公務員試験応援ブログ by 喜治塾・五十嵐

公務員試験合格を目指して頑張っているすべての方が、やる気を最後まで維持できるよう、応援します。公務員試験に役立つ有益な情報も、随時公開します。


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ミケランジェロ・ヴォナローティ(1475-1564)

 

 最終回はルネサンスの巨人、ミケランジェロです。彼の芸術に講釈は必要ありません。まずは作品に触れてみてください。(画像をクリックすると大きくなります。)

ピエタ


ピエタ(バチカン、サン・ピエトロ大聖堂)
 有無を言わさぬ説得力がありますよね。乱れた衣服の襞が、聖母からあふれる涙と慈愛を象徴しているようです。深遠な感情が、「大理石」というひとつの物体の上に結晶し、時間が停止しています。こうした作品に触れると、人間の創造性の偉大さを感じずにはいられません。ミケランジェロ23歳の時の作品です。




ダヴィデ像


ダビデ像(フィレンツェ、アカデミア美術館)
 これは理想化された人間の肉体美です。リアルなようでいて、よく見ると実はデフォルメされていることが分かります。ここにも圧倒的な「創造の美」の力を感じます。ルネサンス芸術を象徴する作品のひとつであり、人物彫刻の最高傑作とされています。

           ◆

 ミケランジェロはロレンツォ・デ・メディチが支配するフィレンツェ共和国に生まれました。少年時に、才能に注目したロレンツォに引き取られ、当時の人文主義者たちとの交流を通じて、幅広い芸術的素養と着想を得ました。

 その後、ローマ教皇ユリウス2世から、教皇のための巨大な墓廟(完成まで40年を費やした)と、システィーナ礼拝堂の天井画の制作を命じられます。彫刻を重視していたミケランジェロは絵画の仕事を嫌いましたが、完璧主義者なため、いったん始めると仕事を弟子に任せられません。4年間ほとんど一人で横になったまま『天地創造』を描き続けたため、首が曲がらなくなり、三十代で一気に老人になったという逸話があります。

 ミケランジェロは男色家で、女性の肉体に関心がありませんでした。彫刻でも絵画でも男性の肉体には異常な力が入っているのに、女性の描き方は非常に淡泊で、粗雑でさえあります。

 ダ・ヴィンチの仲の悪さは有名です。彼の絵を「わしの下男でももっとましなのを描ける」とこき下ろすほど自信家でしたが、容貌にコンプレックスを持ち、社交界へも出入りしませんでした。粗野で気難しく、仕事一筋で、「野良犬のように孤独な」(ラファエロ)生涯を送ったのです。そうした求道者だったからこそ、前人未踏の大作「最後の審判」を描き得たのでしょう。




最後の審判

最後の審判(バチカン、システィーナ礼拝堂)
 教皇パウルス3世の命令により、1536年から1541年までかけて完成したミケランジェロの最高傑作です。
最後の審判が下される日、キリストの再臨とともに死者たちも蘇生し、すべての人間が最終的な裁きを受け、天国と地獄に振り分けられます。中央のキリストを中心に、左側が天国に昇る人々、右側が地獄に墜ちる人々で、まるで画面が動き出す
かのような躍動感があります。
 若々しく、力あふれる肉体を持ったキリストや、罪深き人間たちと戦う神々しい天使の姿、地獄に落とされた人々の恐怖と絶望に満ちた表情、どれひとつとっても、彼ならではの説得力があります。それまでも、それ以後も、誰もが描けなかった世界です。


 ただ、残念なことに、この作品は制作開始当初から異教的だと批判され、裸体で描かれていた人物に他人の手で衣服が描き加えられたり、44箇所の加筆修正がなされています。こういう事情もあってか、ミケランジェロは、生きたまま剥がされた自分の皮を持つ聖バルトロマイ(キリストのすぐ右下)に自己を託し、自画像としています。

 滑稽で自虐的ですが、それだけに、強い自負心と、天才を理解しない俗世間の中での孤独感が伝わってきます。また、ミケランジェロが終生コンプレックスを持ち続けた、自分の「肉体という檻」からの精神の解放を象徴しているようでもあります。


 それにしても、こうした逸話とは別に、作者の人格を易々と超越してしまう西洋芸術のスケールの大きさには、ただ圧倒され、憧憬と畏敬を感じます。


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レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519 )


 絵画の他、彫刻、建築、科学、工学など多方面に才能を発揮した大天才、ルネサンスの理想とする「普遍人」の体現者です。反面、生涯独身で男色家、菜食主義者、人力飛行機や殺人兵器の発明家(チェーザレ・ボルジアに仕えていた)でもあり、謎に満ちたところが人を惹き付けてやみません。

 裕福な公証人の家に私生児として生まれ、14歳のころフィレンツェに出て画家ヴェロッキオに師事しました。工房の先輩にはボッティチェリもいました。当時のフィレンツェでは、禁止令が出るほど男色が流行しており、ダ・ヴィンチもボッティチェリも男色容疑で告発されています。ダ・ヴィンチは当時、天使のような美貌の持ち主として有名で、代表作『モナ・リザ』は自画像という説もあるくらいです。彼自身も、生涯美少年を好みました。

