賃貸マンションの空き室に侵入し、ベランダづたいに隣室に入って現金などを盗む手口の窃盗事件が昨年9月以降、大阪市内で多発していることが捜査関係者への取材で分かった。空き室は改装や入居希望者の案内など、複数の業者が出入りするため簡易な鍵だけで施錠されていることに目をつけ、集中的に狙っているとみられる。府警は同一グループによる新手の連続窃盗の疑いもあるとみている。

 捜査関係者によると、事件は大阪市中央区、西区、浪速区で発生。今年2月22日に中央区材木町のワンルームマンションで20代の女性会社員宅が荒らされ、高級ブランドバッグや現金が盗まれるなど昨年9月以降少なくとも約20件の被害が確認されているという。被害品の一部はリサイクルショップで換金されていた。

 狙われた部屋は、ほとんどがマンション中層階にもかかわらず侵入が難しいベランダ側のガラスが割られる手口が酷似。府警が調べたところ、いずれも隣室が空き室で、そこからベランダづたいに忍び込んでいたことが判明した。

 賃貸マンションの空き室は、次の入居者が決まるまで、内装業者や入居希望者を案内する不動産会社などの業者が出入りする。その都度、ドアの鍵を借りる手間を省くため、管理会社が一時的に暗証番号ダイヤル式の南京錠などを取り付けていることが多いという。

 一連の被害では、これらの南京錠が切断されるなどして侵入されたほか、一部は長期間無施錠だった空き室から侵入されたケースもあるという。

 こうした被害の多発を受けて、大阪府内の賃貸住宅管理会社など約110社でつくる日本賃貸住宅管理協会大阪府支部は加盟各社への注意喚起に乗り出した。協会はこれまで、特殊工具を使うピッキングやサムターン回しなどの空き巣被害に対して、被害が防げる鍵への交換を加盟各社に求めるなどの対応をとってきた。しかし空き室が狙われることは想定していなかったという。

 異動などにともなう転居が増える4月から5月にかけては、毎年最も空き室が増える時期。同支部では「空き室の管理が問題となれば管理会社の姿勢が問われかねない。複数の業者がスムーズに出入りできる方法を検討し、住人が安心できるよう対策を講じたい」としている。

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