この旅初めての晩ごはん。
普段はレストラン「たら」の中で頂くみたいなのですが、その日はそこが貸切だった為(どうやら島の方たちも良く利用している様子で 2泊中2泊何やら宴会が入っているようでした) 離れ と呼ばれる場所へ案内されました。
そこは少し広めの個室を2部屋連なったような和室で、畳の上に長テーブルと椅子が置かれていました。そのテーブルを初めましての他の宿泊客の方と囲むというスタイルでした。
1番奥の席に少し年配のご夫婦と、1番手前の席にひとり旅らしき女性が2人、少しずれて向かい合わせに座っています。
私が通されたのはそのテーブルのど真ん中の席。
入った時、とても シン としていて おっと、この空気はちょっと気まずいやつだなと思いました。
ご夫婦カップルもその空気に耐え忍んでか 会話をしづらそうに小声でヒソヒソと会話をしたり、基本的にはだまって黙々と食べています。
ひとり旅客も 当然黙って食べている、そんな中 「お飲み物どうします?」と聞かれ
「とりあえず生中をお願いします。」と私。
むむっ、こやつこの空気の中でどんな気持ちでビール飲むんだよ!と思われたかどうかはわかりませんが、そんなことは気にしないほど私はビールが飲みたかったのです。
何故ならこの日 空港の回転寿司でビールを飲み損ね、マゴの散歩で汗だくになり 晩ごはんは絶対ビール!と決めていたからです。
それに、この空気と似たのを豊富温泉に湯治に行った際、既に経験したことがあったのです。
こういう場合、ひとり旅同士というのは どちらが 先に話しかけるのか、かけないのか、目線を合わせるでもなく なんとなくタイミングを見計らうものです。
そんな沈黙の攻防戦の最中、部屋の襖が開き ホテルスタッフのおじさんが焼酎と盃を持って「イェーイ!みんな楽しんでるー?」とでも言わんばかりに現れました。(実際はそんなこと言ってません)
ようこそ、与論島へ!の意味を込めてと、ひとり旅客の多いホテルだったので、きっとこういう空気になってるだろうな と長い経験からのホテル側の配慮だったのだと思います。
与論では そういう時に大きな盃にお酒を注いでみんなでまわし飲みをする習慣があるそうで(これでみんな仲間だぞ的な)、実際この日はそんなに大きな盃でもなく、回し飲みでもなかったのですが 同じ盃を使って黒糖焼酎をグイっと1人ずつ飲んで行きました。
あ!今思い出したのですが、たしか飲む前に軽く自己紹介もしました。
そんなこんなで 会話のきっかけが生まれて 私はひとり旅客のお2人と話をしました。
ひとりは関東のほうから 普段銀行員をされているという33歳の女性、もうひとりは韓国から来た同い年の女性でした。
韓国女性は日本語もカタコトでたまにハングル語になって ハングル語はまったくもってわからん私には ナントカニダ と言われてもチンプンカンプンでした。
google翻訳を使ってもハングル語で出てくるので読み方もさっぱりわからないし、カタコトの英語も交えながら 3人でなんとか会話をしました。
伝えにくいことを伝えるというのはなかなか面白かったです。
3人での会話もそこそこに韓国女性は 部屋に戻るわ!といって戻っていきました。
ホテルの方が めがねを観たという私に台本を見せてくれました。
帰ってきてから見返して、なるほどこのシーンかあーと、なったシーンでの登場でした。
だいたい眠くなって一回寝るあたりですね。
つづく。