 遅筆で知られ、現存する絵画は17点。頭の中でイメージが完成した後は、関心がすでに別の対象に移るため(多動性障害だったとも言われています)、多くの作品が未完成です。


最後の晩餐

レオナルド・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』


 救世主キリストは、磔刑の前夜に12人の弟子とともにした晩餐の席で、「汝らのうちの一人われを売らん」と告げます。弟子たちは、「主よ、私ですか」といっせいにどよめきます。自分の存在が問われる決定的な瞬間に、各々が示す表情と動作は、個人の人間性と個性を余すところなく語り尽くしています。左から4人目が、裏切りを見破られたユダです。

 弟子たちの落ち着きのない動きにもかかわらず、画面全体に神秘的な静けさが漂うのは、すべての焦点が悲しみに沈む中央のキリストに集まるよう、巧妙に構図が計算されているからです。人間と自然の本質を冷徹に観察し続けた、彼のみが到達し得た境地です。

 この絵は壁画にテンペラを使うという技法上の失敗ゆえ、完成後すぐに絵の具が壁から剥がれ落ち始めました。さらに、修道院の食堂に描かれたため湿気による痛みがひどく、ナポレオン時代には馬小屋に使われたり、度々の洪水で水没したりと、受難の歴史をたどります。第二次大戦中、米軍のミラノ空爆で建物は倒壊しましたが、壁画のある壁だけは奇跡的に残りました。しかし戦後の復興まで3年間、屋根の無い状態で野ざらしにされていたのです。

 こうした経緯から、500年ものあいだ断続的に数知れぬ修復がなされ、現在の姿になったのは1999年のことです。ダ・ヴィンチの手による絵の具はほとんど残っていないのが実情ですが、それでもなお、奇跡の傑作として、世界美術史上ひとつの頂点をなしています。ユネスコの世界遺産 (文化遺産) に登録されています。


 最後に、絵画とは関係ありませんが、受験生の皆さん向けにダ・ヴィンチの名言を紹介します。


「食欲無くして食べることが健康に害あるごとく、

意欲を伴わぬ勉強は記憶を損ない、記憶したことを保存しない。」



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来週から人文科学の講義が始まります。

その中でも芸術は、私が一番好きな分野です。

政治の話からいきなり落差が激しいですが、

きょうは芸術の秋にふさわしく、絵画をとりあげます。


今年は講義に対応するかたちで、

ブログで継続的に西洋美術史を取り上げる予定です。


美術史を理解するには、実際に絵を見ておくことが必要です。

絵画の問題では、問題文に写真が載っていることもあります。

テキストに載っている作品をブログで紹介していきますから、

講義を受けている人は、レジュメに対応させて見てください。


ルネサンス


ルネサンスは、キリスト教以前のギリシャ・ローマ文化を模範とした、人間中心主義の文化です。

美術の分野では、15世紀から16世紀にかけてフィレンツェ(伊)を中心に展開しました。

この時期の画家たちは、解剖学などの学問の成果を通じ、

世界美術史上、もっとも偉大な普遍性を獲得するに至りました。

とくに人間の肉体美の表現は、極限まで理想化され、

西洋芸術のひとつの到達点を示しています。


それ以前のゴシック美術に見られなかった特徴は

①光と影の自然で柔らかい表現、

②平面的な描き方ではない遠近法を用いた構図、

③人間の理想的な美しさを表現するための写実的な技法、です。


これから、イタリアルネサンスを代表する、ボッティチェリ、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロの作品を紹介します。


①ボッティチェリ(1445-1510 )

ボッティチェリ は、初期ルネサンスで最も偉大な業績を残したフィレンツェ派の画家です。

皮革職人の家に生まれ、時の権力者メディチ家の庇護を得て、生涯独身で画業に専念しました。

春(ラ・プリマベーラ)ビーナスの誕生など、ギリシャ・ローマ神話を題材にした傑作を残しています。

しかし、晩年は宗教改革者サヴォナローラ(のちに火刑)の影響で、異教的な作品を自らの手で多数焼却し、画業を断念したとされています。


ヴィーナスの誕生

ボッティチェリ『ヴィーナスの誕生』

(画像をクリックしてください。大きくなります)

ヴィーナスは、愛と美の女神です。

海で生まれ、貝殻に乗り、西風の妖精(画面左手)に微風を吹きつけられて、岸辺にたどり着きました。

海岸では、待ち受けた花の女神(画面右手)が祝福し、花の衣をまとわせようとしています。

ヴィーナスの表情に注目してください。どことなく物憂げで、今にも消え入りそうなはかなさが感じられます。

それがいっそう、ヴィーナスの官能的な美しさを際だたせています。


遠近感や写実性は盛期ルネサンスの巨匠に及びませんが、

ボッティチェリ特有の流麗な線描によって、

現実世界を超えた耽美世界の極致を見せています。


西洋世界における「美とエロスの再生」を試みるのが、ルネサンスの精神です。

ヴィーナスの誕生は、まさにそれにふさわしいテーマでした。

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