弁護士明石順平の小話

弁護士法人鳳法律事務所に勤務する弁護士明石順平が小話を綴っていきます。


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私はこのブログ以外にも趣味のブログを書いています。
http://blog.monoshirin.com/entry/2016/06/09/220626

上記ブログでアベノミクスに関する記事を書きまくっていますが,少しでも多くの方にアベノミクスがスタグフレーションを起こしていることを知ってもらいたいのでこちらにも書きます。

■アベノミクスの驚異的失敗

安倍総理は消費税増税を延期しました。アベノミクス失敗を自認したことになります。
何をもってアベノミクス失敗とするかですが,私は,「実質民間最終消費支出がアベノミクス前を下回った」ことをもって失敗と判断します。

実質民間最終消費支出というのは,日本のGDPの約6割を占めます。
ここが伸びなければ,日本の経済成長はあり得ません。

下記のグラフは過去4年間の実質民間最終消費支出の推移を示したものです。



出典:内閣府

見てのとおり,2015年の実質民間最終消費支出は,アベノミクス前である2012年を下回りました。
このように,「実質民間最終消費支出が3年前を下回る」という現象が起きたのは,あのリーマンショックの翌年である2009年以来の出来事です。

ここで,過去22年間の実質民間最終消費支出の推移を見てみましょう。


出典:内閣府

実質民間最終消費支出が基本的に右肩上がりであり,下がることが滅多に無いものであることが分かります。
過去22年間で下がったのはたったの5回。そのうち2回をアベノミクスが占めており,落ち方も一番大きい。
なお2013年が上がっているのは増税前の駆け込み需要が影響しています。アベノミクスの効果ではありません。

実質民間最終消費支出が「3年前を下回る」ということがどれだけの異常事態か,お分かりいただけたでしょうか。
あのリーマンショック以来の超異常現象なのです。

■原因は,物価の急上昇と,名目賃金の停滞


アベノミクス3年間で,消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)は4.9ポイントも上昇しました。
物価が約5%も上昇したことになります。
私はこの急上昇が描く線を「アベ・ウォール(アベの壁)」と呼んでいます。
なお,持家の帰属家賃を除く総合を用いる理由は,これが後述する実質賃金指数算定の基礎となっているからです。
(※実質賃金指数=名目賃金指数÷消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)×100)

これほど物価が伸びた原因は増税と金融緩和です。
大事なのは,「増税だけで急上昇したわけではない」ということです。
増税だけでは4.9ポイントも上昇しません。
黒田バズーカ(異次元の金融緩和)によって急激に円安になり,輸入物価が急上昇したことが極めて大きく影響しています。
つまり,アベノミクスが原因です。

これほど物価が上昇しましたが,賃金はほとんど上昇しませんでした。
3年間でわずか0.1ポイントです。

出典:厚生労働省毎月勤労統計調査


厚生労働省の発表している上記指数は平成22年を100とした場合の指数です。
平成22年の月額平均給与は31万7,321円です(参照:政府統計の総合窓口)。

つまり,0.1を実数にすると,31万7,321円×0.1%=317円です。
3年間で317円ですから,年平均にするとわずかに約100円しか伸びなかったことになります。

このように,物価が急上昇した一方で賃金がほぼ全くといっていいほど伸びなかった結果,物価の影響を考慮した「実質賃金指数」は3年間で4.6ポイントも下落しました。


出典:厚生労働省毎月勤労統計調査


この「4.6ポイント落ちた」というのは,平成22年の賃金の4.6%分落ちたことを意味します。
先ほど述べたとおり,厚労省の発表している指数は平成22年を100としているからです。

そこで実質的に下がった賃金を具体的な数にしてみると,31万7,321円×4.6%=1万4596円となります。
単純にこれを12倍した年額は17万5152円です。

ところで,今年のトヨタのベースアップは1500円でした。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFD15H13_V10C16A3000000/

つまり,この3年間で実質的に下がってしまった賃金は,トヨタのベースアップ10年分ということです。
世界のトヨタの今年のベースアップと同じペースで名目賃金が伸び続けたとしても,元に戻るのに10年かかるということです。
しかも,それはあくまで2015年の消費者物価指数104.6が前提です。

