週1回の定期的な介護施設の回診も終わり、帰りの往診車の中でちひろは院長に尋ねてみました。
 
奥羽山脈の山々

ちひろ:「先生、さっきの新オレンジプランって何ですか?」
 
院長:「いいねえ。質問できるようになったじゃないか。成長したね。わからないことがあったらすぐ調べるか、わかる人にきくことだ。」
 
院長は往診車のエンジンをかけながら言いました。
 
山形本部:セラピー犬グレースとケリー(シーズー)(ちひろ撮影)

往診車が静かに走り始めると、院長のミニ講義が始まりました。

院長:「新オレンジプランは、正式には認知症施策推進総合戦略と言うんだよ。厚生労働省が関係省庁(内閣官房、内閣府、警察庁、金融庁、消費者庁、総務省、法務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省)と共同で策定している。
基本的な考え方は、認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指しているんだ。
 
7つの柱があって、
①認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進 
②認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供 
③若年性認知症施策の強化 
④認知症の人の介護者への支援 
⑤認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進 
⑥認知症の予防法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデル等の研究開発及びその成果の普及の推進 
⑦認知症の人やその家族の視点の重視
 
などがあるよ。アニマルセラピストが協力できるのは①の認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進だろうね。
この項目の中には認知症サポーターの養成と活動の支援というのがあるんだ。今度の研修会(平成29年2月15日)の認知症サポーターの養成講座もその一環だよ。
国の目標は認知症サポーターを平成29年度末まで800万人にすることらしいからね。認知症サポーターは年齢や性別に関係なく、小学生でもなれるんだ。
認知症サポーターは、認知症に関する正しい知識と理解を持ち、地域や職域で認知症の人や家族に対してできる範囲での手助けをする人と定義されている。医療介護関係者だけでなく、社会のみんなで認知症の人を支えようという取り組みなんだ。認知症サポーターになるとオレンジのリングをもらえるよ。」

ちひろ:「今度の研修会が楽しみだなあ。」
 
院長:「認知症の知識や認知症の人に対する接し方は、アニマルセラピストなら是非、身につけなければならないことだよ。」
 
ちひろ:「そうですね。」
 
院長:「日本の医療・介護の問題、2025年問題、認知症人口、MCI、超高齢社会、新オレンジプランなど、上級アニマルセラピストは患者さんや御家族だけでなく、医師や看護師にもすらすらと説明できるようでないと信頼は得られないよ。しっかりと何度も勉強しないといけないよ。」

いつの間にか、往診車はクリニックに着いていました。
 
山形空港から眺められる雪に覆われた朝日連峰

医療介護の問題、認知症の様々な知識を得て、ちひろの眼は輝いていました。
 
(平成29年2月12日)
 
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