セラピー犬といっしょの週1回の定期的な介護施設の回診。
回診中に院長はちひろや介護スタッフたちに尋ねてみました。
 
虫取りすみれ

院長:「この施設にも認知症の人はたくさんいるよね。日本にはどのくらい認知症の人がいるか知っているかな。」
 
ちひろ、介護スタッフたち:「・・・・」

院長:「厚生労働省の研究班のデータによれば、平成27(2015)年には約500万人、平成37(2025)年には約700万人になると予想されているんだ。いわゆる2025年問題にも係ってくるんだよ。」

ちひろ:「2025年問題ってなんですか? 東京オリンピックは2020年ですけど。」
 
院長:「約800万人といわれる戦後のベビーブームで生まれた団塊の世代が後期高齢者(75歳)になることで医療介護費などの社会保障費の急増が懸念されてくる問題だよ。」
 
介護スタッフA:「2025年問題は高齢者が増え、私たち若い世代に負担が重くのしかかってくるのよ。」

ちひろ:「私たちはこれから大変になるのね。」
 
院長:「では、MCIって何だかわかるかな。」
 
ちひろ、介護スタッフたち:「・・・・」
 
院長:「それじゃ、ミニ講義を始めるね。」
 
介護スタッフB:「アッ、また始まった。」
 
ミニおひなさま 
 
ミニおひなさま 
 
ニワトリのおひなさま

院長はカルテに入居者の記録を書きながらいつものようにちひろや介護スタッフたちにミニ講義をするのでした。
 
訪問診療先の玄関に飾ってあったネコヤナギ 
 
ネコヤナギ
 
院長:「認知症には前段階としてMCI(Mild Cognitive impairment)、つまり、軽度認知障害の段階があるんだ。いわば、健常者と認知症の中間段階でグレーゾーンの状態だね。」
 
ちひろ:「へー。」
 
院長:「このMCIの人が、厚生労働省の発表したデータでは平成24年に約400万人だそうだ。5年前のデータだから今ではもっと多くなっているだろうね。認知症人口と合わせると1000万人くらいになっているかもしれないね。
超高齢社会(65歳の占める人口が全人口の21%を超えた社会)になった今、認知症対策が国の喫緊の課題になっているんだ。だから、MCIの人たちが認知症にならないように早期に発見し、早期に予防や治療を行うことが必要になってくるんだよ。
認知症の人が万引きしたり、交通事故を起こしたり、鉄道の線路に入ったり、社会問題になっているニュースを聞くことがあるよね。国はこれらの問題なども重視し、新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)という対策を立てたんだ。
安倍総理大臣も平成26年11月6日の認知症サミット日本後継イベントで、認知症施策を加速するため厚生労働省だけでなく政府一丸となって新オレンジプランで生活全体を支えるように取り組む旨の挨拶をしたんだよ。」

ちひろ:「国をあげて認知症に取り組んでいるんですね。はじめて知りました。でも新オレンジプランってなんですか?」
 
ワンちゃんの人形
 
院長のミニ講義に耳を傾けるちひろと介護スタッフたち。
いつの間にか、回診時間は終わっていました。
 
 
(平成29年2月10日)
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