物価がもっと上がってしまうと,実質賃金はさらに下がります。
逆に,物価が下がれば実質賃金は上がりますが,安倍総理は何と言っているでしょう。

「アベノミクスのエンジンをさらにふかします」と言っています。
アベノミクス=インフレ政策ですから,さらに物価を上げるということです。

アベノミクスを続ける限り,この実質賃金は絶対に元に戻らないと言って良いでしょう。


■実質賃金急降下により,消費が冷え込んだ


実質賃金が急降下したことにより,消費は急降下しました。
下記のグラフは過去10年間の家計実質消費支出指数(総世帯)の推移を示したものです。

出典:総務省統計局

実に5.8ポイントもの急降下です。実質賃金の低下がここに影響していることは明白です。
私はこの消費の急降下を「アベ・コースター」と呼んでいます。ジェットコースターに似ているからです。

ここで再度過去4年間の実質民間最終消費支出の推移を見てみましょう。



家計消費支出指数の落ち込みと同じ線を描いていますね。ここにもアベ・コースターが現れています。
家計消費の落ち込みが,国全体の消費の落ち込みに直結したことが分かります。

このように消費が縮小してしまったということは,企業が儲かっていないということですから,名目賃金は今後も上がらないでしょう。
それは過去3年間でほぼ伸びなかったことからも明らかです。

儲かったのは円安の恩恵を受けた輸出企業のみで,しかもそれは国内消費に波及しなかったのです。


■クルーグマンの言葉

クルーグマンというのは,アベノミクスを推進した「リフレ派」と呼ばれる経済学派の教祖と言うべき人で,ノーベル経済学賞受賞者です。
この人がいなければ,アベノミクスは生まれていなかったと言っても良いでしょう。

リフレ派は,極めて端的に言うと「金融緩和で物価を上げれば景気が良くなる」と主張している人達です。

そのクルーグマンは,今から1年半ほど前にこのような発言をしています。

http://president.jp/articles/-/14177?page=4

=========

円安のマイナスの影響で物価はすでに上昇しているが、物価だけが上昇するのは当然好ましくない。賃金は年に3、4%上がり、物価は年に2%かそれ以上上がるのがいい

日本では今急速な円安のマイナス面が表面化し、物価が上昇しているが、それに対して賃金上昇が追いついていないために、スタグフレーションに陥りつつある
==========

このクルーグマンの言葉を前提にしても,現在の日本がスタグフレーションに陥っていることは明らかです。

賃金は年に3~4%どころか,年に約0.03%のペースでしか伸びませんでした。
クルーグマンが「望ましい」と言っていたペースの100分の1以下です。
他方,物価は年に約1.6%ものペースで急上昇しました。
その結果,実質賃金が急降下し,消費が急激に冷え込みました。

■クルーグマンの発言からみるリフレ派の過ち

クルーグマンの「賃金は年に3~4%上がるのが望ましい」という発言がいかに非現実的なものであるかは,具体的な数にしてみると分かります。
計算しやすいように概数で説明します。
日本人の平均給与は,だいたい約30万円です。
したがって,年に3~4パーセントというのは,年に9000円から1万2000円名目賃金が伸び続けることを意味します。
アベノミクスの恩恵を最大限受けたであろうトヨタですら,今年のベースアップが1500円なのですから,これはありえない数字なのです。
現実には年に100円程度しか伸びませんでした。

クルーグマンは,名目賃金の伸びについて全く考えが及んでいないのです。教祖がこれですから,他のリフレ派の経済学者もそうでしょう。
具体的に考えていないから,このような非現実的な数字が出てきてしまう。
物価が上がれば,それに応じて当然賃金も上がっていく」という思い込みがあると思います。

■誰もしなかったインフレ予想

クルーグマンをはじめとするリフレ派は,「人々がインフレ予想をするとお金を使うようになる」という考えに立っています。
インフレになるということは,お金の価値が下がるということです。
したがって,持っていても損をするから,使うようになるだろう,ということです。
そうすると,消費が伸びて企業が儲かり,賃金も上がるというわけです。
だから「物価が上がれば賃金も上がる」と思い込んでいるのでしょう。

でも,誰もインフレ予想などしませんでした。
リフレ派の予想とは逆に,財布の紐が固くなっただけでした。

そして,今後も誰もインフレ予想をしないでしょう。
今までがそうだったし,「物価目標を達成できない」と散々報道されているからです。
「ああ,物価が上がらないんだな」とみんな認識しているでしょう。インフレ予想など起きません。

