言えることですが、データを示さずに、結論付けるのは危険なことだと思います。後述する事故の比較のURLでも6,000人が手術を受けたとありました。(本書の発行が1999年で、WHOの発表資料は2006年ということを考慮する必要はありますが。)

ただし、チェルノブイリ事故の放射線による因果関係が認められている公開されている信頼できるデータというのは無いのだろうと思います。

事故の比較: http://www.kantei.go.jp/saigai/senmonka_g3.html




「日本は地震国だけに、原子力発電所の耐震性が問題にされている。阪神淡路大震災の発生後は、とくに神経質だが、日本の原発は大地震にも十分耐えられるよう設計されている。」(P.126)



女川原発の建設にあたっては、大規模なボーリングを行い、活断層が無いことを確認したそうです。

見落としたかもしれませんが、津波に対する備えについては、記載がありませんでした。高台に建設されたのは、たまたまだったのかもしれません。


原子炉そのものの地震によっての破壊は無かったようですが、福島第一原発では、外部電源の受電設備が地震で破壊されて、予備電源が津波で破壊された。そのために原子炉の冷却ができなくなり、レベル7の事故になった。

電源の多重化をしていたものの、二重障害が発生したことになります。


コンピュータシステムの高可用性の設計をする際は、二重障害を想定しないことが多いです。理由としては組み合わせの数が甚大になるためです。

それでも原発に対しては、その労力を惜しまずに検討して欲しい。

受電設備が1ヶ所しかなかったというし、鉄塔は地震で破壊された。耐震性の検討は、原子炉ばかりに注目したのだろうか。




P.148から放射線ホルミシス効果について記載があります。

低レベルの放射線ならば、むしろ有効な効果があるのではないかという学説です。本書では研究が進められることに期待して結んでいますが、その後の研究により、WHOからは、ラドンは肺がんのリスクを上げることが分かったようです。http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs291/en/




「原子力関連事業に従事する人達は、ちょっとした過失、事故も大きく報道される。まして意識的なデータ改ざんなどは絶対に許されない。原点に帰って肝に銘ずる必要がある。」(P.193)



原発を作り上げた世代というのは、様々な苦労を乗り越えて、ようやく運転にこぎつけたという気持ちがあると思う。だから、安全性に真剣に取り組み、尽力したものと思う。

それから世代交代があって、どのように変わったのだろうか。。。




本書の発行年月は、1999年5月

この後に発生する東海村のJCO臨界事故も、柏崎刈羽原発を襲った中越沖地震のことも、もちろん福島第一原発のことも知らない状態で書かれたもの。そのあたりは考慮することが必要だと思うけど、原発推進の本でした。



2010-08-30 テーマ:読書感想

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら/岩崎 夏海
¥1,680
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流行りの本です。

本屋に行っても、専用コーナーがあるくらいの盛況ぶりです。

あらすじとか、ドラッカーのマネジメントを題材とか、そういった話は、他でもいろいろとあるので割愛します。


数年前に流行ったザ・ゴールと似たジャンルの本かなと思います。


ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か/エリヤフ ゴールドラット
¥1,680
Amazon.co.jp


