2008年11月02日 10時50分54秒

貧困と平和

テーマ:ちょっとNGOのウンチクを

開発支援にかかわるNGOの方々と話す時、自分的にはちょっとチガウと思う会話があります。


それは、「貧困は構造的暴力」とか「貧困を減らすことで紛争が回避できる」といった貧困解決=平和(または紛争がない状況)を直接的につなげて語る場合です。とかげ


「構造的暴力」という考え方は、ガルトゥンクが提唱したものです。直接的な暴力(紛争、拷問、レイプ等)だけが問題でなく、貧困のように社会から排除されて長く人をジワリジワリと苦しめるものも、暴力と位置づけ「構造的暴力」とした点は、画期的だったと思います。これはセンも言っているように、人間の安全保障や、生存権の考え方につながり、貧困解決は権利の回復だと位置づけていく流れに、重要な影響を与えたと思います。


しかし、この理論だと、すべての課題が暴力と同列に置き換えるかのように読み取れるため、「貧困問題の解決は平和をつくる」というやや飛躍的な解釈をする人が出てくることです。さらに、実際に発生している紛争問題と、貧困解決のための開発支援が同列であるかのような、使われ方をすることが時にあります。ビックリマーク


もうひとつは、「開発途上国に紛争が多い」から、「貧困をなくすことは、平和活動の一環である」といった、理解の仕方をする人がいます。結果的に開発途上国に紛争が多いだけであって、実は先進国、中進国(すいません、先進とか中進という言葉はあまり好きではありませんが)と呼ばれる国にも、紛争は存在します。実は貧困と紛争の因果関係は、科学的に実証された研究はないと言われています。(もしすでにあったら教えてください) 

しかし、貧困問題が、紛争の一要因になるうると思います。が絶対的な要因ではないと思います。ドンッ


紛争の原因を研究した著作は多いです。多くの場合、民主政治の欠如、資源や利益の独占、国境線の課題、アイデンティティポリティックスの乱用、覇権主義、マイノリティ文化認知の拒否、といった多面的な分析をしている場合が多いのです。


すいません。硬い話でした。(*⌒∇⌒*)

ハロン湾は「さいこーだワン」
(写真寄贈:佐藤亜希さん)
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1 ■無題

紛争と貧困の因果関係の論は、オックスフォード大学の政治経済学者のポールコリアー教授が、彼の本(The Bottom Billion)のなかで世界の開発途上国が進展することを塞いでいる4つのトラップの一つが紛争だと言っています。紛争で使われ失われる壮大な資金が貧困の継続させるというのが彼の研究の説です。

貧困解決が紛争をなくすより、その反対、紛争をなくすことが貧困解決につながるとコリアーは言っています。そのために彼は紛争国へ他国からの軍事援助また介入も必要だと考えています。

彼の定義するBottom Billionの国に関する考え(主に英国が関与するアフリカの開発であろう)が中心にある考え方だと思いますが、私は個人的にこのような漠然とした論理に少し戸惑います。下澤さんが言うように、貧困解決が平和につながるという事は断言しずらいように、紛争をただなくすことはそれ以上に複雑で混乱な問題じゃないでしょうか。国内に深く根付いている格差、人種、資源、植民地歴史などが関与する問題をそう簡単に終わらせる事はできないと思います。

国際開発を政治的に上の視点から見ると、貧困の問題がうまくまとめられ抽象的な解決策が話されるようですが、これは人々のダイナミックさを減少してしまうような気がしてなりません。NGOのアプローチがそのような欠点を補う役割を果たせたらいいなと思います。

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