死生観についての話を院長からミニ講義をうけたちひろは疑問に思うことがありました。

 

ちひろ:「『老衰死』っていうけど・・・。『尊厳死』、『安楽死』、『平穏死』、『自然死』とどう違うのかなあ。また、先生に質問してみようかな。」

 

ちひろは院長にいろいろな『・・死』という言葉について尋ねてみました。

院長はにっこりと笑って、またいつものミニ講義を始めました。

 

椿のつぼみ

 

院長:「難しいことを質問するようになったねえ。

『尊厳死』は助かる見込みのない病人には本人の意思に基づいて、延命処置をせず、人間としての尊厳を保ちながら死を迎えさせることだよ。

『老衰死』は高齢者が加齢によって心身の老化が進み、細胞、組織の能力が低下して死んでしまうことだよ。『老衰死』ではこれといった病気が見つからないことが多い。
『自然死』や『平穏死』も『老衰死』とほとんど同じ意味と考えていいと思うよ。

ただし、『自然死』や『平穏死』は高齢者だけでなく、若い人の場合も含まれる。

『自然死』は自然な経過の先にある死で、できるだけ医療の関与を避け、自然の成り行きに任せた死、『平穏死』は自然に任せた穏やかな死ということかな。だから『老衰死』、『尊厳死』、『平穏死』、『自然死』は多少の違いはあるけれども似ているんだ。

一方、『安楽死』はこれらとは違うよ。病気による苦痛のため、自分の意思で、薬などを使って人為的に死んでしまうことだからねえ。自殺のようなものなんだ。だから、日本では『安楽死』は認められていない。
でもアメリカのオレゴン州、ワシントン州、スイス、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグでは『安楽死』を法制化して認めているんだよ。人には「死を選ぶ権利」もあるということだろうね。

前に話した宗教観、死生観が影響していると思うね。欧米人は自己の権利を主張することが多いんだ。自分のことは自分で決めてしまう。日本人は自分のことも他人任せで死に方も決められない人が多いからね。同じ人間なのにおもしろいよね。

将来、上級アニマルセラピストとして緩和ケア病棟などの現場を訪問した時、『尊厳死』などいろいろな『・・死』という言葉や欧米との宗教観、死生観の違いについて医師や看護師にすらすらとお話しできるようにしっかり勉強しておくことだね。」
 

ちひろ:「わかりました。」

 

 

山形では、もう春を告げるマンサクの花が咲き始めていました。

 

春を告げるマンサクの花 

 

マンサクの花
                      

   
(平成29年3月12日)

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