小説仕立てで、現実の企業の問題を解決していく手法を学ぶというもの。

ただし、もしドラの場合は、企業ではなく野球部である。

マネジメントが、企業だけでなく様々な組織に活用できるという発見を教えてくれます。


ザ・ゴールに比べれば、はるかに簡易な内容なので、サラサラと読めてしまうでしょう。


この本から学ぶことは、


「まさしく本から学ぶ」


ことだと思います。


主人公の女子マネージャが素直にドラッカーのマネジメントにあることを実践していきます。

これは、簡単なようでいて、非常に難しい。

読書をよくしている同僚は居るのだけど、その本にから何も得ていないような、そんな印象さえ受ける事がある。


ビジネス書に限らずだけど、何か本を読んだら、ひとつくらいは、自分のものにしたい。

あくせくする必要は無いし、本に書いてあることをそのまま得られるとも限らない。

もしドラには、本から学び取り、実践に移すというひとつのサンプルが提示されている。こんなところも参考になると思う。



2010-06-27 テーマ:読書感想

Me2.0

Me2.0 ネットであなたも仕事も変わる「自分ブランド術」/ダン・ショーベル
¥1,680
Amazon.co.jp

自分ブランディングの本です。
自己啓発+キャリア開発+Webでの情報発信といった感じ

学生やら、20代の特に新卒2,3年目くらいの人が読むのがいいなと思いました。

2009-11-30 テーマ:読書感想

徹底抗戦

徹底抗戦/堀江 貴文
¥1,000
Amazon.co.jp

ライブドア事件について、ホリエモン自らがつづった書籍です。
マスコミからの一方的なライブドア報道について、彼の見解、当時と現在の認識が日記調につづられています。

ホリエモンの本を読むのは初めてですが、飾り気の無い文書は、好感をもてます。

検察についての彼の印象、ライブドアに強制操作が入らなかったら、どのような方向を目指していたのか、なぜ裁判で争っているのか、そういった内容のほかにも、留置生活についても記述されています。

もし、反ライブドア、反ホリエモンでなければ、一読してみるといいと思います。平易な文書なので、1時間もあれば読めてしまいます。


2009-06-15 テーマ:読書感想

イヤならやめろ!

イヤならやめろ!―社員と会社の新しい関係 (日経ビジネス人文庫)/堀場 雅夫
¥500
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堀場製作所の会長であり創業者の堀場雅夫さんが社内報に掲載していたエッセイをまとめた書籍です。
ハードカバーで発売されていましたが、最近では文庫版もあるみたいです。
僕が読んだのはハードカバーでした。

イヤならやめろという書籍のタイトルにもなっているエピソードは、著者が離婚調停員を勤めていたときの話でした。
離婚調停員として、家庭裁判所にて離婚を申し立てた夫婦の言い分を聞くというもの、著者が担当する夫婦は離婚率が高かった。
裁判所の言い分としては、なんとか仲裁し、丸く治めて欲しいというもの、ところが著者の言い分としては、納得するまで話し合い、その上で晴れてお互いが別々の道を歩むことができるようにするのが、正しい離婚調停のあり方だと主張しておりました。
データは示されておりませんが、一時は取り繕った夫婦は、何年後かに離婚をしてしまうケースが多いということを引き合いにして、その何年かを無駄にしてしまったと結論しています。
会社と従業員の関係も同じようなものと指摘し、1日の3分の1を会社に拘束され、人生の一番よい期間(20代から50代)を働かなければならない。
これは結婚のようなもので、イヤなら、早めに辞めて再出発した方がよいというメッセージです。
ただし、他のエピソードだったかと思いますが、嫌いな上司、相性の合わない上司がいるからといった辞めるのは短絡的であるとしていました。


他のエピソードで面白かったのは、八十一点のヒット商品です。
この八十一点とは製品の完成度のことを指しています。製品の完成度を上げるためには、並々ならぬ努力と時間が必要である。8割の完成度であれば、割合すぐに到達してしまう。そこからの2割が本当に大変であるということです。
一方、完成度よりもスピードを求められる場合もあるでしょう。

すなわち業界によって求められる完成度が異なるということです。

「自動車会社に、「早くできたから、とにかく中途半端でも持っていこう」と行ってみて、信用を失い、一方で、半導体メーカーに百点満点の製品を遅れて持っていって、しかられる。掛け違えたら、両方とも最低になってしまいます。」(P.166)