このままアベノミクスを継続しても消費は回復しません。

■スタグフレーションが指摘されない理由


アベノミクスがスタグフレーションであるという指摘は,少なくとも私が見る限り,あまりなされているように見えません。
その理由の一つは,報道だと思います。
「日銀が物価目標を達成できない」という報道が散々繰り返されています。

だから「物価は上がっていない」という勘違いが生じるのではないかと思います。
スタグフレーションというのは,経済が停滞しているのに物価が上がっていくことを意味します。
したがって,「物価が上がっている」という認識が無ければ,スタグフレーションという発想は出てきません。

あの「日銀の物価目標」というのは,あくまで「前年比」2%で物価を上昇させるというものです。
「アベノミクス開始時点」からの物価上昇率ではありません。
しかも,物価目標からは,増税の影響は取り除かれています。

増税の影響も入れ,かつ,3年分を全部足すと,4.9ポイントも上昇したのです。
この点を指摘している人を見たことがありません。
私も自分で調べてみて初めて気付きました。


■まとめると・・・

端的にまとめると下記のとおりです。

・アベノミクスは,モノの値段が上がれば,それに応じて当然に賃金が上がっていくという思い込みを前提にしている。
・現実には,モノの値段が上がっただけで,賃金はそのままだった。だからみんなモノを買わなくなり,消費が冷えた。
・安倍総理は思い込みに気付いていないのか,まだ物価を上げようとしている。これは賃金がそのままなのに物価を上げることになるから,正にスタグフレーション。


■参院選の争点

野党は参院選の争点をアベノミクスにすべきです。
アベノミクスがスタグフレーションであることを大いに強調すべきです。
統計データがそれを示している上,リフレ派の教祖であるクルーグマンの発言がありますから,自公は反論できないでしょう。

アベノミクスをより分かりやすく言えば「ただの賃下げ政策」です。
賃金が下がるだけの政策を支持する人がいるでしょうか。

右派も左派も全く関係ありません。アベノミクスは国民にとって何の利益ももたらしません。国民共通の敵です。

私はアベノスタグフレーションを止めるために野党に投票することを決めています。

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今日はベンチ&スクワット@エスクァティア

ベンチ

50×10
60×8
70×6
80×3
90×2
100×1

メイン
105×6

オマケ
110×3

ダウン
95×6
70×10(足上げ)

105×6は生涯ベストです。
夜にプロテインを飲むことを始めたら調子が上向きました。体重も増えましたが・・・

スクワット

70×8
90×6
100×3
120×2
130×1

メイン
140×5

ダウン
125×6
105×8

ストップ
120×5

ベンチの調子は上向いてきましたが,スクワットは特に上向いてきた気はしません。
重くも無いが軽くも無い。
なんでだろう。
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久々の筋肉日誌。
トレーニングをさぼっていたわけではありません。書くのをさぼっていただけ。

今日はベンチ&スクワット@エスクァティア

■ベンチ

40×15
60×8
70×6
80×3
90×1

メイン
102.5×6

オマケ
110×3

ダウン
95×6
65×12(足上げ)

今日は本当に久しぶりに調子が良い日でした。
いつも肩が痛くてしょうがないのですが,今日はちょっと痛いだけ。
エスクァティアのベンチ台はメガロスよりやりやすいです。ベンチの位置が高いからでしょう。力が入りやすい。

