市役所の志望理由 ~「町を愛する」
テーマ:公務員試験・面接対策最近、市役所のエントリーシートの相談を良く受けます。
「縁もゆかりもない市役所なので、志望理由をどう書けばよいか分からないんですが…」
こんな場合には3つの視点から考えればよいです。
1 ○○市というのは無視して、市役所職員になりたい理由を書く
2 ○○市の方針や政策に共感していることを書く
3 ○○市が魅力的で大好きであることを書く
1だけだと面接の時に「なぜ○○市なの?」と突っ込まれます。
2だけだと「いかにも作りました」という感じが見え見えだったり、「人のフンドシで相撲を取る他力本願な奴だ」という感じもします。
そこで1と2を抱き合わせるなど併用しても構いません。
2とは逆に、「○○市は××が良くないから改善するために志望した」という人がいますが、これはおかしいと思います。
就職先を選ぶのは生涯の伴侶を選ぶようなものだとすれば、この感覚はないでしょう。何かの補強理由には使えるでしょうが…。
そこで王道は3だと思うのです。
しかし塾生にそれを伝えると、こう言い返されることが多い。
「ですが○○市はそんなに特色がないし、魅力的だとは思いません」
そんなとき私は逆質問します。
「そんなんで○○市を受けてもいいの?一生勤めるかもしれないのに、好きになれそうもない市でいいんだ?」
受験生の中には、「採用枠が大きいから」とか、「競争率が低そうだから」という理由だけで自治体を選択する人が少なくありません。
結婚相手を選ぶ場合に、「こっちは競争率が低そうだから…」などということはあり得ないと思います。就職先だって結婚相手を選ぶのと同じぐらい重要なことかもしれません。なのに就職先については、けっこう安易に考えている人が多いのです。
「その町は自分にとってどこが魅力なのか」
「数ある自治体の中から、なぜ自分はそこを選ぶのか」
を真剣に考えて見てください。
自分自身の中にある町への愛着、町への視点にこだわりを持ってください。
そうすれば面接の時にも、おのずと自分の熱意がアピールでき、発言にも説得力が増します。
私は記者時代、函館で5年間過ごしました。これまで住んだ10あまりの市・区の中でも一番好きな町です。
函館の魅力を象徴するのが、なんと言っても世界一美しいといわれる夜景です。夜景は人々の暮らしが放つ光です。だから生き物のように歳月とともに変化していきます。
ところが函館では、産業構造の転換や青函トンネルの開通により港が廃れ、新しい住民は安価な土地を求めて内陸部へと移動して行きました。そのため夜景の最大のポイントとなる港付近の明かりがどんどん暗くなっています。
「このままでは世界一の夜景が消滅してしまう。」
そういう危機感から、市民も行政も立ち上がりました。港地区の活性化のために観光施設を整備・誘致したり、官民一体となってさまざまなイベントを開催したり、相当なお金をつぎ込んで歴史的建造物の保存やライトアップ事業に取り組んで来ました。
市民の中には、わざわざ港地区の廃屋に移り住んで、夜景を彩るイルミネーションを自前で飾り付け、点灯している人もいます。町に対して相当な愛情がなければできないことです。そうした努力が実り、函館の夜景は復活し、輝きを増しています。
さて、志望動機の話に戻りましょう。
どんな自治体にも必ず、町を愛するがゆえに盛り上げようと努力している住民や職員がいて、その人たちが町の魅力を支えています。
自分もその一員になるんだという意識で町を観察し、志望動機を固めてください。
そもそも××という政策が出てきたのは町を良くしたいという職員の熱意によるのですから、自分もその職員に負けない熱意を持って、△△という政策を目指しますぐらいのことは言って欲しいです。
「町を愛する」ことが第一歩です。