全くその通りであると思います。

ソフトウェア業界は、動きの早いスピード重視の業界ですが、企業向けシステムを販売することを考えると、売り先は様々な業種、業界となります。
高い完成度を求める会社や、スピードを求める会社、柔軟性を求める会社、様々です。さらに情報システム部門というと、業務を遂行させる情報システム構築が第一義となり、完成度を第一に求めます。
それに応えるように日本のソフトウェア会社は、スピードよりも完成度を求めていると感じます。これでは外資系ソフトウェア会社のスピードに完全に負けてしまいます。
情報ソースは忘れましたが、日本のソフトウェアは、海外のソフトウェアに比べて、3倍品質が高い。ただし、5倍のコストがかかっている。
これでは勝てませんね。


示唆深い、いろいろな気づきが(文庫版なら)500円で得られる。読書は、良書にめぐり合えれば、安くて効率的な勉強法であると思います。
2009-06-04 テーマ:読書感想

もういやだ! この疲れた心を休め、甦らせてくれる 心の専門家50人

もういやだ!この疲れた心を休め、甦らせてくれる心の専門家50人
¥1,000
Amazon.co.jp

この本、いただきました。ありがとうございました。

ありそうで無い、カウンセラーの紹介の本です。
厚さ薄さありますが、50人のカウンセラーの情報が掲載されており、また、顔写真も掲載されています。
アメリカの映画などを見ているとカウンセラーが浸透しているんだなと思いますが、日本では、それほど一般的ではないでしょう。

深刻な状態になる前に、カウンセラーと話をするのがよいと思います。
私が勤務する会社には、EAPの制度があり、匿名で相談できます。こういったものを使ってもよいかと思います。

最初に掲載されているカウンセラーは紙面が多いですが、後のほうは、1ページだけになったりと、これは最初の方のカウンセラーに集中するかなといった印象もあります。
50人分の全てに目を通す必要は無いと思いますので、パラパラとめくって、気になったページを読むといった読み方がいいのではないかと思いました。

最近、うつ病治療で、投薬の量が多くなったといったニュースを見ました。
本書に掲載しているのは、投薬治療に頼らない治療を目的としているということです。料金も掲載されており、カウンセラーの門を叩くには、一読しておいてもいいかもしれません。

スピリチュアルとか、オーラとか、ヒーリングとか、催眠療法とか、そういった話題も掲載されています。


2009-02-11 テーマ:情報システム構築の難しさ

プロトタイピング

プロトタイプを構築して、要件を詰めながら、情報システムの完成度を高めていくことができます。

微妙なニュアンスの違いはありますが、スパイラル開発と捉えてもいいと思います。

スタートにあたりゴールを明示化、共有化することは重要です。


最近の経験ですが、要件を詰めるカウンターパートは、最終要件提示者でないと失敗すると思いました。


2008-09-17 テーマ:読書感想

生物と無生物のあいだ

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)/福岡 伸一
¥777
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非常に興味深いタイトルです。

本書では、ウィルス、遺伝子、DNA、分子(原子)、たんぱく質と順をおって説明されていきます。
生物と無生物の違いは何かといった観点からの解説ですが、非常に分かりやすく、平易な文書で書かれております。
また、読み物としても面白い。

特にDNAの二重螺旋構造を発表し、ノーベル賞をもらったワトソンとクリックについてや、シュレーディンガーの生物に関する考察など、読み応えがある。

また、著者のポスドク時代のエピソードなどもあり、そういった日常が所々に差し込まれているので、学術的な書籍というよりも、エッセイといった印象で読み進めることができる。そういった観点からも夢中になった。

例えば、博士号については、次のように述べている。

「博士号とかけて足の裏についた米粒と解くそのこころはとらないとけったくそ悪いが、とっても喰えない」(P.84)

著者は、日本ではなくアメリカの研究所にてポスドク時代を過ごしていました。
その生活体験記も興味深く読むことができます。


"準備された心"というキーワードが印象的です。

「データが一体何を意味しているのかという最終的なアウトプットは常に言葉として現れる。その言葉を作り出すものが理論負荷性というフィルターなのである。」(P.118)

それを、そのものずばり言い当てている文書を全部引用すると、とても長くなってしまいます。
とんでも無い発見を示しているデータであっても、それを説明するための理論(準備あるいは知識)が無いのであれば、それが一体何を意味しているのかが分からないということです。

