眠っているちひろを乗せ、暗闇の中に消えて行った山形新幹線つばさ(第77話)。県境の板谷峠を越えた頃でした。夢の中でちひろを呼ぶ誰かの声がかすかに聞こえました。

 

「ちひろ~、ちひろ~」
 

ちひろ:「誰だろう?」

 

朝にさえずる小鳥の声。明るい春の朝の日差しがちひろのまぶたに差し込んでいます。ちひろはゆっくりと目を開けました。隣では愛犬の桜(トイプードル、メス、11歳)と蒼之助(トイプードル、オス、11歳)がちひろをじっと見つめています。

 

蒼之助(トイプードル、オス、11歳)(ちひろ撮影)

 

桜(トイプードル、メス、11歳)(ちひろ撮影)

 

ちひろの母:「ちひろ~、ちひろ~、早く起きなさい。今日は『啓発(アニマルセラピー啓発活動)』の日よ。早く起きなさい。遅れるわよ。」

 

ちひろの母の呼ぶ声がちひろの部屋まで響きます。ちひろは机でアニマルセラピスト上級のテキストを開いたまま、朝まで寝てしまっていたのです。

 

ちひろ:「あれ? どうしたんだろう? 山形新幹線に乗って東京に向かっていたはずなのに・・・。 もしかして・・・夢? 山形に行ったことも、東根に住んだことも、クリニックで働いたことも・・・みんな・・・夢・・・だったんだ。」

 

ちひろは現実にもどり、夢で経験したたくさんの出来事を走馬灯のように想い出すのでした。

 

山形県南陽市の白竜湖(山形新幹線の車窓からちひろ撮影) 

 

月山(左)と葉山(右) 

 

蔵王のお釜 

 

碁点橋から見た北側の最上川(下流方向)には舟が見えます 

 

さくらんぼ、桃、菜の花が競演する果樹園はまるで桃源郷 

 

加温、早出しさくらんぼを頬張るちひろとセラピー犬マメ 

 

紅く実ったさくらんぼ 

 

おすすめの「お姫さま膳(麩料理コース)」 

 

華麗な群舞の花笠踊り(山形花笠まつり) 

 

山車と田楽提灯をもつ子供たちの行列(ひがしね祭り) 

 

燃え盛る炎を見つめるちひろとセラピー犬Koro(御柴灯) 

 

電子カルテに向き合うちひろ 

 

介護施設で一生懸命にアニマルセラピー活動をするちひろ 

 

山形本部のメンバーとセラピー犬たちの研修会(ブラウニーズ・ストーリーにて) 

 

アニマルセラピー啓発活動中のちひろと山形本部のメンバーたち 

 

山形本部の養成犬ボルゾイxエアデールテリアミックス犬たち 

 

クリニックのセラピー犬たち

 

ちひろ:「山形の雄大な自然、月山、葉山、蔵王、桃源郷のような東根の果樹園、さくらんぼ、おいしい郷土料理、伝統文化、院長先生、クリニックの仲間たち、施設の介護スタッフの皆さん、山形本部のメンバーの皆さん、患者さん。そして、山形のかわいいセラピー犬たち・・・」

 

ちひろの眼が涙で潤い、呆然となりました。

 

ちひろは、「ここで経験したことはいつかきっと役に立つ時が来る。いつかはわからないけどね。あとは本人の努力次第だよ。」(第75話)という院長のことばを想い出しました。

 

そして、ちひろは我に返り、すくっと立ち上がりました。

 

蒼之助(左)と桜(右)(ちひろ撮影)

 

ちひろ:「よし!『啓発』がんばるぞ。」

 

外ではもう見事な桜が咲いていました。

 

見事に咲いた桜(ちひろ撮影)

 

見事に咲いた桜(ちひろ撮影)

 

見事に咲いた桜(ちひろ撮影)


夢の中で成長したちひろ。新しい人生、新しい夢に向かって旅立ったのでした。


ちひろに幸あれ!
               (完)
     

                      
(平成29年4月1日)
 

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