■スクワット

60×8
90×6
110×3
120×2
130×1

メイン
135×5

ダウン
120×6
105×8

ストップ
115×5

今日は若干腰に違和感があったので安全運転。


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【大・逆・転】

一審棄却,二審も棄却,納得いかねえ即上告
年末年始に書いた書面 熟読しろやJの面々

まさかの展開 弁論開催 
そして舞台は大法廷
憲法違反?判例変更?
原判決破棄マジ期待

来たぜ最高裁判所
東京都千代田区隼町
隼いねえぞ隼町
これが世に言う奇岩城
やけに高えぞこの天井

傍聴希望が超えたぜ定員 
席を埋め尽くす傍聴人
緊張Max大法廷
滅多に見れねえこの光景

そして登場裁判官
司法トップのフィフティーン
J・P官僚計10名
Bと学者で計5名
保守的なのはこの構成のせい?頼むぜ裁判長
大法廷にしか来ねえ人

さあ弁論かますぜマイリリック
耳かっぽじって聞けこのロジック
これぞ正に立て板に水
この弁舌はコミカドを超す

燃え尽きろヒート
ふるえろやハート
刻みこめビート

ヒートなハートでビートinコート

後日判決言い渡し
原判決破棄差し戻し
二度目の二審は和解で終了
内容的には勝訴と同様

俺を信じた依頼人に感謝
ご唱和下さいご一緒に

大・逆・転! ア ソレ  
大・逆・転! ア ヨイショ
大・逆・転! ア ソレ  
大・逆・転! ア ヨイショ
大・逆・転! ア ソレ  
大・逆・転! ア ヨイショ
大・逆・転! ア ソレ 
大・逆・転! ア ヨイショ

=============
※J=裁判官,P=検察官,B=弁護士。法曹界での略語。
※最高裁において二審の結論を変更する場合は口頭弁論が開催される。滅多に無い。
※憲法違反の判断や最高裁の判例変更をするときは大法廷(最高裁判事15人全員で構成)で審理を開催。
※奇岩城=最高裁の建物の外見等々からつけられた異名。
※最高裁の天井はマジで高い。
※隼町に隼がいたのは多分江戸時代まで。
※最高裁判事の構成は,裁判官出身6名,検察官出身2名,官僚出身2名,弁護士出身4名,学者出身1名。つまり,国家公務員出身が10名。
※大法廷の裁判長は最高裁長官。長官は小法廷(5名で構成)にも所属しているが,慣例として基本的に小法廷には出席しない。したがって,最高裁長官を見ることができるのは原則として大法廷のみ。
※リリック=歌詞という意味。
※立て板に水=弁舌が達者で、よどみなく流れるようにしゃべること。
※コミカド=古美門研介。ドラマ「リーガル・ハイ」で堺雅人演じる主人公(弁護士)。異常な長台詞を異常な速さと滑舌の良さで喋り倒す男。

※「燃え尽きろヒート」「ふるえろやハート」「刻みこめビート」⇒ジョジョの奇妙な冒険第4巻参照。
※コート=法廷。裁判長の名を冠して●●コートなどと言う。例えば,最高裁大法廷の場合,寺田最高裁長官が裁判長なので寺田コート。
※原判決破棄差し戻し=二審でもう一回やりなおせという意味。差し戻さずに最高裁が自分で最終的な結論を出すのは破棄自判。
※ア ソレ ア ヨイショ ⇒ from IKZOパイセン。

※私は最高裁で逆転した経験はありません。
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今日は23時50分~NHKBS1で南アフリカ代表スプリングボクス対ニュージーランド代表オールブラックスの生中継ですよ。

これはラグビー界の頂上対決です。

ウィキペディアにオールブラックスの今までの対戦成績と勝率が載っています。これを勝率の低い順に並べると,ラグビー界の歴史的な力関係がよく分かります(ブリティッシュライオンズ等の連合チームは除く)。


1.対南アフリカ 52勝3分35敗 勝率57.78%
2.対オーストラリア 105勝7分42敗 勝率68.18%
3.対フランス 42勝1分12敗 勝率76.36%
4.対イングランド 32勝1分7敗 勝率80.00%
5.対ウェールズ 27勝0分3敗 勝率90.00%

これ以外のチームは,オールブラックスに一度も勝ったことがありません(引き分けはありますが)。
地球上でオールブラックスに勝った経験を持つ国はたったの5つしかないのです。
ところで,上記の対戦成績からすると,ニュージーランド,南アフリカ,オーストラリアの南半球3か国が突出して強いのが良く分かると思います。
今大会も,上記3チームは全てベスト4に残っています。

そして,オールブラックスが唯一50%台の勝率しか残せていない相手が,南アフリカ代表スプリングボクスです。
その時々の世界ランキングは別として,歴史的な力関係でいうと,南アフリカは世界ナンバー2のラグビー大国と言ってよいでしょう。
したがって,今夜の両者の対決はラグビー界の頂上対決なのです。

直近の対決では27-20でオールブラックスが勝っています。

今晩もきっと接戦になるでしょう。
私は南アフリカ代表を応援しますよ。
日本の勝利の価値が上がりますから。


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