公務員試験応援ブログ by 喜治塾・五十嵐

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公務員試験応援ブログ by 喜治塾・五十嵐

本日の朝日朝刊に「はだしのゲン 閲覧制限はすぐ撤回を」という社説が載っていました。

松江市教委が小中学校の図書館で許可なく読めないよう指示していたそうです。


同書は、作者が自らの被爆体験を元に書いた反戦漫画で、

ちょうど40年前、少年ジャンプで掲載が始まりました。

当時小3だった私はこの漫画が怖くて読み飛ばしていましたが、

最近、図書館で借りて全巻通して読みました。


絵が恐怖漫画のようにおどろおどろしく、登場人物も次々に死んでいく残酷さから、

連載当時は子どもたちに人気がなかったようです。

また、登場する軍人や警官、教師、市職員、町会長など市井の権力者たちがとても悪く描かれています。

権力者以外でも意地悪な人たちがこれでもかと登場し、原爆自体の悲惨さに輪をかけて、

助け合いどころかいがみ合いや弱い者いじめばかりしていた当時の民衆のおぞましさが伝わってきます。

まるでゾラの自然主義文学を読んでいるようです。

そんな中にも「地獄に仏」というにふさわしい人物が少なからず登場してゲンを助けます。

被爆者や孤児、乞食、老人、女性といった弱者に対するゲンの健気な優しさも「救い」になっています。


この作品を批判する人は、政治的・思想的な短絡思考や未熟さを理由に挙げますが、

それは10代の少年の目を通して描かれているから当然のことです。

逆に、「社会の複雑さ」を言い訳に使わない、容赦のない純粋さに心を打たれます。

この作品の本質は強靱でかつ優しい、ゲンのヒューマニズムにあります。

天皇を支持した政治家、軍人、警官、小学校長、町内会長、婦人会役員、

戦後に至っては米兵、暴力団員、右翼、市役所職員、医師、中小企業経営者など、

あらゆる偽善に呵責ない攻撃を加えるゲンの純粋さに拍手を送りたくなります。


さて、どういう人たちがこの作品を批判しているのか。

朝日社説によると、一部の松江市議が

「ありもしない日本軍の蛮行が掲載され、子どもたちに悪影響を及ぼす」とし、

「不良図書」だとして市教委に対応を求めたそうです。

「新しい歴史教科書をつくる会」も以前からこの作品を問題視し、教育現場からの追放を求めています。

なにせ「君が代を歌うな、昭和天皇が最大の戦争責任者だ」と堂々と書いているのですから。

また、戦前に日本軍が行った中国人や朝鮮人に対する残虐行為を描写し、

戦争賛美者を痛快にやっつけるところも、右寄りの人たちには面白くないでしょう。

「日教組のプロパガンダだ」「反日漫画だ」「愛国心を損なう」などと言われています。


たしかに後半に進むにつれて強まる左翼的立場や過剰な正義感は鼻につきますが、

小林多喜二の「蟹工船」と同様、欠点があっても普遍性のある良い作品は残ります。

最近は日本の漫画ブームともあいまって、

英語はもとよりロシア語やペルシャ語など数十カ国語に翻訳され、

海外でもジワジワと読者を増やしているのがその証拠です。


私の家でも子どもには押しつけなかったのですが、

かつてこの作品を無視した40年前の私と同じ小3になった息子は、

自ら手に取りハマってしまい、泣きながら3日で10巻を読破しました。

この本を読んだら戦争は確実に嫌いになるでしょうが、

日本が嫌いになるということはありません。

それどころか、ゲンはすべての人に、どんな過酷な環境でも「生きぬく勇気」を与えてくれます。

また、大人の言うことや社会の仕組みがすべて正しいのではないことを知っておくのは大切なことです。

その機会を子どもから奪ってしまうことに反対です。


未読の方はぜひ1巻だけでも読んでみて下さい。

はだしのゲン (1) (中公文庫―コミック版)/中沢 啓治
¥740
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