山形では梅の花が開花し、暖かくなって来ました。

 

開花した梅の花


しかし、ちひろの去った後、いつものちひろの元気な声が聞こえず、クリニックはひっそりと静まり返っていました。

 

院長:「いつもいる人がいないと寂しいね。どうしているかな。」
 

スタッフ:「・・・」

 

午前の診療が終わるとすぐ介護施設の回診や訪問診療に出かけます。出かける前にセラピー犬Koro(トイプードル、メス、4歳)はいつも抱き上げてくれるちひろの姿がみえないのを心配し、クンクンと鳴いていました。セラピー犬ラッシー(トイプードル、オス、2歳)もちひろがいないことを悟ると往診車の中でしょんぼりしていました。セラピー犬たちも寂しいのです。

 

往診車の中でしょんぼりするセラピー犬ラッシー

 

介護施設ではスタッフたちは院長しか来ていないのを見て言いました。

 

水仙

 

介護スタッフ:「今日は先生お一人ですか?ちひろさんはどうしたんですか?」
 

院長:「3月いっぱいで、もう帰ったんですよ。」
 

介護スタッフ:「そうですか。残念ですね。」

 

介護施設も火が消えたように静まり返り、介護スタッフたちは淡々と介護業務に取り組んでいました。

 

クロッカス

 

ここは101歳の在宅患者宅(第52話)

 

ちひろが贈ってくれた『ハトサブレ』

 

看護師:「ちひろさんは3月いっぱいで帰ったんですよ。在宅患者の皆さんにと『ハトサブレ』を贈ってくれたんですよ。はいどうぞ。」


家族:「まあ、私どもにですか? ありがとうございます。おばあちゃんの101歳の誕生日の写真アルバムは我が家の宝よ。お礼も十分にしないうちに残念ねえ。クリニックを辞めたなんて・・・結婚でもするんですか?かわいいお嬢さんでしたからね。」

 

院長と看護師は一瞬顔を見合わせました。

 

クロッカス

 

院長と看護師:「・・・」


開花したばかりの梅の木の下では椿の花も咲き、セラピー犬ラッシーはちひろを想い出しているようでした。

 

椿の花とともに、ちひろを想い出すセラピー犬ラッシー


                                         
(平成29年4月4日)

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