セブン&アイホールディングスの鈴木会長は、常に心にフックを用意していて、周辺環境を観察している。そのフックに引っかかるようにしているとありました。これも準備された心であると思います。(参考:過去に読んだ本



最後に哲学的なフレーズですが

「秩序は守られるために絶え間なく壊されなければならない。」(P.166)

生命を構成している元素は常に入れ替わっているそうです。
例えば飢餓状態にあるときでさえ、脂肪細胞に蓄積される事実が観測されたりなどです。

ラットでは、三日もすれば体細胞は入れ替わってしまうとしています。
このフレーズは、弱い部分を壊して、強く作り直すといった機能を説明していました。


2008-09-07 テーマ:読書感想

世界一やさしい 問題解決の授業

世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく/渡辺 健介
¥1,260
Amazon.co.jp

非常に平易に書かれています。
さらっと読むだけであれば、1時間もあれば十分でしょう。
また、対象年齢も中学生くらいから読めるような内容です。

そうはいっても内容は濃く、何度も繰り返し読んで、実践できるように反復することが重要であると思います。
考え方のツールを学ぶ良い本です。
2008-08-12 テーマ:読書感想

フリーズする脳

フリーズする脳―思考が止まる、言葉に詰まる (生活人新書)/築山 節
¥693
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地頭を鍛える系の本かと思ったら、脳外科医が書いた本だった。
本書は、フリーズする脳としてボケの一歩手前の状態となったときに改善させる方法を説明している。


例えば次のような方法が効果的らしい
・朝日を浴びながら散歩をする。
・きょろきょろと周りを見回して、色々なものにピントを合わせる。
・長い話をする。
・音読する。
・ラジオを聴く。

なぜ、このような事がよいのかは本書を見てもらった方がいいと思う。

様々な刺激のある環境に脳をさらして、脳全体のネットワークを常に鍛える必要があるということを繰り返し主張している。


人間の脳はよくできていて、同じような刺激に対してはパターン化して対処することができるようになる。


確かに、車の運転などは最たるもののように思います。
免許取立てのころと、10年以上の経験がある今とでは、運転による疲労度がまるで違います。ある程度のパターン化ができているのでしょう。


この脳が反射的、パターン的になっていくことでボケてしまう。
この傾向は、専門職に現れることが多いということです。本書では大学教授の臨床例が紹介されていました。



この他にも様々な臨床例が紹介されています。

その中には、システムエンジニアの例もあります。

コンピュータの前での長時間労働により発現するのは、うつ病と似た症状が出ることがありますが、フリーズする脳の観点から言うと、高速道路を長時間運転しているようなものであるということです。

対処としては、色々なものを見る。体を動かすといったことでした。
あと会話をする。会話には、脳のいろいろな所を刺激するため、活性化に都合がよいようです。
チャット、メールで済ませてしまいがちですが、きちんと会話をするのがよいでしょう。
PCの前でカップラーメンをすすりながら、デバッグするSEなどを見かけますが、お昼は近くの公園などでお弁当を食べるのがよさそうな気がします。


他の臨床例では、よくできた奥さんとインターネットにより、考えることをしなくなった人が登場します。

仕事では緊張感を持つ必要が無く、パターン化された業務となり、家庭では奥さんが身の回りのサポートをしてくれる。自分の頭で考えて、調整する必要が無いのです。

インターネットで調べた情報は忘れやすいということを指摘しています。

「「知識は覚えるものだ」という意識が希薄になり、「その場で消費するものだ」という意識がより強くなっている。その覚えるという部分を人類共通の外部記憶装置であるかのようなインターネットが代行している。そういう時代になっているのではないでしょうか。」(P.95)


最近の若い人だけでなく、中高年にもネット依存症の人が増えているそうです。

検索する前に思い出す努力をすることも重要でしょう。

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